子犬はいつからお留守番できるの?環境づくりからトレーニングの方法、注意点までを解説!
公開日:2025年5月8日
更新日:2025年5月23日

子犬はいつからお留守番できるの?環境づくりからトレーニングの方法、注意点までを解説!
子犬との暮らしが始まると、仕事や外出時に「いつから留守番させても大丈夫?」と不安になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
子犬のお留守番は、成長の過程で少しずつ慣れていくことが大切です。
このコラムでは、子犬が留守番できるようになる時期や、環境づくり、トレーニング方法、注意点までをわかりやすく解説します。
[目次]
子犬はいつからお留守番できる?
子犬のお迎え後いつからお留守番ができるかは、その子犬の発育状況やトイレトレーニングの進み具合によって異なります。
下記のことを参考に、子犬の成長と性格をよく観察し無理のないペースでお留守番の練習を進めましょう。
お留守番をはじめる時期の目安
子犬のお留守番をはじめる時期の目安は、生後3か月を経過し、トイレトレーニングがある程度済んだ頃が理想といわれています。
この時期は社会化期と呼ばれさまざまな環境や音に慣れる大切な時期です。
なお、発育途中の6か月齢未満の子犬の場合、長時間の留守番をさせることは避けるようにしましょう。
この時期はあくまで「練習」として1時間以内の短時間の留守番を試し、子犬の様子をみながら徐々に時間を延ばしていきます。
フード切り替え前のお留守番は避ける
子犬をお迎えすると、フードの選び直しや、ウェットからドライへ移行するなど、なんらかの形で切り替えの時期が発生します。
フードの切り替えが完了する前、あるいは新しいフードに慣れていないこの時期は、消化不良や低血糖のリスクが高まり急に体調不良となる場合があるため、短時間でもお留守番の開始は避けた方が安心です。
子犬にお留守番させる時間の目安は?
子犬に留守番をさせるとき、どのくらいひとりにさせて大丈夫なのかは気になるポイントです。
月齢や成長段階によって耐えられる時間には差があり、無理をさせるとストレスや問題行動につながることもあります。
ここでは、子犬にお留守番させる時間の目安について解説します。
まずは短時間から始めよう
子犬のお留守番を始めるときは、まず短時間の練習からスタートすることが大切です。
数分から数十分程度の短い時間、飼い主が近くにいる環境で徐々にひとりで過ごす練習を行うことで、子犬は無理なく新しい環境に慣れることができます。
短時間の留守番に慣れてきたら、飼い主が離れている時間を延ばしていくようにしましょう。急激に長時間留守にしてしまうと子犬は不安やストレスを感じやすいため、段階的にできる範囲でトレーニングすることが不可欠です。
3時間以上の長時間のお留守番は?
子犬にとって3時間以上の長時間のお留守番は、大きな負担となり体調トラブルや不安行動につながることが多いです。
特に6時間や8時間を超えるお留守番は排泄の我慢が難しくなり、トイレの失敗やストレスが増え健康に影響を与える可能性が高まるため、極力控えるようにしましょう。
もしどうしても長時間の留守番をさせなければならない場合は、子犬の飼育経験があるペットシッターや信頼できる友人、家族の協力を得ることをおすすめします。
子犬の留守番に関する注意点
子犬のお留守番には、かならず環境や安全面を整える必要があります。
誤飲のリスクや温度管理など、ちょっとした不注意が大きなトラブルにつながることもあるため注意してください。
ここでは子犬の留守番時に気をつけたいポイントを詳しくご紹介します。
安全対策と誤飲防止
子犬は好奇心旺盛なため、さまざまな物を口に入れてしまうことがあります。誤飲は命に関わる大事故につながる恐れがあるため十分な注意が必要です。
ケージやサークル内でお留守番させる場合でも、おもちゃや毛布のほころび、トイレシートのちぎれなど、子犬が噛んで飲み込んでしまう恐れがあるものは撤去するか噛めないような工夫を行ってください。
室温や湿度の管理
犬が快適に過ごせる室内環境の目安として、温度が22〜25度前後、湿度は50%前後が望ましいとされています。
季節に応じてエアコンや暖房を使用し、適切に調整しましょう。
春~夏の暑い季節には直射日光が当たる場所は避けて風通しの良い環境を整えます。
冬場の寒い時期には日当たりの良い場所に毛布などを用意してあげるとより快適に過ごせます。空気が乾燥しやすく皮膚や呼吸器のトラブルを避けるため、加湿器を活用しましょう。
子犬がお留守番できるようになるための環境づくり
子犬が安心してお留守番できる環境を整えることは、ストレスを軽減し問題行動を防ぐうえで欠かせません。
ここでは、子犬がお留守番を上手に乗り越えるための環境づくりのポイントを解説します。
快適なお留守番スペースの準備
子犬のうちは安全を第一に考え、部屋の中を自由に歩き回らせるのではなくケージやサークルの中でお留守番させるのが安心です。
