犬が車酔いをする原因と症状は?|対策や予防法も解説
公開日:2026年10月14日
更新日:2026年10月15日

愛犬がドライブ中に大量のよだれを出したり、吐くなどの症状をみせたりすると、不安になりますよね。
車酔いの理由はさまざまで、その子に合った対策や対処法をみつけることが重要です。
この記事を読めば、愛犬に合った車酔い対策を理解し、不安なく一緒にドライブやお出かけができる状態になるでしょう。
[目次]
車酔いのサイン?初期症状から重度症状まで
犬の車酔いの症状は、人間と同じように嘔吐だけではありません。
行動や様子にみられる些細な変化が、車酔いのサインである可能性があります。
見逃しやすい初期症状から、すぐに対応が必要な重度の症状まで、段階的に解説します。
【初期】そわそわする・あくびを繰り返す
車酔いの初期症状、つまり前兆として、落ち着きがなくなる、そわそわと動き回る、頻繁にあくびをするといったサインがみられます。
ほかにも、体をぶるぶると震わせたり、飼い主の顔をしきりに舐めたりすることもあります。
これらは犬が不安や不快感を感じ始めているサインです。
まだ軽度な症状ですが、この段階で早めにきづき、休憩などの対応をとることが重症化を防ぐ鍵となります。
【中度】大量のよだれやパンティング(荒い呼吸)
車酔いが進行すると、より分かりやすい症状があらわれます。
代表的なのが、口から大量のよだれを垂らすことです。
これは自律神経が乱れ、唾液の分泌がコントロールできなくなるために起こります。
同時に、舌を出してハッハッと速く浅い呼吸を繰り返す「パンティング」もみられます。
体温調節のときにもみられる行動ですが、涼しい車内でこの呼吸をしている場合はストレスや吐き気のサインかもしれません。
ほかにも鼻水が出るといった症状もあらわれることがあります。
【重度】嘔吐やぐったりする
症状がさらに悪化すると、人間と同じように嘔吐してしまいます。
胃の中身をすべて吐くこともあれば、胃液だけを吐くケースもあります。
嘔吐を繰り返すと脱水症状につながる危険もあるため注意が必要です。
また、嘔吐や下痢といった症状のほか、ぐったりとして動かなくなり、呼びかけへの反応が鈍くなることもあります。
体が小刻みに震える様子がみられる場合もあり、このような重い症状が出たときは、すぐに車を停めて休憩させる必要があります。
犬が車酔いする2つの原因|体の仕組みと心のストレス
犬がなぜ車酔いするのか、その理由は大きく分けて2つあります。
一つは人間と同じく、体の仕組みにかかわる物理的な原因です。
もう一つは、車という特殊な環境が引き起こす心理的なストレスが関係しています。
愛犬がどちらの原因で酔っているのかを考えることが、効果的な対策につながります。
原因①:車の揺れによる三半規管への刺激
犬が車酔いするもっとも一般的な原因は、乗り物特有の揺れや加速・減速によって、耳の奥にある三半規管が過剰に刺激されることです。
三半規管は体のバランスを保つ役割を担っていますが、車の動きによって目から入ってくる情報と、三半規管が感じる揺れの感覚にズレが生じます。
この情報のズレを脳がうまく処理できずに混乱し、自律神経が乱れて吐き気やめまいなどの症状を引き起こします。
原因②:車という環境へのストレス
過去の経験からくる心理的なストレスも、車酔いの大きな理由です。
「車に乗ると動物病院など嫌な場所に連れて行かれる」という経験が重なると、犬は車に対して恐怖心や不安を抱くようになります。
また、慣れないエンジン音や振動、車内のニオイ、狭い空間などもストレスの原因となります。
このような精神的な負担が自律神経の乱れにつながり、車酔いの症状を誘発したり、悪化させたりします。
車酔いしやすい犬種
特定の犬種が遺伝的に車酔いしやすいという明確な科学的根拠はありません。
ただ、体の構造や特性から、車酔いしやすい傾向があるといわれる犬種は存在します。
たとえば、体の平衡感覚をつかさどる三半規管が未発達な子犬は、成犬に比べて酔いやすい傾向にあります。
また、鼻が短いフレンチブルドッグやパグなどの短頭種は、呼吸器系の構造からストレスを感じやすいといわれています。
嗅覚が敏感な犬種も、車内のニオイに敏感に反応して気分が悪くなることがあります。
当日にできる!出発前から乗車までの車酔い予防策
犬の車酔いは、出発当日の少しの工夫で予防したり、症状を軽減したりすることが可能です。
愛犬が少しでも快適にドライブできるよう、万全の準備で車酔いを防ぐポイントを4つ紹介します。
①出発の2〜3時間前には食事を済ませる
ドライブ前の食事は、タイミングと量が重要です。
空腹状態でも満腹状態でも、胃が刺激されて吐き気をもよおしやすくなります。
車酔いを予防するためには、出発の2〜3時間前までに食事を済ませておくのが理想的です。
その際、フードの量はいつもより少なめに調整しましょう。
これにより、消化がある程度進んだ状態で車に乗ることができ、胃への負担を軽減できます。
②乗車直前に軽く散歩や排泄をさせておく
