犬アレルギーでも犬を飼いたい!飼いやすい犬種と対策、実体験をご紹介
公開日:2025年6月5日
更新日:2025年6月6日

「犬アレルギーでも犬を飼いたい」「家族が犬アレルギーかもしれない」「犬アレルギーになったら犬は飼えないの?」と悩んでいませんか?
犬アレルギーがある場合でも、適切な対策や犬種選びによって犬を飼うことは可能です。
この記事では、犬アレルギーの原因から症状、そして犬アレルギーでも飼える犬の種類や対策方法を詳しく解説します。犬との暮らしを諦めたくない方は、ぜひ参考にしてください。
[目次]
犬アレルギーでも犬は飼えるの?
犬アレルギーがある場合でも、犬を飼うことを諦める必要はありません。
アレルギー症状の程度は人それぞれ異なるため、症状が軽度であれば工夫次第で犬と一緒に暮らせる可能性があります。
また、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)を理解し、適切な対策をとることでアレルギー反応を軽減できます。
これから犬を飼うことを検討している場合は、事前に自身や家族に犬アレルギーがないかを確認することが大切です。
犬アレルギーが発症する原因は?
犬アレルギーは、主に犬の体から出る特定のタンパク質に対する免疫機能の過剰な反応によって引き起こされます。このアレルゲンは犬の体のさまざまな場所に存在し、空気中に浮遊して人の体内に入ることでアレルギー症状を引き起こします。
主なアレルゲンは、唾液、皮膚のフケ、被毛、尿や便などが挙げられます。
唾液(だえき)
犬の唾液にはアレルギーの原因となるタンパク質が含まれており、犬の被毛に付着した唾液が乾燥し空気中にアレルゲンが飛散することがあります。
また、犬アレルギーの多くの人は顔や手を舐められたり、犬が舐めたものに触れるだけでも症状が出ることがあります。特に皮膚の薄い場所や、目や口などの粘膜に触れると症状が出やすいとされています。
皮膚のフケ(皮膚片)
犬の皮膚から剥がれ落ちるフケ(古い角質)は非常に小さいため、空気中に舞い上がりやすく、吸い込むことでアレルギー症状を引き起こすことがあります。
フケは被毛に付着していることも多いため、抜け毛が多い犬種は毛と一緒にフケも広がりやすいといえるでしょう。ノミやダニがいる環境ではフケが増えやすくなることがあるため、ノミ・ダニ対策も重要となります。
被毛(抜け毛)
犬の被毛そのものが直接的な原因になるわけではありませんが、フケや唾液、ホコリなどが被毛に付着することでアレルゲンを運びやすくなります。
抜け毛とともにアレルゲンが室内に飛散しアレルギー症状を引き起こす要因となります。抜け毛の少ない犬種を選ぶことや、こまめなブラッシングや掃除で抜け毛を取り除くことがアレルギー対策として有効です。
尿や便
犬の尿や便にも、アレルギーの原因となるタンパク質が含まれています。これらが乾燥して細かくなり、空気中に浮遊することでアレルギー症状を引き起こすことがあります。
トイレの清掃をこまめに行い、排泄物を適切に処理することが、アレルゲンを減らす上で重要となります。
犬アレルギーでも飼いやすい抜け毛が少ない犬
抜け毛が少ない犬種はアレルギーの原因物質を室内に拡散させにくく、犬アレルギーを持つ方でも比較的飼いやすいと考えられています。
ここでは純血種を紹介しますが、アレルギーが発症しにくいとされる純血種同士のミックス犬であれば、抜け毛が少ない特性を受け継いでいるためおすすめです。
トイプードル
高い人気を誇るトイプードルは、抜け毛が非常に少ない犬種として知られています。巻き毛で毛が絡まりやすいため、抜けた毛も床に落ちにくく、アレルゲンの飛散を抑える効果が期待できます。定期的なトリミングとブラッシングは必要ですが、アレルギーのリスクを比較的低く保てるでしょう。
マルチーズ
マルチーズは毛量が多い犬種ですが、抜け毛は少ないのが特徴です。シルクのような長く白い被毛を持ち、定期的なブラッシングとシャンプーで清潔に保つことで、フケや余分な毛が舞い上がるのを防ぐことができます。抜け毛が少ないため、アレルギーのリスクも比較的低いとされています。
ビションフリーゼ
フランス原産のビションフリーゼも、抜け毛が少ない犬種です。ふわふわとした白い被毛が特徴で、マルチーズをルーツに持ちます。抜け毛が少ないことに加え、皮脂の分泌も比較的少ないため、アレルゲンが少ない犬種とされています。友好的で賢い性格も、家庭犬として人気が高い理由の一つです。
ヨークシャーテリア
