ボーダーコリーの飼いやすさは?初心者向けに基本の飼い方&疑問を解説!
公開日:2025年6月5日
更新日:2025年6月5日

ボーダーコリーは「最も賢い犬種」とも称されるその頭の良さから、しつけがしやすいというイメージを持つ方も少なくありません。
その一方で、「飼いたいけど、初心者にとっては飼うのが大変なんじゃないか」と不安に思う方もいるでしょう。
この記事では、ボーダーコリーが飼いやすいかを判断するポイントに加え、飼い方のコツやよくある疑問をQ&A形式で紹介しながら、ボーダーコリーの飼い方を幅広く解説します。
[目次]
ボーダーコリーってどんな犬?
原産地 | イギリス |
平均価格 | 約20万〜40万円 |
体重 | 約14〜20kg(オス)/約12〜19kg(メス) |
平均寿命 | 約12〜15年 |
ボーダーコリーは、イギリス原産の牧羊犬で、全犬種の中でもトップクラスの知能を持つ非常に賢い犬種です。 飼い主には忠実で、学習能力が高く新しいことをすぐに覚えます。 また、活発で豊富な運動量を必要とします。
ボーダーコリーは飼いやすい?判断するポイント
犬の「飼いやすさ」は、その犬種の特性と飼い主の知識や経験によって異なります。
ボーダーコリーは賢く覚えが早いため、しつけやトレーニングが得意な人にとっては「飼いやすい」と感じる犬種です。毎日しっかり遊ぶ時間が取れ、トレーニングも楽しめる人にはぴったりです。
一方で、運動やしつけの時間が足りないとストレスを溜めやすく、問題行動に繋がることもあります。忙しくて構ってあげる時間が少ない人や、初めて犬を飼う人には「飼いにくい」と感じる可能性があります。
ボーダーコリーを飼うのに向いている人や家庭の特徴は?
ボーダーコリーはその賢さや活発さから魅力的なパートナーになる一方で、飼育には相応の準備と理解が必要です。
では、どのような人や家庭環境がボーダーコリーの飼育に向いているのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
ボーダーコリーを飼うのに向いている人の特徴
ボーダーコリーは非常に賢く活動的で、新しいことを学ぶのが得意な犬種です。
飼い主と一緒に何かを行うことを好むため、日々のコミュニケーションやトレーニングにしっかり時間をかけられる人に向いています。
ドッグスポーツやアジリティなどに一緒に挑戦したいと考えているアクティブな人には理想的なパートナーと言えるでしょう。
また、一貫性のある態度でリーダーシップを発揮できる人が望ましいです。賢いがゆえに飼い主の言動をよく観察しており、信頼関係が築けていないと指示を聞かなくなることもあります。
忍耐強く、根気強くしつけやトレーニングに取り組める人が、ボーダーコリーとの良好な関係を築けるでしょう。
ボーダーコリーを飼うのに向いている家庭の特徴
ボーダーコリーの飼育は、運動や遊び、しつけに十分な時間と手間をかけられる家庭に向いています。
一番理想的な飼育環境は、十分な運動スペースがある庭付きの一戸建てです。
マンションなど集合住宅でも飼育は可能ですが、その場合は毎日の散歩時間をしっかり確保し、ドッグランなどを利用して思い切り走らせる工夫が必要です。
家の中でも外でも、広いスペースで自由に動ける環境はボーダーコリーの心身の健康維持に欠かせません。
小さなお子さんがいる家庭でも、適切な見守りのもとであれば問題なく飼育できます。
ただし活発な性格ゆえに、誤って子どもに怪我をさせてしまうリスクも考えられるため、子犬の頃から人との接し方をしっかり教えることが大切です。
ボーダーコリーを飼うのに向いていない人や家庭の特徴は?
