ポメラニアンは性格が悪い?毛色や性別による違いやしつけのポイントは?
公開日:2025年9月11日
更新日:2025年9月12日

ふわふわの被毛とクリクリとした瞳が魅力のポメラニアン。しかし「吠えやすい」「気が強い」といったイメージから、「ポメラニアンは性格が悪いの?」と心配する方も少なくありません。実際には、飼い主に忠実で愛情深い性格を持っているため、初心者でも比較的飼いやすい犬種です。
本記事では、ポメラニアンの基本情報から、見た目の特徴や平均寿命、毛色や性別による性格の違いまで、徹底的に解説します。ポメラニアンの性格をきちんと理解し、家族に迎え入れる準備をするためにもぜひ最後までお読みください。
[目次]
ポメラニアンは性格が悪い?気が強くて凶暴なの?

ポメラニアンは、その愛らしい見た目とは裏腹に、「気が強い」「吠えやすい」というイメージを持たれやすく、性格が悪いのではないかと心配する方もいるでしょう。しかし、飼い主がしつけを間違わなければ、ポメラニアンが凶暴化してしまうことはほとんどありません。
なぜ、ポメラニアンの性格が悪いと誤解されがちなのでしょうか。理由は、おもに以下の5つが挙げられます。
- 自立心が強くわがまま
- 甘えん坊
- 興奮しやすく吠えやすい
- 勇敢で気が強い
- 警戒心が強い
これから、実際にどのような部分で性格が悪いと勘違いされてしまいがちなのか、具体的に詳しく解説していきます。
誤解される理由①自立心が強くわがまま
ポメラニアンは自立心が高く、一人遊びやお留守番も上手にこなせます。その一方で、かまってほしいときは吠えてアピールすることもあり、「わがまま」と誤解されることも。
しかしこれは、家族への愛情や自己主張によるものです。物事の良し悪しをきちんと教えるしつけを行えば、素直で可愛い性格を引き出せます。
誤解される理由②甘えん坊

ポメラニアンは甘えん坊な一面を持ちつつも、必要に応じて自分の時間も楽しむ犬種です。
態度がころころ変わることから性格が悪いと思われることもありますが、これは家族に対する愛情や依存心の強さのあらわれなのです。むしろ、この甘えん坊な性格を好む人にとっては、抱っこやスキンシップを求めてくる姿がかわいらしく、家族との絆を深める魅力的なポイントになるでしょう。
誤解される理由③興奮しやすく吠えやすい
ドイツで誕生したポメラニアンは、牧羊犬や番犬として活躍したスピッツ系の血を引く犬種です。そのため、動くものや気になるものに敏感で吠えやすい傾向があります。
これはポメラニアンが好奇心旺盛で賢い証拠でもあり、適切なしつけや社会化を行えば、無駄吠えも抑えられます。環境に慣れ、安心感を持たせることで、落ち着いた性格に育ちます。
誤解される理由④勇敢で気が強い
ポメラニアンは小柄な体格ながら勇敢で、家族を守ろうとする気質があります。見知らぬ人に対しては気が強く見えることもありますが、家族には従順で甘え上手。
小さな体で家族を守ろうとする健気な姿勢は、この犬種ならではの愛らしさです。適切なしつけを行えば、その勇敢さはチャーミングで活発な性格として楽しむことができます。
誤解される理由⑤警戒心が強い
ポメラニアンは警戒心が強く、チャイムや通りかかる人に敏感に反応します。
これは家を守る能力のあらわれでもあります。子犬のうちに社会化や多くの人・犬との触れ合いを経験させることで、警戒心をコントロールでき、安心して暮らせる性格に育てることもできます。
ポメラニアンの基本情報│性格や見た目の特徴は?

