犬のオッドアイはなぜ生まれる?病気や視力へのリスク、なりやすい犬種を解説
公開日:2026年7月6日
更新日:2026年7月6日
犬のオッドアイは、左右の目の色が違う神秘的な見た目が特徴です。
この記事では、オッドアイが生まれる原因や、視力など健康面へのリスク、そしてオッドアイになりやすい犬種について詳しく解説します。
愛犬がオッドアイである場合や、これから迎えようと考えている方が知っておきたい注意点も紹介するので、病気の可能性や適切なケア方法の理解にお役立てください。
[目次]
犬の「オッドアイ」とは?左右の目の色が違う原因
犬の「オッドアイ」とは、左右の目の色が異なる状態を指す言葉です。医学的には「虹彩異色症(こうさいいしょくしょう)」と呼ばれ、目の虹彩部分のメラニン色素の濃度が左右で違うために起こります。
例えば、片方の目が青(ブルー)で、もう片方の目が茶色(ブラウン)といった組み合わせがみられます。この現象は犬だけでなく、猫や人間にもみられるもので、その原因は遺伝的なものから病気によるものまでさまざまです。
犬のオッドアイが生まれる2つの主な理由
犬の目がオッドアイになる理由は、なぜそうなったかの経緯によって大きく2つに分けられます。
一つは、生まれつき目の色が違う「先天性」のもので、主に遺伝子が関係しています。
もう一つは、成長してから何らかの要因で目の色が変わる「後天性」のものです。
後天性の場合は、ケガや病気が原因となっている可能性があり、注意が必要です。
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
「先天性」オッドアイは遺伝子が関係
生まれつきのオッドアイは、親からの遺伝や、母親の胎内で成長する過程で偶然起こる遺伝子の変異が原因です。
特に、被毛の色をまだらにする「マール遺伝子」や、白い斑を作り出す「パイボールド遺伝子(白斑遺伝子)」が、目の虹彩の色素形成に影響を与え、オッドアイになる確率を高めるとされています。
これらの遺伝子は特定犬種に多くみられますが、犬種に関わらず突然変異であらわれることもあります。先天性のオッドアイ自体は、病気ではありません。
「後天性」オッドアイはケガや病気が引き起こす
もともとは左右同じ目の色だった成犬が、ある時からオッドアイに変化した場合、後天的な原因が考えられます。
最も注意すべきなのは、緑内障やぶどう膜炎、白内障といった目の病気です。これらの病気は、炎症や眼圧の変化によって虹彩の色素細胞に影響を与え、目の色を変色させることがあります。
また、事故などで目を強くぶつけた際に、虹彩が傷ついて色が変化するケースもみられます。後天的な変化に気づいたら、速やかに動物病院を受診することが重要です。
オッドアイの犬は視力や聴力、健康的な問題がある?
オッドアイの犬を迎えるにあたり、視力や聴力、そのほかの健康面に問題がないか心配になるかもしれません。
先天性のオッドアイそのものは病気ではないため、基本的には健康な犬と変わりなく生活できます。
ただし、オッドアイに関連する遺伝子によっては、いくつかのリスクや注意すべきデメリットが存在します。
視力、聴力、寿命の3つの観点から、考えられる健康的な問題について解説します。
視力は弱い?青い瞳の光に対する感受性
オッドアイそのものが視力に直接影響を及ぼすことはなく、左右の目の視力に差があるということも基本的にはありません。日常生活を送る上で、視力に関する特別な心配は不要です。
ただし、メラニン色素が少ない青い瞳は、色素が多い茶色い瞳に比べて光を通しやすく、眩しさを感じやすい傾向があります。そのため、日差しが強い場所では目を細めたり、見えにくそうにしたりすることがあります。長時間の強い紫外線は目への負担になる可能性も否定できません。
聴覚に障害は出やすい?被毛の色との関連性
オッドアイと聴覚障害が必ずしも結びつくわけではありません。
しかし、オッドアイの原因となるマール遺伝子やパイボールド遺伝子は、内耳の細胞の色素形成にも影響を及ぼすため、先天的な難聴のリスクを高めることが知られています。
特に、マール遺伝子同士の交配で生まれた子犬や、頭部を含め白い被毛の面積が広い犬は、聴覚に障害をもって生まれる可能性が高まることが指摘されており、これは遺伝的なデメリットの一つと言えます。
オッドアイは短命?犬の寿命を縮めることもある?
