犬のブリーダーとは?仕事内容や優良・悪質ブリーダーを見分けるコツも紹介!

犬のブリーダーは、ペットとして飼育される犬を繁殖・販売する専門家です。彼らの役割は、単に子犬を育てることだけでなく、犬種の特性に合わせたしつけや飼育環境の用意など、実は多岐に渡っています。
もしブリーダーから犬の購入を考えている方は、ブリーダーの仕事内容について理解を深めるとともに、優良ブリーダーと悪質ブリーダーの見分け方を知って、素敵な子犬と巡り合えるようにしましょう。
【目次】
犬のブリーダーとは
簡単に言えば「犬のブリーダー」とは、犬を繁殖し、適切な環境で育てて販売することを主な業務とする専門家です。
しかし単に繁殖を行うだけでなく、特定の犬種について深い理解や知識を持ち、それを基にして計画的な繁殖を行い、健康な犬を生み出すプロフェッショナルという意味合いを持っています。犬の繁殖を仕事として本格的に行う場合もあれば、趣味として行う方もいます。
ブリーダーになるための資格は特にありませんが、販売を行う場合は、第一種動物取扱業や動物取扱責任者の資格が必要となるなど、専門的な知識が必要となるため、中途半端な気持ちでブリーダーになるのは難しいでしょう。
さらに、ブリーダーは単に犬を育てて販売するだけでなく、その血統管理や遺伝的疾患のリスクを理解し、それに対応する知識と技術を駆使して、犬が健康に成長できるよう最善の環境を整える役割を果たします。
ブリーダーは単なる繁殖と販売を行うだけの職業ではなく、動物への愛情を基盤とした専門知識や技術を活かしながら、倫理的な繁殖や適切な飼育環境の提供に努めることが求められます。
ブリーダーはどんな仕事をしている?

ブリーダーの仕事内容は主に、犬の繁殖や飼育、流通、販売などを主な業務としています。彼らは犬の健康を保ちながら、適切な環境で育てることに力を注ぎます。
さらに、購入後のアフターフォローも重要な役割です。ここでは、ブリーダーの具体的な業務内容について詳しく見ていきましょう。
犬を繁殖させて飼育する
特定の血統種を繁殖させて飼育することは、ブリーダーの最も一般的な業務です。
ブリーダーによる犬の繁殖は単純なものではなく、遺伝、健康管理、社会化などの深い知識が要求されるため、何年も特定の犬種に携わって知識と経験を深める必要があります。
また、妊娠や出産は時に危険を伴うため、ブリーダーはサポートのために専門的な技術や設備を整える必要があります。
子犬が生まれた後も、個々の発育状況を観察し、必要に応じてワクチン接種や健康診断を行いながら、健康維持と合わせて社会化トレーニングを行っていきます。
一言でブリーダーと言っても、犬を繁殖させて飼育するだけでなく、高度な専門知識と技術、経験が求められます。
ペットとして流通、販売する
育てて終わりではなく、育てた犬を市場に流通・販売することもブリーダーの重要な業務です。ペットショップに提供する以外にも、購入希望者と直接連絡を取り販売を行う取引も増えてきています。
購入を希望する方からの問い合わせ対応のほか、必要であれば希望者の犬舎見学や子犬との面会もサポートします。
逆にブリーダーからも、犬種について、子犬について十分な説明を行うほか、飼い主としてきちんと責任をもって飼育する意があるかの確認をする場合もあります。
責任をもって犬種の繁殖を行っているため、信頼できる人に譲りたいと考えるブリーダーも少なくありません。
ペットショップのように希望者に販売して終わりではなく、譲渡までの健康管理や後述するアフターフォローまで含めて、ブリーダーの仕事内容として含まれていることが大きな違いと言えるでしょう。
購入後のアフターフォローを行う
ブリーダーは、販売したら終わりではなく、アフターフォローも含めてサポートしていきます。
わが子同然の様に育てた子犬たちが、新しい環境でもすくすくと成長してもらえるように、飼い方やしつけなどのアドバイスを行うこともあります。
接し方や食事についての日常的なアドバイスはもちろん、健康問題が発生した場合に血統や犬種による傾向を踏まえてアドバイスを行うこともあります。
購入希望者が購入するブリーダーを判断するときに、アフターフォローの評判や信頼をもとに優良・悪質かを判断することがありますので、ブリーダーにしてもアフターフォローは信頼関係を結ぶ重要な仕事のうちの一つです。
優良ブリーダーと悪質ブリーダーを見分けるコツ