狭くて暖かい巣穴のような空間に安心感を覚えるため、サークルの中にクレートやキャリーなど落ち着ける環境をつくってあげましょう。
設置場所としては、外を通りがかる人や犬、車の音が気になりにくい窓から離れたところが良いとされています。
ケージの中にあると安心な用品は次の通りです。
- ベッドや毛布、タオルなどの安心できる寝床
- トイレシートをセットしたトレー
- 飲み水(給水機推奨)
また、犬は綺麗好きなため、ケージの中の寝床とトイレはなるべく離してあげるとストレスを軽減できます。
散歩や遊びでエネルギーを発散
お留守番前に十分な運動をさせることは、子犬のストレス軽減や問題行動の防止につながります。
散歩や遊びでエネルギーを発散させ心身ともにある程度疲れることで落ち着いた状態で過ごせるようになります。
排泄も済ませておけると留守中のトイレトラブルを減らせます。散歩は日光を浴びる機会にもなり、健康維持の助けにもなるため、生活のルーティンに組み込むのがおすすめです。
遊びによって飼い主との絆も深まるので、留守番時の不安が和らぐ効果も期待できます。
お気に入りのおもちゃを用意
お留守番の際には子犬が楽しめるお気に入りのおもちゃを用意すると良いでしょう。
耐久性があり、誤飲のリスクがないサイズや素材のものを選ぶことがポイントです。おもちゃは留守番時だけ使う特別なものであれば、興味を引きやすく退屈を紛らわせる効果が高まります。
噛むことが好きな子犬には、噛んでも壊れにくいおもちゃを提供しましょう。
安全性を考慮しつつ、子犬が夢中になれるアイテムを揃えると、留守番の時間が楽しいものに変わることがあります。
見守りカメラや自動給餌器の活用
「ペットカメラ」とも呼ばれるスマートフォンと連携できる見守りカメラは、外出先から子犬の様子をリアルタイムで確認できる便利なアイテムです。
映像を通じて声かけもできるタイプなら、飼い主の存在を感じさせる助けにもなります。
これらのツールを上手に取り入れることで、お留守番の質を高め、安全で快適な時間を提供しやすくなります。
室内フリーのお留守番はいつからできる?
子犬を室内フリーで留守番させるには、トイレや噛み癖などの基本的なしつけができており、誤飲やいたずらのリスクが減ってきた時期が目安です。
一般的には生後6か月頃から少しずつ短時間のお留守番を練習するのがおすすめです。
最初から広い範囲を自由にさせるのではなく、サークルでの留守番に慣れさせてから段階的にフリースペースを広げていきましょう。
フリーでお留守番をさせる場合は、子犬の周囲にいたずらの原因となる物が置かれていないかを必ず確認しましょう。
子犬は食べられるかどうか判断できないものでも、まず口に入れて確認しようとする習性があります。そのため、誤って飲み込む可能性のある小さな玩具やヘアゴム、薬品、タバコなどの危険な物は、必ず手の届かない場所に片付けておくことが大切です。
フリーのお留守番は成犬になっても注意が必要!
たとえお留守番に慣れてきたように見えても、ちょっとした音や環境の変化がきっかけでいたずらや無駄吠えといった問題行動が起こることがあります。
万が一の事態に備えて、ペットカメラなどで様子を確認できるようにしておくと安心です。また、トラブルがあった際にすぐ帰宅できるような体制を整えておくことも大切です。
子犬のお留守番【トレーニング方法】
子犬のお留守番には、段階的なトレーニングが欠かせません。
いきなり長時間ひとりにするのではなく、日頃の生活の中で少しずつ慣れさせていくことが大切です。
ここでは、実践しやすいお留守番のトレーニング方法をわかりやすく解説します。
サークルやクレートに慣れさせる
子犬が安心してお留守番できるようにするには、普段からサークルやクレートの扉を開けて自由に出入りできるようにし、そこで過ごす時間が楽しいと感じるように誘導しましょう。
無理やりサークルやクレートに入れようとすると恐怖心や嫌悪感を持ってしまうことがあるので注意が必要です。おやつやお気に入りのおもちゃを使いながら、少しずつ慣れる工夫をすると効果的です。
子犬が自分からサークルやクレートの中でリラックスして過ごせるようになれば、お留守番も安心して任せることができます。
トイレをできるようにしておく
子犬がお留守番中にトイレで困らないよう、トイレトレーニングは早めに進めることが重要です。
トイレの場所を一定にし、成功したときはたくさん褒めて成功体験を積ませていきましょう。失敗が続く場合は決して叱らずに根気強く教えることがポイントです。
徐々に留守番時間を延ばす
子犬のお留守番は最初は数分程度の短時間から始め、少しずつ時間を延ばしていくことがポイントです。
このように段階的に留守番の練習を進めることで子犬が留守番をできるようになり、不安や混乱から吠えたり破壊行動を起こしたりするリスクを減らせます。
急に長時間留守番をさせるのは避け、子犬が安心して過ごせるようトレーニングを行いましょう。