先天性のオッドアイが直接の原因となって犬の寿命が縮まることはありません。
遺伝的にオッドアイをもって生まれた犬は、健康な犬と同じように天寿を全うすることができます。
ただし、注意が必要なのは後天性のオッドアイです。
緑内障やぶどう膜炎などの病気が原因で目の色が変わった場合、その病気自体が犬の健康を損ない、結果的に寿命に影響を及ぼすリスクもあります。
そのため、目の色の変化に気づいたら早期に原因を特定し、治療を開始することが大切です。
オッドアイになりやすい代表的な犬種一覧
特定の遺伝子が関係していることから、オッドアイになりやすい犬種はいくつか存在します。
もちろん、ここに挙げる犬種以外でもオッドアイが生まれる可能性はありますが、遺伝的に虹彩異色症が現れやすい代表的な犬種を紹介します。
オッドアイになりやすい犬種は、その犬種がもつ遺伝的背景と深く関わっています。
シベリアン・ハスキー
オッドアイの犬種として最も有名なのがシベリアン・ハスキーです。オッドアイを発現させる遺伝子をもつ個体が多く、片方の目がブルーになることが犬種スタンダードとしても認められています。
なぜハスキーにオッドアイが多いのか、その明確な理由は解明されていませんが、極寒の地で犬ぞりを引いていた歴史から、雪の反射光から目を守るために色素が薄くなったという説もあります。
涼しげで知的な印象を与える理由の一つです。
ボーダーコリー
非常に賢く、運動能力が高いボーダーコリーもオッドアイがみられる犬種です。
特に「ブルーマール」と呼ばれる大理石のような美しいまだら模様の毛色をもつ個体に多くみられます。
これは、毛色を形成するマール遺伝子が目の虹彩の色素にも影響を与えるためです。
活発な性格と個性的な見た目が組み合わさり、多くのファンを魅了しています。
ちなみに、柴犬をはじめとする日本犬では、オッドアイの原因となる遺伝子をもつことが極めて稀なため、ほとんどみられません。
ミニチュアダックスフンド
ミニチュアダックスフンドでは、「ダップル」と呼ばれるまだら模様の毛色をもつ個体にオッドアイがあらわれることがあります。
このダップルという毛色は、ボーダーコリーのブルーマールと同様にマール遺伝子の働きによるもので、この遺伝子が虹彩の色素を部分的に薄くするため、片方の目が青くなることがあります。愛らしい容姿の中に、神秘的な瞳が輝く姿が特徴です。
オーストラリアンシェパード
オーストラリアンシェパードは、ブルーマールやレッドマールといった美しい被毛の色が人気の犬種ですが、このマール遺伝子の影響でオッドアイが比較的多くみられます。
ボーダーコリーと同様に牧羊犬として活躍してきた歴史をもち、知性と身体能力の高さも兼ね備えています。その個性的な被毛とオッドアイの組み合わせは、非常に印象的で高い人気を誇ります。
ダルメシアン
ディズニー映画で有名なダルメシアンも、オッドアイがみられる犬種です。
ダルメシアンのオッドアイは、白い被毛に黒い斑点を作り出す遺伝子と関連があると考えられています。
また、ダルメシアンは遺伝的に聴覚障害(難聴)のリスクがほかの犬種より高いことでも知られており、色素形成に関わる遺伝子が聴覚にも影響を及ぼすことがあるため、迎える際には注意が必要です。
オッドアイの犬を迎える前に知っておきたい注意点
神秘的で美しいオッドアイの犬、特に子犬を迎えることを検討しているなら、その特性を正しく理解しておくことが大切です。
見た目の魅力だけでなく、日々のケアや健康面で少し配慮が必要な場合があります。
オッドアイの犬と健やかに暮らしていくために、事前に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
青い目は紫外線に弱い?日ごろのケアの注意点