優良ブリーダーと悪質ブリーダーを見分けるには、いくつかのポイントがあります。
多くのブリーダーは産み育てる犬たちのことを第一に考えて、仕事をしています。
しかし一部の悪質ブリーダーは、売ることだけを目的として、子犬たちの飼育環境や健康管理をおろそかにしている場合もあります。
せっかく家族の一員として迎えるなら、子犬のことを大切に思ってくれる優良ブリーダーから迎えたいものです。お金では解決できない、信頼できるブリーダーを見分けるコツをご紹介します。
優良ブリーダーが持つ特徴
まずは優良ブリーダーが持つ特徴をご紹介します。
数多くいるブリーダーの中から、信頼できる方を探すのはかなり難しいことです。
しかし、子犬たちの扱いや犬種に対する知識、理解度などを見ることで、ブリーダーとしての能力、スキルを確認することができるでしょう。
飼育環境と体調管理を徹底している
優良なブリーダーは、衛生的な環境を保って犬を育てることに注力しています。
特に、チワワとラブラドールレトリバーのように、それぞれ特性が違う犬種をまとめて飼育することなく、犬種に応じた快適な飼育環境を整えているブリーダーは優秀と言えます。
基本的にブリーダーは特定の犬種に特化し、単一の犬種を代々繁殖し続けることがほとんどでした。しかし近年の流行に合わせて、単一犬種だけでなくミックス犬を販売するブリーダーも増えてきています。
どちらにしても、きちんと飼育環境を整えているブリーダーは、責任をもって育てていることに変わりありません。
犬舎見学の際に飼育環境が良いと感じたら、それは信頼できる優秀なブリーダーと言えるでしょう。
飼育している犬種についての専門知識が豊富
優良ブリーダーは、飼育している犬種に対する深い理解を持っています。
何世代にも渡り犬種を育ててきた経験と専門知識を持ち合わせているため、遺伝的な要因や犬種特有の傾向を理解しています。
また、特定の犬種の特性や傾向を知っているため、それに基づいた繁殖計画が立てられます。健康で安定した犬の育成につながるため、購入先としても安心できます。
また、必要なトレーニングや社会化についても十分な知識があります。
飼育している犬種特有の問題や傾向などを質問してみて、詳しく分かりやすく答えてくれるかが一つの判断基準になるでしょう。
悪質なブリーダーにありがちな問題点

悪質なブリーダーは、ペットビジネスにおいて利益を最優先するため、犬たちの健康や福祉を軽視しがちです。
その結果、飼育環境が衛生的でない場合や十分なスペースが確保されていないことが多く、犬がストレスを抱えたり病気にかかるリスクが高まります。
また、そうした環境で生まれ育った犬たちは、適切なケアや社会化が十分に提供されないことも珍しくありません。
さらに、悪質なブリーダーは、犬種に関する専門的な知識や遺伝的疾患に関する知識が欠けている場合が多く、利益追求のためだけにどんどん増やすような不適切な繁殖が行われます。
この結果、健康上の問題を抱える子犬が生まれるリスクが高まります。購入後も十分なアフターフォローが提供されないケースが多く、結果として飼い主は不安やトラブルを抱えやすくなります。
信頼できる優良ブリーダーとの出会いは、コミュニケーションをしっかりとることから始まります。
ブリーダーはペットショップと違って、売ることだけを考えているわけではありません。責任を持って犬種の繁殖に携わっている専門家です。
気になることを質問するのはもちろん、どれだけ購入の意思があるか、飼育環境はどうなっているか、などブリーダーから質問があった場合も丁寧に答えることをおすすめします。
ブリーダーも一人の人間ですから、信頼関係ができれば、譲渡までしっかりフォローしてくれますし、お迎え後に何かあっても親身に相談に乗ってくれる可能性も高くなります。
【参考記事】
悪質なブリーダーの特徴と見分け方について解説
ブリーダーになるにはどうすればいい?