ポメラニアンは、ふわふわの被毛と愛らしい顔立ちで人気を集める小型犬です。しつけや社会化をしっかり行えば、初心者でも飼いやすい犬といえるでしょう。以下に、ポメラニアンの原産国や平均寿命、毛色などを基本情報の一覧表としてまとめました。
項目 | ポメラニアンの特徴 |
---|---|
原産国 | ドイツ |
起源 | サモエドなどの北方スピッツ系犬を祖先に持つ |
平均体重/体高 | 約1.8〜3.5kg/約18〜22cm |
平均寿命 | 12〜16歳 |
平均価格 | 約20〜40万円(血統や毛色で変動) |
被毛の特徴 | もふもふの豊かな被毛、くりくりした大きな瞳、立ち耳 |
毛色 | オレンジ、クリーム、ブラック、ホワイト、チョコレートなど多彩 |
ポメラニアンの基本的な性格をまとめると、以下のような特徴があげられます。
- 飼い主が大好きで甘えん坊
- 警戒心が強く怖がりなところも
- 好奇心旺盛で新しい遊びや環境にも積極的
- 堂々としていて自信にあふれている
- 家族を守ろうとする勇敢さがある
可愛らしい見た目と裏腹に、番犬のような気質を残しているのもポメラニアンの魅力。しつけや環境次第で「甘えん坊で忠実なパートナー」にも「警戒心の強い小さな番犬」にもなり得ます。
ポメラニアンはオスとメスで性格は違う?

ポメラニアンを家族に迎え入れるうえで、気になるポイントが性別です。
個体差はあるものの、ポメラニアンの男の子と女の子では性格に多少違いがあります。
おとなしめの子がいい、元気でアウトドアも楽しめる子がいいなど、家庭によって要望はさまざまです。
そこで、ここからは性別による性格の違いを解説していきます。
オスの性格│元気いっぱいでやんちゃ
ポメラニアンの男の子は性格もさっぱりとしている子が多く、しつけも比較的しやすいといえます。体力的にも女の子よりも活発で元気、やんちゃに飛び回って遊ぶ子が多いでしょう。
ただし、一般的に犬のオスはメスよりも強い縄張り意識を持っています。警戒吠えや威嚇行動などがあらわれやすいため、子犬のころから物事の良し悪しについてや、人やほかの犬に対する態度を学ばせることが大切です。
メスの性格│大人しく甘え上手
一方、ポメラニアンの女の子は比較的おとなしく、家族に甘えるのが上手です。周りの状況や接する人によって態度を変えるなど、高い頭脳と観察能力を備えています。
自立や成長による落ち着きが男の子よりも比較的早くみられるため、大人っぽく落ち着いた印象を受ける場合も多いでしょう。ただし、興奮のしやすさから吠えや噛みつきなどのお悩みポイントが増えないよう、男の子と同様に子犬期からのしつけが重要です。
ポメラニアンは毛色によって性格の違いがある?

毛色によって、ポメラニアンの性格に影響を及ぼすかについては不明確です。
毛色というよりは、
持って生まれた資質や特性・生活環境によって性格は変化します。
ジャパンケネルクラブ(JKC)によると、ポメラニアンの毛色は以下のような分類となっています。
- ホワイト
- ブラック
- ブラウン
- オレンジ
- グレーの色調
- クリーム・クリームセーブル・オレンジセーブルなどのそのほかの毛色
セーブルにおいては成長にともない毛色が変わるタイプです。
ポメラニアンは毛色の種類によって変化を感じられる犬種でもあります。
顔タイプ(たぬき顔・きつね顔)で性格に違いはある?