ヨークシャーテリアは「動く宝石」とも称される美しい被毛を持つ超小型犬です。被毛はシングルコートで、季節による大きな抜け替わり(換毛期)がありません。そのため、抜け毛が非常に少ない犬種とされています。毛が細く絡まりやすいため、毎日のブラッシングは欠かせませんが、アレルゲンを室内に拡散させにくいという利点があります。
ミニチュアシュナウザー
ワイヤーヘアが特徴的なミニチュアシュナウザーも、比較的抜け毛が少ない犬種です。硬めの被毛を持ち、定期的なトリミングを行うことで、抜け毛をコントロールしやすいとされています。忠実で遊び好きな性格も魅力で、アレルギーを発症しにくい犬種として挙げられています。
ポーチュギーズウォータードッグ
ポーチュギーズウォータードッグは、オバマ元大統領一家が飼っていたことで一躍有名になりました。この犬種も抜け毛が少なく、アレルギーになりにくいとして知られています。泳ぎが得意で活発な性格を持ち、手入れの行き届いた被毛はアレルギーを持つ人にも比較的優しいとされています。
アフガンハウンド
大型犬に分類されるアフガンハウンドは、長く美しい被毛が特徴ですが、意外にも抜け毛は少ない犬種です。中型犬以上のサイズを希望し、アレルギーが心配な方にも選択肢の一つとなります。日常的なブラッシングは必要ですが、抜け毛の少なさがアレルギー対策に繋がる可能性があります。
犬アレルギーが発症しにくい?!オーストラリアンラブラドゥードル
オーストラリアンラブラドゥードルは、もともと盲導犬として犬アレルギーを持つ人でも飼えるように意図的に交配・改良された犬種です。ラブラドールレトリバーとスタンダードプードルを基に、数世代にわたり複数犬種を掛け合わせて作出されました。
抜け毛が少なくアレルゲンの拡散を抑えやすいため、「アレルギーフレンドリー」な犬種として注目されています。
ただし、唾液や皮脂に対するアレルギーは毛の抜けやすさとは関係なく症状が出ることがあるため、事前に直接触れ合い、アレルギー反応を確認することが大切です。
犬アレルギーを持つ人は注意!抜け毛が多い犬種
抜け毛が多い犬種はアレルギー症状が出やすいといわれています。
特に「ダブルコート」の被毛をもつ犬種は、換毛期の抜け代わりで抜け毛が増えるので注意が必要です。
抜け毛が多いとされている犬種
- 柴犬
- 秋田犬
- ポメラニアン
- チワワ
- ゴールデンレトリバー
- ラブラドールレトリバー
- シベリアンハスキー
- ウェルシュコーギー
- ジャーマンシェパード
短毛種でも、フレンチブルドッグやパグは比較的抜け毛が多いとされています。
犬アレルギーで現れる症状(クラス別)
犬アレルギーの症状の程度は人によって異なり、軽度なものから重度なものまで様々です。
自身の症状のレベルを把握することで、適切な対策や生活環境の調整を行いやすくなります。ここでは、犬アレルギーで現れる症状をレベル(クラス)別にご紹介します。
クラス1~2
クラス1~2は比較的軽度な症状が現れる段階です。
軽度の犬アレルギーの主な症状
- くしゃみ
- 鼻水
- 軽い咳
- 鼻のかゆみ
これらの症状は風邪や花粉症と似ているため、犬アレルギーであることに気づきにくい場合もあります。犬を触ったり同じ空間にいたりする際に上記の症状が現れる場合は、犬アレルギーの可能性を考慮し注意深く観察することが重要です。
クラス3~4
クラス3~4では、軽度の症状がより顕著になったり、頻繁に現れるようになったりします。
中度の犬アレルギーの主な症状
- 鼻づまり
- 喉の痛み
- 目のかゆみや充血
- 皮膚の湿疹やじんましん
皮膚の症状は犬アレルギーの中で最も多く見られる症状の一つです。これらの症状が現れた場合は、アレルギー反応が進行している可能性があるため、医療機関への相談を検討することが推奨されます。
クラス5~6
クラス5~6は重度な症状が現れる段階であり、日常生活に支障をきたす可能性があります。
重度の犬アレルギーの主な症状
- 呼吸困難
- 喘息の発作
- めまい
- 下痢
- 嘔吐
これらの症状は命に関わる場合もあるため非常に危険です。重度のアレルギー症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。
【体験談】犬アレルギーでも飼える子がいる?実際に暮らしてわかったこと
ぱんだちゃん(雑種・15歳)とさぶろーちゃん(ミニチュアダックスフンド・9歳)
私は犬と猫どちらにも「クラス3」の中度のアレルギーがあります。幼少期は祖母が飼っている猫に反応し、遊びに行く度に目が腫れて大変でした。