静かでゆったりとした生活を望む方や、犬にかけられる時間が少ない家庭にはあまり向いていません。
活発な犬を受け入れることが難しい環境や狭い住まいでの飼育は、犬にとっても飼い主にとっても負担が大きくなってしまいます。
ボーダーコリーの飼育には、飼育にかけられる時間や環境をしっかり考慮することが重要です。
ボーダーコリーを飼育する前に知っておきたい準備と環境づくり
ボーダーコリーを迎える前に、適切な準備と環境づくりをしておくことが非常に重要です。詳しく見ていきましょう。
飼育には十分な広さが必要
ボーダーコリーを室内で飼育する場合は、十分な広さの確保が重要です。
1Kや1DKのような狭い空間では運動量が不足しやすく、ストレスを感じてしまう可能性があります。
特に活発な子犬期は、室内でも十分な遊びや運動ができる環境が必要です。
注意点として、フローリングのような滑りやすい床材は足腰に負担をかける可能性があります。カーペットやマットを敷くなどの対策を検討しましょう。
屋外での飼育を検討される方もいるかもしれませんが、ボーダーコリーは家族とのコミュニケーションを好む犬種です。温度管理や安全面・健康面でもリスクが伴うため、基本的には屋内で家族と過ごせる環境が望ましいでしょう。
揃えておきたいグッズ
ボーダーコリーとの新しい生活をスムーズに始めるために、準備しておくと良い代表的なグッズをご紹介します。
下記以外にも様々なグッズがあります。必要に応じて準備しておきましょう。
- ケージ・サークル:
愛犬が安心して過ごせる自分だけの空間となります。子犬期や留守番時など、安全確保や事故防止に役立ちます。
- 食器類:
ボーダーコリーは早食いしやすい傾向があるため、早食い防止用の食器も検討すると良いでしょう。
- トイレ用品:
トイレトレーとペットシーツが必要です。成長後の大きさを考慮し、十分な広さのトレーを選びましょう。シーツをしっかり固定できるタイプがおすすめです。
- ケア用品:
日々のブラッシングに必要なブラシ(スリッカーブラシ、コームなど)や犬用シャンプー、爪切り、歯ブラシなどを用意しましょう。
- 散歩用品:
首輪やリードを用意しましょう。引っ張り癖がある場合はハーネスがおすすめです。
- おもちゃ:
豊富な運動量と知的好奇心を満たすために、複数用意しておくと良いでしょう。ボールやフライングディスク、ロープのおもちゃ、知育玩具など、様々な種類があると遊びの幅が広がり、飽きさせずに楽しませることができます。
ボーダーコリーのしつけは難しい?トレーニングのコツを解説!
賢いボーダーコリーですが、その賢さゆえにしつけが難しいと感じる飼い主もいると言われています。ここでは、しつけにおけるポイントを3つご紹介します。
①賢いからこそ一貫性のあるしつけを
ボーダーコリーは学習能力が高いため、しつけを効率的に進めることができます。
しかし、その賢さゆえに飼い主の一貫性のない指示や態度を見抜いてしまい、混乱したり指示に従わなくなったりすることがあります。
事前に家族全員でしつけのルールや言葉を統一し、一貫した対応をすることが非常に重要です。
例えば「おすわり」という指示を使う場合、家族全員が同じ言葉とジェスチャーを使うように徹底しましょう。
そして、良い行動をした時にはすぐに褒めてご褒美を与える「ポジティブ強化」を取り入れると、何が正しい行動かを理解しやすくなり、しつけがよりスムーズに進みます。
一貫性のある毅然とした態度で接することで、ボーダーコリーは飼い主をリーダーとして認識し、信頼関係を築くことができます。
②子犬の頃からのトレーニング
しつけは、生後2ヶ月〜3ヶ月頃の「社会化期」と呼ばれる時期から始めることが理想的です。
社会化期は様々なことを吸収しやすい時期です。まずは新しい環境や人、音に慣れさせ、安心感を与えることから始めましょう。抱っこに慣れさせたり、体に触られることに抵抗がないようにしたりすることも、その後のケアや動物病院での診察のために重要です。
成犬に近づく1歳頃までは心身ともに成長し、様々な経験を通して学んでいきます。
この時期に、基本的なコマンド(おすわり、ふせ、まて、おいでなど)やトイレトレーニング、ケージトレーニングなどを根気強く行うことで、望ましい行動を定着させることができます。
子犬の頃からの適切なトレーニングは、将来的な問題行動の予防にも繋がるでしょう。