車に乗る直前に、軽い散歩に連れて行き、排泄を済ませておくことも効果的な予防策です。
散歩をすることで犬の気分転換になり、ドライブ前の不安や興奮を和らげる効果が期待できます。
また、事前にトイレを済ませておくことで、犬自身も安心して車内で過ごせますし、飼い主も道中での粗相の心配が減り、お互いのストレス軽減につながります。
③車内のニオイ対策と適切な温度設定

犬は人間よりも嗅覚がはるかに優れているため、車内のニオイがストレスや車酔いの原因になることがあります。
芳香剤やタバコ、食べ物の匂いなど、人間にとっては気にならない香りでも犬には強すぎることがあります。
乗車前にはしっかりと換気を行い、無香料の消臭剤を使用するなど、ニオイ対策を心がけましょう。
また、夏場や冬場はエアコンを適切に使い、犬が快適に過ごせる温度を保つことも重要です。
④クレートやドライブベッドで体を安定させる
走行中の揺れは車酔いの直接的な原因になるため、犬の体を安定させることが大切です。
犬用のシートベルトやドライブベッド、クレートなどを活用し、体をしっかりと固定しましょう。
特にクレートは、体が囲まれていることで犬に安心感を与え、揺れを軽減する効果も期待できます。
クレートを置く向きは、進行方向がみえるように設置すると、視覚情報と体の揺れが一致しやすくなり、酔いを防ぐのに役立ちます。
走行中の工夫|愛犬のストレスを和らげる3つのポイント
長時間の旅行などでは走行中の過ごし方も重要です。
運転の仕方や車内環境への少しの気配りが、愛犬のストレスを大きく軽減し、車酔いを防ぐことにつながります。
愛犬の様子をこまめに確認しながら、快適なドライブを続けるための3つのポイントを紹介します。
①窓を少し開けて新鮮な空気を取り入れる
車内の空気がこもると、気分が悪くなりやすくなります。
定期的に窓を少し開けて空気を入れ替える対策は、車酔いの予防に効果的です。
新鮮な空気が車内に入ることで、こもったニオイが外に排出され、愛犬の気分転換にもつながります。
ただし、犬が窓から顔を出しすぎると、飛び出しや異物が目に入るなどの危険があるため、開ける幅には十分注意してください。
②休憩は1〜2時間ごとにこまめに取る
人間にとっては短く感じる移動時間でも、犬にとっては大きな負担になっていることがあります。
特に長距離を移動する場合は、1〜2時間ごとに休憩時間を設けるようにしましょう。
サービスエリアや公園など、安全な場所で車から降ろし、少し歩かせたり、水を飲ませたりするだけでも良いリフレッシュになります。
こまめな休憩が、結果的に車酔いを防ぎ、目的地まで元気に到着することにつながります。
③優しい運転を心がける
急発進、急ブレーキ、急ハンドルといった運転は、車内の揺れを大きくし、犬の三半規管を過度に刺激します。
これは車酔いを引き起こす大きな原因となるため、飼い主が意識して優しい運転を心がけることが何よりの対策です。
車酔いしてしまったら?対処法と休憩のコツ
どれだけ気をつけていても、愛犬が車酔いしてしまうことはあります。
そわそわし始めたり、よだれが増えたりといったサインがみられたときは、慌てず冷静に対応することが重要です。
ここでは、実際に車酔いの症状がでてしまったときの具体的な対処法と、効果的な休憩の取り方について解説します。
いざというときのために、正しい対処法を知っておくとよいでしょう。
安全な場所に停車して外の空気を吸わせる
愛犬が車酔いしたときの最初の対応は、速やかに安全な場所に車を停めることです。
高速道路であればサービスエリアやパーキングエリア、一般道であれば公園の駐車場などを利用しましょう。
車から降ろしてリードをつけ、外の新鮮な空気を吸わせてあげてください。
少し歩かせたり、地面の匂いを嗅がせたりするだけでも気分転換になり、症状が落ち着くことがあります。
この休憩が最も効果的な対処法です。
水分補給と汚れた場所の清掃
嘔吐してしまった場合は、脱水症状を防ぐために水分補給が必要です。
ただし、一度にたくさんの水を与えると再び吐く原因になるため、少量ずつ様子をみながら与えましょう。
もし車内を汚してしまったら、すぐに片付けることが大切です。
吐瀉物のニオイが残っていると、犬の不快感が続いてしまいます。
ペット用の消臭スプレーやウェットティッシュなどを常備しておき、ニオイが残らないようきれいに清掃する対処をしてください。
車への慣れさせ方|トラウマを克服するための3ステップ
車酔いの原因が「車=怖い場所」というトラウマにある場合、その苦手意識を克服するためのトレーニングが有効です。
焦らず時間をかけて、車が安全で楽しい場所だと教えてあげましょう。
ここでは、慣れない車への恐怖心をなくし、車酔いを根本的に改善するための3つのステップを紹介します。
ステップ1:エンジンをかけずに車内で過ごす練習
最初のステップは、車を「動かない安全な空間」として慣れさせることです。
エンジンをかけずにドアを開けた状態で、お気に入りのおもちゃやおやつを使って車内で一緒に遊びます。