それでも夢を諦めきれず、中学生の時に日本猫、大人になってからミニチュアダックスフンドを飼い始めましたが、今ではほとんどアレルギー症状が出ていません。体質が変わったか、毎日一緒に過ごすうちに慣れていったのかもしれません。ただ完全に大丈夫というわけではなく、長毛の猫や短毛の犬種(ビーグルなど)を長時間なでたりすると、目や腕がかゆくなることがあります。
私のように体質が変わったり毛質によって症状が出ないこともあるので、猫カフェや犬カフェなどで事前に接してみて、どんな毛質の子に反応するのか確かめてみるのも良い方法かもしれません。
アレルギー反応がでる場合は、マスクやゴーグルを使用しています。
同じく犬アレルギーをもつ家族が遊びに来た際、愛犬が飛びついたり顔を舐めてしまい、家族の目が赤くはれ、くしゃみが止まらなくなることがありました。
それからは花粉用のゴーグルやマスクをつけてもらい、愛犬との激しい触れ合いを減らすように意識しました。愛犬も最近ははしゃぐのをやめ、大人しくソファの上で並んで座っています(笑)
適度な距離を保つことでアレルギー症状も出なくなり快適に過ごせています。
犬アレルギーの人ができる対策
犬アレルギーがあっても犬との暮らしを楽しむためには、日常生活での対策が非常に重要です。
犬アレルギーの症状を完全に無くすものではありませんが、様々な方法を組み合わせることで、症状を軽減し愛犬と快適に過ごす近道になります。
こまめな掃除で部屋をきれいに保つ
犬のフケや抜け毛に付着したアレルゲンは、空気中に浮遊したり床や家具に蓄積したりします。
そのため、こまめな掃除はアレルギー対策の基本です。
犬がよく過ごす場所やアレルゲンが溜まりやすいカーペットや布製品は重点的に掃除しましょう。
掃除機をかけるだけでなく、水拭きや除菌シートでの拭き掃除も効果的です。
高性能フィルター付きの掃除機や空気清浄機を活用するのも良いでしょう。定期的な換気も、室内のアレルゲン濃度を下げるのに役立ちます。
アレルギーが発症しやすい唾液や尿に気を付ける
犬の唾液や尿にもアレルギーの原因物質が含まれているため、犬に顔や手を舐めさせないように注意し、もし舐められた場合はすぐに洗いましょう。
犬が粗相をしてしまった場合は速やかに適切に処理し、清掃・消毒を徹底することでアレルゲンの拡散を防ぐことができます。犬のトイレ周りは特に清潔を保つよう心がけましょう。
犬の出入りを制限する
アレルギー症状を軽減するために、犬と過ごす場所をある程度制限するのも有効な方法です。
特に長時間過ごすことになる寝室には入れないようにすることで症状の軽減につながります。物理的に距離を取ることで、アレルギー対策として一定の効果が期待できます。
また、ソファやカーペットなどの布製品はアレルゲンが付着しやすいため、犬が上がらないようにするなど、身の回りの環境を工夫することも大切です。
犬に服を着させる
犬に服を着せることもアレルギー対策の一つです。犬が服を着ることで抜け毛やフケの飛散を抑える効果が期待できます。特に換毛期など抜け毛が多い時期に有効です。
また、アレルギーの原因となる花粉やほこりが被毛に付着するのを防ぐのにも役立ちます。皮膚が弱い犬の場合は、服を着せることで外部からの刺激や掻きむしりによる皮膚の損傷を防ぐことにも繋がります。
シャンプーで犬を清潔に
定期的なシャンプーでフケや抜け毛などのアレルゲンを減らし、清潔に保ちましょう。
ただし、頻繁にシャンプーを行うと乾燥を引き起こし、アレルギーの原因となるフケの発生に繋がりかねません。獣医師と相談して適切な頻度で行うことが大切です。
毎日のブラッシングも抜け毛やフケを取り除くのに効果的です。ブラッシングやドライヤー(ブロー)は屋外で行うと、室内にアレルゲンを拡散させるのを防げます。
まとめ|犬アレルギーなら犬種選びと日々の対策が欠かせない!
犬アレルギーがあっても、抜け毛が少ない犬種をパートナーに選んだり日々の対策を行うことで、愛犬との楽しい暮らしを送ることは十分に可能です。
もしアレルギー症状が気になる場合は、自己判断せず医療機関に相談し、適切な診断とアドバイスを受けることが大切です。
この記事が、犬アレルギーに悩む方が犬を飼うための情報となり、愛犬との幸せな生活に繋がる一助となれば幸いです。

愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、少額短期保険募集人の資格を保有。
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