足が長い・細い犬種10選!特徴や飼育の注意点もご紹介!
公開日:2025年6月4日
更新日:2025年6月4日

足が長く、スラリとした体型を持つ犬たちは、そのスタイリッシュな外見で多くの愛犬家を惹きつけています。ですが、彼らの魅力は見た目だけにとどまりません。
本記事では、足の長い犬種の特徴や、飼育するうえで知っておきたいポイントについて詳しくご紹介します。
足が長く細い犬種の特徴
足が長い犬種は、全体的に華奢でスタイリッシュな体つきをしています。
これは長時間の狩猟に適した身体構造であり、しなやかな筋肉と俊敏な動きや速力を持っています。
また、その優雅な姿から歴史的に王族や貴族にも愛されてきました。
そんな足が長い犬種には、優れた視覚で獲物を追跡するサイトハウンドが多く含まれます。
サイトハウンドとは?
サイトハウンドは、視覚(サイト)を主に使って獲物を追跡・捕獲する狩猟犬のグループです。
サイトハウンドは遠くまで見通せる優れた視力と、動くものに対する高い反応速度を持っています。
彼らは、獲物を見つけるとその俊足を生かして一気に距離を詰め、捕獲することを目的として改良されてきました。そのため、細く筋肉質な体と長い四肢が特徴的な犬種が多い傾向にあります。
サイトハウンドグループの犬種たち
「足が長い犬」がほとんどを占めるサイトハウンドには、以下の犬種がいます。
日本ではなかなか見られない珍しい犬種もいますので、気になった方はぜひ調べてみてください。
- アイリッシュウルフハウンド
- アフガンハウンド
- イタリアングレーハウンド
- ウィペット
- グレーハウンド
- サルーキ
- ディアハウンド
- ボルゾイ
- アザワク
- スパニッシュグレーハウンド
- スルーギ
サイトハウンドの走り方「ダブルサスペンションギャロップ」
「ダブルサスペンションギャロップ」とは、サイトハウンドに多く見られる非常に速く効率的な走り方のことです。
この走法では、走っている間に四本の足すべてが宙に浮く瞬間が2回あります。1回目は体を伸ばしきったとき、2回目は体を縮めた(丸めた)ときです。
これにより、より大きなストライド(歩幅)で地面を蹴り、爆発的なスピードを出すことができます。
まるでバネのように身体を伸び縮みさせながら空中を飛ぶように走るこの動きは、柔軟な背骨や強靭な筋肉、しなやかな体型をもつサイトハウンド特有の美しくダイナミックな特徴のひとつです。チーターも同じ走り方をすると言われています。
足が長い犬種10選
では、足の長い犬種にはどんな種類がいるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
①ミニチュアピンシャー
ミニチュアピンシャーは「ミニピン」という愛称で親しまれているドイツ原産の小型犬です。
引き締まった筋肉とシャープなシルエット、光沢のある短毛、そしてすらりとした脚が特徴です。
体は小さいながらも、大きな犬にも臆せず立ち向かう勇敢さと、信頼する飼い主には甘えてくる愛らしさを併せ持っており、この絶妙なバランスが多くの飼い主を魅了する理由のひとつです。
活動的な気質のため、散歩だけではなく室内での遊びやドッグランでの運動も取り入れた生活が理想的です。運動不足が続くと問題行動に繋がることもあるため、日々のケアが重要です。
②イタリアングレーハウンド
「イタグレ」の愛称で知られるイタリアングレーハウンドは、古代エジプト時代から存在したとされる非常に古い歴史を持つ小型犬です。
かつては王侯貴族たちに愛された気品ある風貌が、今もなお人々を惹きつけています。
細く長い足と引き締まった筋肉が特徴で、軽やかで素早い動きを得意とします。
毛は短くお手入れしやすい反面、体を覆う被毛が少ないため寒さに弱く、冬場は防寒対策が必要です。繊細でスレンダーな骨格を持つため、骨折には特に注意しましょう。
性格は穏やかで人懐っこく家庭でも飼いやすい犬種です。攻撃性は少なく、優しく従順な一方で、精神的にデリケートな面もあります。
ストレスをためないよう日々のスキンシップや丁寧な接し方が求められます。
③ウィペット
ウィペットはイギリス原産の中型犬で、俊敏な動きと優美なシルエットが魅力の犬種です。
イタリアングレーハウンドの血を引いているため、スマートな体型やしなやかな雰囲気はよく似ており、古くから猟犬として活躍してきました。