公式基準ではありませんが、ポメラニアンの顔つきは以下のように大別されます。
- 鼻が短めでベビーフェイスな顔つきの『たぬき顔』
- ツンとした長めの鼻先とつぶらな瞳をもつ『きつね顔』
JKCによるポメラニアンの外貌には「フォクシーヘッド」との記載があることから、本来は『きつね顔』に近いポメラニアンが一般的だと分かります。
ここからはたぬき顔・きつね顔による性格の違いについて解説します。
たぬき顔ポメラニアンの性格
『たぬき顔』のポメラニアンは、『きつね顔』よりも身体が小さく、比較的おとなしいといわれます。ですが、おとなしさなども含め、性格も個体差が大きいでしょう。
鳴き声の声量は一般的ですが、「キャンキャン」といった甲高い声で鳴く子の多いのが『たぬき顔』であるポメラニアンの特徴です。特徴的な鳴き声から、よく鳴いて大変そうと感じられることがあります。
きつね顔ポメラニアンの性格
祖先であるスピッツ系の顔つきが強く出ていることから、興奮のしやすさや気の強さも本来のポメラニアンらしい性格といえます。『きつね顔』のポメラニアンは、『たぬき顔』のポメラニアンよりも身体が大きくなる傾向があるため、その分声も大きく感じるでしょう。
以上の理由から、顔つきによって性格に多少の違いがみられます。
ただし、顔つきの違いで優劣がつくわけではありません。迎え入れる子の個性を受け入れ、家族として大切に育てていくことが1番大切です。
ポメラニアンは飼うのが大変?飼い方のポイントは?
ポメラニアンは明るく元気いっぱいな性格を持っていますが、その反面、吠えやすさやお手入れの手間から「飼うのが大変」と感じる人も少なくありません。ですが、しつけや環境づくりのポイントを押さえれば、むしろ暮らしを楽しくしてくれる心強いパートナーになります。
吠え癖を抑えるしつけのコツ
ポメラニアンは警戒心が強く、来客や外の物音に敏感に反応して吠えやすい犬種です。
無駄吠えを防ぐためには、子犬のうちから「吠えても要求は通らない」と一貫して教えることが大切。吠え止んだタイミングで褒めたりご褒美を与える「ポジティブなしつけ」が効果的です。
また、十分な運動や遊びを取り入れることで、ストレスからくる吠え癖の軽減にもつながります。
最適な散歩時間と遊び方の工夫
小型犬の中でもポメラニアンは特に活発です。散歩は1日2回、各20〜30分程度が理想で、ゆったり歩くよりも「小走り」や「方向転換」を取り入れると満足感が高まります。
さらに、室内でも知育玩具やボール遊びを取り入れることで、頭と体をバランスよく使わせることができるでしょう。運動不足を防ぐことで落ち着きが出て、問題行動の予防にもなります。
ブラッシング・トリミングのポイント
ポメラニアンはダブルコートの被毛を持ち、抜け毛が多く毛玉になりやすい犬種です。
週に3〜4回以上のブラッシングが目安で、とくに換毛期(春と秋)は毎日のお手入れが理想的。毛のもつれを放置すると皮膚トラブルの原因になるため、根元から丁寧にブラシを通しましょう。
また、1〜2か月に1回程度のシャンプーやトリミングで清潔さを保つことが大切です。サマーカットなどで短く整えると見た目もすっきりし、日常のお手入れが楽になります。
ポメラニアンがかかりやすい病気│気管虚脱に注意!
小型犬の中でも人気が高いポメラニアンですが、体のつくりや被毛の特徴から、かかりやすい病気がいくつかあります。とくに呼吸器や関節に関するトラブルには注意が必要です。代表的な病気をまとめました。
- 気管虚脱(呼吸がゼーゼーする、咳が出やすい)
- 膝蓋骨脱臼(後ろ足の関節が外れやすい)
- 歯周病(歯石や口臭、歯のぐらつき)
- 皮膚炎(毛玉や蒸れによるかゆみや炎症)
- 低血糖(特に子犬期に起こりやすい)
ポメラニアンは気管が細く、興奮したときや首輪の負担で気管虚脱を発症するケースが多いとされています。ゼーゼーとした咳が続く場合は早めの受診が必要です。
また、関節が弱いため膝蓋骨脱臼(パテラ)にも注意が必要で、フローリングなど滑りやすい環境は避けましょう。
歯のトラブルも起こしやすいので、毎日の歯磨きやデンタルケアは欠かせません。さらに、豊かな被毛のため皮膚トラブルも多いため、こまめなブラッシングと清潔な環境が予防につながります。
とくに子犬期は低血糖を起こすことがあるので、食事を小分けに与えることも大切です。
ポメラニアンの凶暴化や問題行動を防ぐしつけ・接し方
ポメラニアンは「気が強い」「吠えやすい」といったイメージから、凶暴化してしまうのではと不安を感じる人もいます。しかし、実際には飼い主の接し方やしつけ次第で、落ち着いた性格に育てることができます。ここでは、ポメラニアンの問題行動を防ぎ、安心して暮らせるようにするためのポイントを解説します。
吠え癖はしつけで改善できる
ポメラニアンは警戒心が強く、来客や物音に反応して吠えることがあります。放置すると習慣化してしまうため、子犬のころから「吠えても要求は通らない」と教えることが大切です。吠え止んだ瞬間に褒めたりご褒美を与える「正の強化トレーニング」を取り入れると、無駄吠えの改善につながります。十分な散歩や遊びでエネルギーを発散させることも、吠え癖の予防に効果的です。
一貫した対応で落ち着きを育てる
ポメラニアンはとても賢い犬種のため、飼い主の反応をよく観察しています。家族の対応に一貫性がないと混乱し、わがままや問題行動につながることもあります。「ダメなことはダメ」とルールを統一し、家族全員で同じ態度をとることが大切です。安定したしつけを続けることで、安心感を持ち、落ち着きのある性格が育ちます。
安心できる環境づくりが大切
小柄ながら勇敢なポメラニアンは、家族を守ろうとする気持ちから警戒心を強めることがあります。静かに休めるハウスやベッドを用意し、安心できるスペースを確保することが重要です。また、過度なスキンシップや叱責はストレスを与える原因となるため、適度な距離感を意識しましょう。愛情をもって接しつつ、安心できる環境を整えることが、問題行動の予防につながります。
ポメラニアンの性格から相性の良い飼い主の特徴