まずは数分から始め、犬がリラックスできるようになったら少しずつ時間を延ばしていきましょう。
この練習を繰り返すことで、「車の中は楽しい場所」という良い印象を与え、車への警戒心を解くことが克服の第一歩であり、効果的な予防につながります。
ステップ2:短い距離のドライブから始める
車内でリラックスできるようになったら、次のステップに進みます。
まずエンジンをかける音に慣れさせ、怖がらなければ、家の周りを一周するなど、ごく短い距離のドライブから始めてみましょう。
時間は5分程度で十分です。
ドライブが終わったら、たくさん褒めておやつをあげるなど、特別なご褒美を用意します。
これを繰り返しながら、少しずつ走行時間と距離を延ばしていくことで、車での移動そのものへの慣れを促し、酔いにくくしていきます。
ステップ3:「車に乗ると楽しい場所へ行ける」と関連付ける
最終ステップは、「車=楽しい場所へ行くための乗り物」という良いイメージを結びつけることです。
ドライブの目的地を、犬が大好きな公園やドッグラン、散歩コースなどに設定します。
車に乗って移動した先に楽しい出来事が待っている、という経験を何度も繰り返すことで、犬は車に乗ることを楽しみにするようになります。
この段階までくれば、車への苦手意識はかなり克服されているはずです。
改善しないなら動物病院へ|酔い止め薬の使い方
さまざまな対策やトレーニングを試しても車酔いが改善しない場合や、症状が重い場合は、無理をせずに動物病院に相談することをおすすめします。
動物病院では、愛犬の体質や状態に合わせた酔い止め薬の処方に加えて、不安を和らげるケアなどについてもアドバイスをうけられる場合があります。
まずは日ごろの様子を伝え、愛犬に合った対処法を一緒に考えてもらうのも選択肢の一つです。
動物病院で相談するタイミングの目安
セルフケアで車酔いの症状が改善しないときや、嘔吐が激しく、車から降りた後もぐったりして回復に時間がかかる場合は、獣医師に相談するタイミングです。
また、旅行や帰省などで長時間のドライブを控えている場合は、事前に獣医師へ相談し、必要に応じて酔い止め薬を処方してもらうことも一つの選択肢です。
獣医師は、犬の体重や健康状態に合わせて適切な薬を選んでくれるため、自己判断で市販薬などを試す前に、まずは専門家のアドバイスを求めましょう。
酔い止め薬を飲ませる際の注意点
酔い止め薬を使用する際は、獣医師から指示された用法・用量をかならず守ることがもっとも重要です。
一般的には、出発の30分から1時間前に飲ませることが多いですが、薬の種類によってタイミングは異なります。
食事と一緒に与えてよいかなども確認しましょう。
また、副作用として眠気が出ることがあります。
万が一、薬を飲んだ後にいつもと違う様子がみられた場合は、すぐに獣医師に相談してください。
犬の車酔いに関するよくある質問(FAQ!)
ここでは、犬の車酔いに関して飼い主からよく寄せられる質問にお答えします。
子犬の車酔いや、酔ってしまった後の食事、人間用の薬の使用についてなど、気になる疑問を解消していきましょう。
子犬のほうが車酔いしやすいというのは本当?
子犬は体の平衡感覚をつかさどる三半規管がまだ発達途中のため、成犬に比べて車の揺れの影響を受けやすく、車酔いしやすい傾向があります。
また、車に乗り慣れていない経験不足も原因の一つです。
成長とともに改善されることも多いですが、特定の犬種に関わらず、子犬のうちは特に注意深く様子をみてあげてください。
犬が車酔いで吐いてしまった後、ご飯はあげても大丈夫?
すぐに食事を与えるのは避けましょう。
嘔吐後の胃腸は敏感になっているため、すぐに食事をすると再び吐く可能性があります。
まずは新鮮な水を少量与えて様子をみてください。
数時間経って落ち着いているようであれば、普段より量を減らした、消化の良いフードから与え始めるのが安全です。
人間用の酔い止め薬を犬に与えても問題ない?
絶対に与えないでください。
人間用の薬は犬にとって成分量が多すぎたり、犬には有害な成分が含まれていたりする危険性があります。
中毒症状を引き起こし、命に関わる事態になるおそれもあるため、自己判断で与えるのは非常に危険です。
酔い止め薬が必要な場合は、かならず動物病院で犬用に処方された薬を使用してください。
まとめ|犬の車酔いは予防と適切な対処で負担を軽減しよう

犬の車酔いは、体の仕組みと心のストレスが主な原因です。
愛犬の症状を初期段階で見極め、原因に合わせた対策を講じることが重要になります。
出発前の食事管理や車内環境の整備といった予防策に加え、走行中のこまめな休憩や優しい運転も効果的です。
また、車に対するトラウマを克服するための慣らしトレーニングも根本的な解決につながります。
これらの対策を試しても改善がみられない場合は、動物病院にて相談しましょう。
愛犬に合った方法をみつけ、快適なドライブを実現してください。
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