ブリーダーになるためには、動物に関する基礎知識や専門知識を身につけることが不可欠です。専門学校や講座での学習を通じて、犬の管理や繁殖に関する理論を習得しましょう。
ブリーダーとして子犬や子猫を販売する場合は資格が必要になるため、資格取得も並行して行う必要があります。
そのほか、現役のブリーダーのもとで実際の飼育や繁殖の経験を積むことが必要です。この実践を通じて、信頼されるブリーダーとしてのスキルを磨けます。
動物取扱業に関する法律や倫理を理解し、必要な手続きを行うことで、適切なブリーディングが可能となります。
さらに、他のブリーダーや動物関係者とのネットワークを築くことで、新たな知識を得る機会が増えます。これらの努力が質の高い犬を育てるための基盤となります。
犬のブリーダーに向いている人とは

犬のブリーダーに向いている人は、大前提として仕事に対する責任感を持っている人であることが重要です。様々な知識や素質が挙げられますが、命を預かる仕事なので何よりも大事な要素です。
その点を踏まえて、向いている人の特徴を3つご紹介します。
動物愛と忍耐力を持つ人
犬のペットブリーダーとして成功するためには、まず動物愛が不可欠です。犬を育てることは単なる仕事以上のものであり、一生を共にするパートナーとして接するべき存在です。そのため、深い愛情を持って犬たちに向き合う姿勢が求められます。
また、忍耐力も重要な要素です。犬の成長には個体差があり、計画通りに進まないことも珍しくありません。繁殖、飼育、そしてしつけの各段階で根気よく対応する力が試される場面も多いでしょう。忍耐力を持って接することで、ペットブリーダーとして犬たちとの信頼関係を築き、より質の高いブリーディングを実現することが可能となります。
ペットの健康と幸せを優先できる人
ブリーダーにとって、犬や猫の健康と幸せは最優先事項です。健康管理のためには、犬猫が快適に過ごせる適切な飼育環境を整え、必要な医療を受けさせることが求められます。また、犬猫がストレスを感じないよう心がけ、リラックスできる安全で安定した環境を提供することが重要です。
さらに、犬や猫の社会化に関しても、さまざまな体験を通じて、犬猫が他の動物や人間と良好な関係を築けるようサポートすることが必要です。時には自分よりも犬たちを優先しなければいけない場面も出てくるかもしれません。そんな状況でもペットの健康と幸せのために行動できる人がブリーダーとして成功する人と言えるでしょう。
新しい知識を学び続けられる人
犬の繁殖や育成において、日々新しい知識を学ぶ姿勢が求められます。犬種ごとの特性や健康上の問題、繁殖技術などは常に変化しているため、最新の情報を取り入れることが大切です。
繁殖や飼育のほかに、定期的に専門書を読んだり、セミナーや研修に参加したりすることで、自身のスキル向上の機会を作る必要があります。
また、他のブリーダーと交流することで、経験から得られる実践的な知識や情報を共有する機会を持つことも重要です。ブリーダーと言っても常に犬たちと一緒にいればいいわけではなく、積極的に情報収取やスキル向上に時間を使うことも重要になります。
まとめ
優秀なブリーダーは犬の繁殖だけでなく、飼育や健康管理、販売、アフターフォローも行います。
法律や都道府県ごとの法令も順守する必要があるため、中途半端な気持ちではなく、責任を持ってペットと向き合っています。
犬猫育成の専門家であるブリーダーが責任と愛情を持って育てた子犬をお迎えすれば、飼い主側としても子犬に対する責任感や愛着が増すことでしょう。
ぜひ優良ブリーダーとのコミュニケーションを通じて、犬に対する思いを聞いてみてはいかがでしょうか。

愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、少額短期保険募集人の資格を保有。
豊富な知識と経験を活かし、役立つ情報をお届けします。
運営会社はこちら