メラニン色素には紫外線を吸収し、目を守る働きがあります。そのため、色素の量が少ない青い目は、茶色い目に比べて光に敏感で、紫外線の影響を受けやすいと考えられています。
かならずしも病気になるわけではありませんが、強い日差しの下での長時間の散歩は目に負担をかける可能性があります。
夏場の散歩は日中の暑い時間帯を避ける、帽子をかぶせるなどの紫外線対策をすると、目の健康維持につながります。
定期的な目のチェックで病気の早期発見を
先天性のオッドアイであっても、ほかの犬と同様に目の病気になる可能性はあります。
特に後天的に目の色が変わった場合は、緑内障やぶどう膜炎といった病気のサインかもしれないため注意が必要です。
日ころから愛犬の目をよく観察し、「左右の瞳孔の大きさが違う」「白く濁ってきた」「涙や目やにが多い」「目をしょぼしょぼさせている」といった変化がないかチェックする習慣をつけましょう。
異常に気づいたら、早めに動物病院で診てもらうことが病気の早期発見につながります。
オッドアイの犬の価格は高い?希少価値について
オッドアイの犬は、その希少性からペットショップやブリーダーによっては付加価値がつけられ、通常の個体よりも販売価格が高い傾向がみられます。
特に人気のある犬種でオッドアイの場合は、高値で取引されることも少なくありません。
ただし、犬の価格は犬種、血統、月齢、健康状態などさまざまな要因によって決まるため、一概に「オッドアイだから高い」とは断定できません。
価格よりも、健康状態や犬との相性を重視して選ぶことが大切です。
犬のオッドアイに関する5つのよくある質問!(FAQ)
ここでは、犬のオッドアイについて多くの人が抱く「なぜ?」という疑問や、よくある質問にお答えします。
オッドアイに関する知識をさらに深めていきましょう。
犬の目が左右で違う色になるのはなぜ?
主な原因は、遺伝による「先天性」のものと、ケガや病気による「後天性」のものです。
先天性の場合は、目の虹彩に含まれるメラニン色素の量が遺伝子の影響で左右異なるために起こります。
日本犬にはなぜオッドアイが少ないの?
日本犬の血統には、オッドアイの原因となる特定の遺伝子(マール遺伝子など)をもつ個体がもともと非常に少ないためです。
犬種のスタンダードとしても認められていないことが理由であり、健康上のデメリットやリスクとは直接関係ありません。
成犬が急にオッドアイになるのは病気のサイン?
成犬が後天的にオッドアイになった場合は、病気が原因である可能性があります。
緑内障やぶどう膜炎といった目の病気が原因で、虹彩の色素が変化することがあります。
以前と目の色が違う、白く濁ってきたなどの変化に気づいたら、すぐに動物病院を受診してください。
オッドアイは幸運の象徴といわれているの?
一部の文化では幸運の象徴として信じられています。
左右で異なる神秘的な瞳をもつことから、幸運を呼び込む縁起の良い存在として大切にされてきました。
特に日本では白い被毛をもつ猫のオッドアイが「金目銀目(きんめぎんめ)」と呼ばれ、珍重されています。
バイアイとオッドアイは何が違うの?
基本的には同じ意味で使われる言葉です。
「オッドアイ」は和製英語にあたり、英語圏では左右の目の色が違うことを「バイアイ」や、医学用語の「ヘテロクロミア」と呼ぶのが一般的です。
まとめ│犬のオッドアイは原因と注意点を理解しよう
犬のオッドアイは、主に遺伝が原因で生まれつき決まる「先天性」の場合と、ケガや病気が原因で後から変化する「後天性」の場合があります。
先天性のオッドアイ自体は健康に問題ありませんが、青い目は光に敏感なため紫外線への配慮が必要です。
後天性の場合は目の病気が隠れている可能性があるため、速やかに動物病院を受診しましょう。
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