③問題行動への対処法
運動不足や精神的な刺激の不足、あるいは誤ったコミュニケーションによって問題行動に繋がることがあります。
問題行動が発生した場合は、その原因を理解し適切な対処を行うことが重要です。
吠えやすさ、噛み癖への対処法
吠え癖や噛み癖に対しては、まずその行動の原因を探ることが重要です。
ボーダーコリーは警戒心が強い一面もあり、見知らぬ人や物音に対して吠えることがあります。
警戒心から吠える場合は、吠える対象に慣れさせる練習や「待て」などの指示で落ち着かせるトレーニングが有効です。
噛み癖については、噛んでも良いおもちゃを与えたり、噛んではいけないものを明確に教えたりすることが大切です。
噛んだ際に大声で叱ると、かえって興奮させてしまうこともあるため、低い声で短く「ダメ」と伝え、正しい行動に誘導することを心がけましょう。
一貫した対応と根気強いトレーニングが重要となります。
散歩中に引っ張る・他人や他犬に興奮してしまう場合の対処法
ボーダーコリーは運動が好きで、散歩中にリードを引っ張ってしまうことがあります。
これは自分の行きたい方向に進もうとする本能的な行動ですが、放置すると飼い主との主従関係が崩れる原因にもなります。
引っ張り癖の対処法としては、犬がリードを引っ張ったら立ち止まり、リードが緩んだら再び歩き出すという方法を繰り返すことが効果的です。
これを根気強く続けることで、「引っ張ると前に進めない」と学習します。
散歩中に他の人や犬に興奮して吠えたり飛びついたりする場合は、興奮する前に指示を出すことが重要です。
おやつやおもちゃを使って飼い主に意識を向けさせ、「おすわり」や「待て」などのコマンドで落ち着かせます。
他の人や犬との距離を保ちながら練習し、徐々に慣らしていく社会化トレーニングも有効です。
ボーダーコリーを飼う際の注意点は?
ボーダーコリーを健康で幸せに育てるためには日々の適切なケアが欠かせません。ここでは3つのポイントをご紹介します。
①十分な運動と頭を使う遊びを取り入れる
毎日の散歩は1日2回、それぞれ1時間程度が理想とされています。
これに加えて、ボール遊びやフライングディスクを使った遊び、アジリティなど自由に走り回れる時間を取り入れることが、彼らのエネルギーを発散させ満足感を与えるのに非常に効果的です。
運動不足はストレスや体調不良、破壊行動などの問題行動を引き起こす可能性があります。愛犬の様子をよく観察し、運動量が足りているか判断することが大切です。
ボーダーコリーは頭を使うことも大好きです。知育玩具を使ったり、新しいトリックやコマンドを教えたりするトレーニングは、知的好奇心を満たすことができるでしょう。
②定期的に被毛のお手入れを行う
ボーダーコリーの被毛はダブルコート(オーバーコートとアンダーコートの二層構造)であり、特に春と秋の換毛期には多くの毛が抜けます。
抜け毛や毛玉を放置すると皮膚トラブルの原因になることがあるため、ブラッシングは毎日行うことが理想的です。
スリッカーブラシやコームなど、被毛の長さに合わせたブラシを選ぶと効果的です。
また、定期的なシャンプーも被毛を清潔に保ち、抜け毛を洗い流すのに役立ちます。頻度は月に1~2回程度が目安ですが、汚れ具合によって調整してください。
シャンプー後はしっかりと乾かすことが重要です。
トリミング自体は必須ではありませんが、換毛期前に不要な毛をカットすることで抜け毛対策になる場合もあります。プロのトリマーに相談してみるのが良いでしょう。
③食事と体重管理を徹底する
ボーダーコリーの食事は、その運動量に見合ったエネルギーと栄養を摂取できるバランスが重要です。
高品質なドッグフードを選び、年齢や活動量、体質に合わせて適切な量を与えましょう。
食欲旺盛な子も多いため、早食い防止の食器を活用するのも良い方法です。
子犬期は成長が著しいため、月齢に合わせた食事回数や量に注意が必要です。
成犬であれば1日2回の食事が一般的ですが、子犬や老犬の場合は回数を分けて与えることで、適切な量を守りやすくなります。
適切な体重を維持することは関節への負担軽減や病気予防に繋がります。定期的に体重を測定し、体型をチェックすることで、肥満を早期に発見し対策を講じることができます。
【Q&A】ボーダーコリーの飼育に関する疑問にお答え!