普段から一人遊びの練習をしておく
子犬が自分で遊ぶ習慣をつけることは、お留守番の準備としてとても大切です。
普段から一人遊びの時間を設け、子犬が退屈しないよう工夫しましょう。おもちゃや知育玩具を使って遊ぶことで集中力や自立心が育ち、飼い主がいない間も安心して過ごせるようになります。
安全性には十分配慮し、誤飲のリスクがないおもちゃを選ぶことが必要です。毎日の練習がストレスの軽減にもつながり、子犬の心の安定に役立ちます。
お留守番前と帰宅後に意識すること
子犬にお留守番させるトレーニングでは、外出前と帰宅後の接し方もとても重要です。
飼い主の行動が子犬の不安や期待に大きく影響するため、感情的にならず落ち着いた対応を心がけることがポイントです。
ここでは、お留守番の前後に意識すべき行動について詳しくご紹介します。
外出時は構いすぎない
お留守番の直前に過剰にかまいすぎると、子犬は「分離不安」を感じやすくなります。
いつもと変わらない接し方を意識し、むやみに抱きしめたり声をかけたりしないで静かに準備を進めましょう。
特別な振る舞いをせず落ち着いた動作で外出することが、子犬にとって留守番を自然なことと受け止める助けとなります。
飼い主の外出に気づいて犬が落ち着かなくなったり吠えたりする場合でも、あえて反応せずに自然に振る舞うことで、不安や期待を大きくさせないように心がけましょう。
帰宅時は落ち着いてから褒めてあげる
お留守番を頑張った子犬は喜びから興奮しやすいため、帰宅後は静かに落ち着くのを待つ対策が重要です。
子犬が安心できるよう、落ち着いた状態でそっと近づき穏やかな口調で褒めてあげましょう。飼い主が落ち着いて対応することで、次回のお留守番への不安感も減り、安心して待てるようになります。
もし長時間家を空ける場合は、テレビやラジオをつけておくことも子犬の不安を和らげる対策としておすすめです。
お留守番で困ったことがあったら?
子犬のお留守番中に心配事やトラブルが起こることは珍しくありません。
「帰ったらケージがうんちまみれ…!」という経験をした飼い主さんも多いはず。
大切なのは、原因を理解し適切に対処することです。ここでは、よくある困りごととその対策について解説します。
子犬の分離不安への対応
犬の分離不安とは、飼い主と離れることで強い不安やストレスを感じ、無駄吠えやいたずら、トイレの失敗など問題行動を引き起こしてしまう状態を指します。
こうした分離不安や不安を軽減するには、以下のことが挙げられます。
- ひとりで過ごす練習(段階的な慣れ)
- 人間の外出を特別なことと思わせない
- 安心できる環境を整える
- 知育トイやおやつで気をそらす
- 適度な運動と遊び
- 外出中もテレビなどの生活音を残す
それでも改善が見られない場合は、行動療法や、ドッグトレーナーや動物病院に相談してみてもいいでしょう。
うんちやおしっこでお部屋が汚れたら
子犬のお留守番中にうんちやおしっこでケージが汚れてしまった場合は、まず子犬を安全な場所に移し、必要であれば体を優しく洗ってあげます。
その後、排泄物を取り除き、ペット用の消臭・除菌スプレーなどでケージやトイレトレーを丁寧に拭き取って清掃します。汚れたトイレシーツや布類は取り替え、匂いが残らないようにすることが大切です。
このときに子犬を叱るのは逆効果です。失敗後に怒っても犬には伝わらず、不安や混乱を招くだけなので冷静に対応しましょう。
長時間の留守番になる場合はスムーズにトイレができるスペースを確保し、間隔や様子を見ながら練習を進めることが大切です。トイレの失敗も子犬の成長過程の一部なので、あせらず穏やかな対応を心がけましょう。
一人暮らしや共働きの場合
一人暮らしや共働きの家庭では、子犬がお留守番する時間が長くなりやすいので適切な対策が必要です。
例えば、お留守番の時間帯に合わせて食事や排泄、運動のタイミングを調整することで、子犬が快適に過ごせるように配慮することが大切です。散歩や遊びで十分にエネルギーを発散させ、疲れてリラックスした状態でお留守番させると、ストレスの軽減につながります。
できるだけ長時間にならないよう工夫しましょう。
くわしくはこちらの記事をご覧ください。
まとめ|子犬のお留守番は無理のないペースではじめよう!
子犬のお留守番は、生後3か月ごろを目安に無理のないペースで少しずつ慣らしていくことが大切です。
初めは短時間から始め、安心できる環境を整えてストレスを軽減しましょう。
成長やトイレの習慣に合わせて時間を徐々に延ばすことがポイントです。
飼い主の工夫次第で子犬の自立心も育まれ、留守番が自然なものになっていきます。安全や快適さにも配慮しながら愛情をもって見守ってあげてください。

愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、少額短期保険募集人の資格を保有。
豊富な知識と経験を活かし、役立つ情報をお届けします。
運営会社はこちら