パピヨンは、蝶を思わせる大きな立ち耳と、絹のような手触りのロングコートがよく知られています。特に耳や尻尾には長い飾り毛が流れ、動くたびにふわりと揺れて優雅な印象を与えます。

被毛はシングルコートで抜け毛は比較的少なく、室内飼育に向いています。体型はスリムで軽快に動ける構造。小柄ながら活発で、運動能力が高いのも特徴です。

パピヨンは明るく人懐こい性格で、家族とのコミュニケーションをとても楽しみます。賢さもトップクラスで、しつけやトレーニングを進めやすい犬種です。

遊び好きで活動的な一方、室内でもよく過ごせる優しい気質をしています。飼い主への忠誠心が強く、常にそばにいたがる甘えん坊な面も魅力です。

子どもがいる家庭や、初めて犬を飼う人にも向いていますが、気が強くプライドが高い一面もあり、しっかりとしたしつけを行う必要があります。

パピヨンの子犬の販売価格は、一般的に10〜30万円前後が中心です。特に生後2〜3か月の子犬は20万円前後になることが多い傾向があります。

毛色や血統、体型、性別などによって価格が変わり、スタンダードに近い外見や、ショータイプの親犬をもつ子犬は高額になりやすいでしょう。

パピヨンをブリーダーからお迎えするなら、まず親犬の健康管理がきちんとされているか確認することが大切です。膝蓋骨や眼、心臓などの健康チェック、遺伝性疾患への対応についても質問してみましょう。

また、見学を受け入れてくれるかどうか、清潔な飼育環境かどうかを見るのも重要です。子犬のケアや社会化が適切か、飼育頭数が多すぎないかなども判断材料になります。安易に値段だけで選ばず、経歴と環境をチェックして、信頼できるブリーダーを選ぶことを心がけましょう。

成犬のパピヨンは、体高おおよそ20〜28cm、体重は約2〜5kg前後で、小柄ながらバランスのよい体型になります。毛色のバリエーションは豊富で、白地にブラックやブラウン、セーブル、レモン、さらには三色を含むトライカラーなどがみられます。

パピヨンの飾り毛は耳・胸・四肢・尾に豊かに伸び、動くたびに優雅に揺れるのが特徴。室内で映える被毛の美しさや、小さいながら存在感のある体格がパピヨンの大きな魅力です。

パピヨンの平均寿命は一般的に約13〜15歳とされ、比較的長生きしやすい犬種だといえます。とはいえ、膝蓋骨脱臼（パテラ）や、呼吸器の問題としての気管虚脱、小型犬に多い歯のトラブルなどには注意が必要になるでしょう。

さらに、遺伝性の眼疾患である進行性網膜萎縮（PRA）や、血液の病気、心臓の問題が発生する可能性も否定はできません。健康診断や定期的なケア、適切な体重管理と歯磨きなどの予防を心掛けることで、元気に長く暮らす可能性が高まるでしょう。

パピヨンは好奇心旺盛で活発な性格のため、毎日の散歩や遊びなど適度な運動が必要です。食事は小型犬向けの高品質フードを適量与え、肥満にならないよう注意しましょう。

被毛は絡まりやすいため、できる限り毎日ブラッシングをするのが理想です。しつけは賢さを生かして短時間で楽しく行うと効果的。騒音に敏感な場合もあるので、吠え癖の予防も早めに取り組むと安心です。

パピヨンはフランスやベルギーを起源とする小型犬で、宮廷犬として愛されてきました。「Papillon」はフランス語で「蝶」を意味し、大きく広がる耳が蝶の羽のように見えることが名前の由来です。

16世紀ごろには王侯貴族に飼われ、絵画や肖像画にも登場するほど人気がありました。優雅で小柄ながら活発な性格は、長い歴史を通して人々に愛され続けています。