ここでは、ボーダーコリーの飼育を検討している方が抱きやすい疑問にお答えします。
多頭飼いには向いている?
ボーダーコリーは、一般的に他の犬や動物との協調性を持つことができる犬種ですが、個体差があります。
女の子は男の子よりも警戒心が少なく、他の動物とも仲良くできる子が多い傾向にあるため、多頭飼いに向いていると言われることがあります。しかし敏感な一面もあるため、新しい環境や同居犬との関係には十分な配慮が必要です。
迎え入れる際は、先住犬との相性や、それぞれの性格を考慮することが重要です。
愛犬全頭に平等に愛情を注ぎ、それぞれのニーズを満たせる環境を用意できるかが、多頭飼いを成功させる鍵となります。
一人暮らしでも飼育できる?
一人暮らしでもボーダーコリーを飼うことは不可能ではありませんが、決して簡単とは言えません。しっかりと時間と労力をかけてお世話ができるかどうかが鍵となります。
毎日の散歩や遊び、しつけに十分な時間を割ける方なら、一人暮らしでも良いパートナーになり得ます。
しかし、長時間家を空けることが多い場合や運動の時間を確保しづらい環境では、ストレスがたまりやすく問題行動が出るリスクも高まります。
一人暮らしでボーダーコリーを迎える場合は、自分の生活リズムと犬のニーズが合っているかをよく検討し、適切な運動とコミュニケーションができる環境を整えることが大切です。
留守番が多くても飼育できる?
一般的に、犬にとって6時間以上の留守番はストレスが大きいと言われています。
そのため、留守番が多い家庭での飼育は、ボーダーコリーにとって理想的な環境とは言えません。
もし留守番が多くなる場合は、留守番の前後でしっかりと運動や遊びの時間を確保し、知育玩具やケージおよびサークルを用意して安全な空間を確保するなどの対策が必要です。
しかし、根本的な運動欲求やコミュニケーション欲求を満たすことが難しいため、留守番が多いライフスタイルの方はボーダーコリー以外の犬種を検討することも視野に入れるべきでしょう。
散歩できないとどうなる?
ボーダーコリーにとって散歩は、必要な運動量を確保し心身の健康を維持するために非常に重要な日課です。
散歩をさせないと運動不足になり、エネルギーを発散できずにストレスが溜まります。このストレスは、無駄吠え、家具を噛むなどの破壊行動、攻撃性の増加といった問題行動として現れる可能性が高いです。
運動不足は肥満の原因となり、関節疾患やその他の健康問題を引き起こすリスクを高めます。
さらに、外の世界との接触が減ることで社会性が十分に育たず、他の犬や人に対して臆病になったり、逆に過剰に反応したりすることもあります。
ボーダーコリーの欠点は?凶暴化する?
ボーダーコリーの欠点として挙げられるのは、豊富な運動量と知的な刺激が必要な点、そして熱心になりすぎるあまり興奮しやすい点です。
また、動くものを追いかける本能が強く、しつけが不十分だと車や自転車を追いかけるなどの問題行動につながる可能性があります。
適切に育てられなかったり、運動不足やストレスが溜まったりすると、攻撃的な行動を見せることもありますが、これは「凶暴化」というよりは、不満や不安の現れです。適切なケアとトレーニングを行えば、友好的で忠実なパートナーとなります。
まとめ
ご紹介してきたように、ボーダーコリーは非常に賢く学習能力が高い犬種です。適切なお世話とトレーニングを行えば素晴らしいパートナーとなります。飼育にはコツも手間も必要ですが、それを楽しめる方にとっては、これ以上ない魅力的な存在です。
この記事が、ボーダーコリーを家族に迎えたいと考えている方にとって後悔のない選択に役立てば幸いです。

愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、少額短期保険募集人の資格を保有。
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