性格はおだやかで人懐っこく、飼い主への愛情も深いため家庭犬としての適性も高いと言えるでしょう。ただし、少し繊細な面もあり、大きな音や急な環境の変化に敏感なこともあります。
家の中では静かに過ごすことが多いものの、外に出れば俊足を活かして元気に走り回ります。日々の散歩に加えて広場での遊びなど、一緒に体を動かす時間をぜひ取り入れてあげましょう。
④サルーキ
サルーキは、現存する犬種の中で最も古い歴史を持つとされている、中東を原産とする犬種です。
しなやかで引き締まった体は、過酷な環境での狩猟に適した機能美を備えています。
皮下脂肪が少なく筋肉や骨格までもがスリムに整えられており華奢に見えますが、これが彼らの持つ優れたスタミナとスピードの秘訣です。なんと時速70kmで走ることも可能で、持久力にも優れていると言われています。
太りすぎることは健康に悪影響を及ぼすため、体型維持はとても重要です。
賢く従順な一面を見せますが、感情表現は控えめです。控えめな性格と静かな振る舞いが、その高貴な雰囲気をさらに際立たせています。
⑤ボルゾイ
「ボルゾイ」とはロシア語で“俊敏”を意味し、その名の通り驚異的なスピードと瞬発力を兼ね備えています。
シルクのように滑らかな長毛が特徴的で、スタイリッシュな体つきと優雅な雰囲気はロシアの貴族たちを魅了し、長年にわたって愛されてきた歴史を持ちます。
性格は落ち着いていて穏やか、争いごとを避ける平和主義な気質ですが、実は甘えん坊な一面もあります。
ただし、環境の変化や不安に敏感になりやすいと言われているため、子犬の頃からしっかりと信頼関係を築くことが重要です。
室内ではおとなしく過ごせる反面、走ることが大好きな犬種でもあるため、広い場所で思いきり体を動かす時間は不可欠です。
⑥グレートデーン
グレートデーンは「犬のアポロ神」と呼ばれるほど、真に強く美しい存在の象徴とされる世界最大の犬種です。
その堂々たる佇まいとバランスの取れた筋肉質な体は、まさに力強さと美しさの象徴です。狩猟犬や軍用犬としても活躍してきた歴史を持ち、長い四肢から繰り出されるパワフルな脚力も大きな特長です。
その迫力ある見た目に反して、性格はとても穏やかで人懐っこく、飼い主に甘える姿に心を掴まれる人も少なくありません。
超大型犬であるがゆえに、広い住環境と十分な運動量が必要ですが、体力と責任をもって向き合える家庭にとっては最高のパートナーになり得るでしょう。
⑦アフガンハウンド
アフガンハウンドは、古代アフガニスタンを起源とする非常に古い歴史をもつ犬種で、その起源は紀元前5000年頃にまで遡るとも言われています。
シルクのような美しい被毛と引き締まった長い足が特徴的で、驚くほどのスピードで駆け抜ける力を秘めています。
狩りの現場では瞬時の判断が必要とされたため、人の指示を待たずに行動する力が求められました。こうした背景から、アフガンハウンドは独立心が強く、過度な服従を好まない傾向があります。
しつけに工夫は必要ですが、その孤高な気質に惹かれる愛犬家も多いでしょう。
非常に活発な犬種なので、毎日の散歩に加え、ドッグランなど広いスペースで自由に走れる時間を確保することが求められます。
室内でもある程度の運動ができる環境を整えてあげると、心身のバランスが取りやすくなります。
⑧グレーハウンド
中東方面を起源とするとされるグレーハウンドは、走るスピードが抜群に速く最高時速は70kmにも達し、全犬種の中でもトップクラスのスピードを持っています。
身体は無駄のない筋肉で引き締まり、しなやかで長い脚が特徴です。
空気抵抗を最小限に抑える流線型の体つきは、走るために進化したと言っても過言ではありません。
被毛は短く、皮膚も薄めで皮下脂肪も少ないため、冬場の防寒対策が欠かせないため注意しましょう。
活発でスポーティなイメージの反面、性格は穏やかで家庭ではのんびりと過ごすことを好む一面もあります。
ただし、目の前を素早く動くものに反応しやすいため、追いかけるような行動をとる可能性があります。小さな動物や走っている人に対しては特に注意が必要です。
⑨アイリッシュセター
鳥猟犬としての歴史を持つアイリッシュセターは、アイルランドの野山で活躍してきました。疲れ知らずの脚力と瞬発力で、獲物を素早く追い詰める能力に優れています。