ポメラニアンとの生活を、より楽しむことができる方の特徴は以下のとおりです。
- 被毛のお手入れが苦にならない人
- 室内飼いできる人
- しっかり散歩に連れて行ける人
- 長時間お留守番させない人
これからポメラニアンを迎えるにあたり、家族で積極的に取り組める内容かどうか確認していきましょう。それぞれ順番に解説していきます。
被毛のお手入れが苦にならない人
ポメラニアンの被毛は、ボリューミーで絡まりやすい毛質です。そのため、定期的なブラッシングなどのお手入れが欠かせません。被毛のお手入れをコミュニケーションの1つとして、無理なく生活に取り込むことが大切です。
ポメラニアンは本来、被毛のカットを行う犬種ではありませんが、現在ではさまざまなカットスタイルが定着しつつあります。
被毛のお手入れを楽しみながら行うことができれば、より良い関係を築けるでしょう。
関連記事:ポメラニアンのカットはどんな種類がある?人気スタイル10種と注意点などを詳しく解説!
室内飼いできる人
ポメラニアンなどの小型犬は、室内飼育が一般的です。
小柄な体つきから環境の変化に敏感なため、室外の飼育は低体温症や熱中症のリスクがありおすすめできません。
また、室外飼育により首輪を繋いでいる状態では、ポメラニアンのシンボルでもある豊かな被毛が擦り切れてしまう可能性があります。
ポメラニアンを迎える際は、温度・湿度管理を十分に行える、適切な環境での室内飼育が望ましいでしょう。
しっかり散歩に連れて行ける人

まとめ│ポメラニアンは性格が悪い犬ではない!

ここまで、ポメラニアンの性格が悪いといわれる理由や、性別による性格の違いなどを解説してきました。
活動的なポメラニアンは、わがままで気が強いという誤解をされることもあります。しかし、家族に対しては実に愛情深く忠実です。また、吠えや気の強さは適切なしつけによりコントロールが可能です。
長きにわたり共に暮らすパートナー選びに、悩みはつきものです。
本記事が、ポメラニアンを大切な家族に迎え入れるきっかけになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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