引き締まった体つきに、絹のような光沢を放つマホガニーレッドの被毛は見る者を魅了しますが、その美しさを保つためには日々の手入れが欠かせません。
特にお腹周りは汚れがつきやすいため、散歩後のケアを習慣にすると良いでしょう。
活発で陽気な性格の持ち主で、人や他の犬にもフレンドリーです。家庭では明るく優しいパートナーになるでしょう。
ただし運動不足になるとエネルギーを持て余して問題行動に繋がることもあるため、長時間の散歩や、思い切り走れる時間を取り入れた運動は欠かさないようにしましょう。
⑩ドーベルマン
シャープな輪郭に引き締まった肉体、そして精悍な佇まいが印象的なドーベルマンは、見る者に力強さと威厳を感じさせる存在です。
その姿から“怖い”というイメージを抱かれがちですが、実際はとても繊細で、家族に対しては驚くほど甘えん坊な一面を見せることもあります。
元々は警護や作業を担うために育種された背景を持ち、戦時中には軍用犬としても活躍していました。
優れた学習能力と高い順応性を備えており、指示に対する理解や反応は抜群です。
艶やかな短毛は手入れが簡単で、日々のケアに手間がかからないのも飼いやすさのポイントです。ただし、筋肉質で運動能力の高い大型犬であるため、しっかりとコントロールするには体力と経験が必要です。
足が長い犬を飼う際の注意点
足が長い犬種を飼育する際には、その身体的特徴やルーツを理解し、いくつかの点に注意する必要があります。ここでは4点解説します。
①足のケガに注意
足が長い犬種や小型犬、細身の犬種は骨が細く、骨折や脱臼のリスクが高い傾向にあります。
特に小型犬は、高い場所からの落下や、抱っこしている際に暴れて落ちてしまうなど、思わぬ事故で骨折することがあります。室内では滑りやすいフローリングにカーペットやマットを敷いたり、段差にはスロープを設置するなどの対策が有効です。
また、散歩中には足元に危険なものがないか注意し、爪が伸びすぎないように定期的にカットすることも足の負担軽減につながります。
②寒さ対策を徹底する
足が長く細身の犬種は、被毛がシングルコートであったり短毛であったりする場合が多く、寒さに弱い傾向があります。
冬場のお散歩や寒い地域での飼育では、防寒対策が重要になります。洋服を着せることで体温を保つことができます。
また、室内でもエアコンなどで温度管理を行い、犬用のベッドや毛布を用意して暖かく過ごせる場所を作ってあげましょう。
雪や氷の上を歩く際には、犬用ブーツを履かせて足先を保護することも有効です。
③首輪の選び方に注意
足が長く首も比較的長い犬種の場合、一般的な首輪だと抜けてしまうことがあります。
特にグレーハウンドやボルゾイのような犬種は、頭部のサイズに対して首が細いため、マーチンゲールカラーと呼ばれる、引っ張ると締まる構造の首輪が推奨されることがあります。
また、成長期の子犬の場合はすぐにサイズが合わなくなるため、調整可能なものを選ぶと良いでしょう。
長毛種の場合は、毛が絡まりにくい丸首輪や幅の細い平首輪が適しています。
首輪の素材も様々ですので、愛犬の皮膚に合うものを選び、アレルギーが出ないか確認することも大切です。
④適切な運動量を心がける
足が長い犬種の多くは、狩猟犬として活躍してきた歴史があるため、多くの運動量を必要とします。
毎日の散歩はもちろんのこと、ドッグランなどで自由に走り回れる時間を作ってあげることが理想的です。
ただし、大型犬の場合は体が大きいため、激しい運動は関節に負担をかける可能性があります。ゆっくりと時間をかけて長い距離を歩く散歩や、その犬種の特性に合わせた運動を取り入れることが重要です。
愛犬の年齢や健康状態、犬種を考慮して、適切な運動量を見極めることが大切です。
まとめ
足の長い犬は、その美しいスタイルだけでなく、活発な性格と身体能力の高さも魅力のひとつです。
きちんと運動の機会をつくり愛情をもって接することで、より良い関係を築くことができます。
毎日の暮らしに彩りを添えてくれる存在になるでしょう。

愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、少額短期保険募集人の資格を保有。
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