犬はなぜ「うれしょん」するの?理由と正しい接し方・改善方法を解説!

更新日:2025年8月8日

犬はなぜ「うれしょん」するの?理由と正しい接し方・改善方法を解説!

愛犬が帰宅時や来客時に興奮して、ついおしっこを漏らしてしまう「うれしょん」。

かわいらしく感じることもありますが、対応に悩む飼い主も多いのではないでしょうか。

本記事では、犬のうれしょんの理由から、飼い主ができる正しい対処法、具体的な改善策まで詳しく解説します。

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うれしょんってなに?意味とメカニズム

うれしょんとは、犬が興奮した際に意図せずおしっこを漏らしてしまう現象を指します。

この言葉は「うれしい」と「しょんべん(おしっこ)」を組み合わせた造語です。

犬が飼い主の帰宅を喜んだり、遊んで興奮したり、褒められたりしたときに多くみられますが、かならずしも喜びの感情だけが原因ではありません

メカニズムとしては、興奮によって自律神経が刺激され、膀胱の括約筋が緩んでしまうことで、尿を保持する力が一時的に弱まることが考えられます。

また、恐怖や服従の感情が関係しているケースもあります。

 

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犬がうれしょんをする理由は?

犬がうれしょんをしてしまう理由はさまざまです。詳しくみていきましょう。

うれしさや興奮でおしっこが漏れる

犬がうれしょんをする最も一般的な理由は、うれしさや興奮が高まりすぎることによって、生理的に排尿をコントロールできなくなるためです。

飼い主が帰宅した際や、大好きな人に会ったとき、あるいは遊びに夢中になっているときなど、犬は喜びや興奮でテンションが最高潮に達します。

このような興奮状態では、自律神経のバランスが崩れ、膀胱の括約筋が一時的に緩むことで、おしっこが漏れてしまうのです。

犬にとっての興奮は、人間でいう「鳥肌が立つ」ような、感情が身体に強くあらわれる現象と似ており、無意識のうちにおしっこが漏れてしまうと考えられています。

うれしょんと粗相の違い

うれしょんは、感情が高ぶったときに無意識に起こる排尿であるのに対し、「粗相」は犬が意図してトイレ以外の場所で排尿する行動を指します。

粗相にはマーキングや不満表現など、犬の意思がかかわっていることが多く、排尿量もしっかりしています。また、粗相の後にはその場を離れたり、隠そうとしたりする仕草がみられることもあります。

自律神経の未発達が関係している

犬のうれしょんには、自律神経の未発達が関係しているケースがあります。

特に子犬は、感情のコントロールを司る自律神経の働きがまだ十分に発達しておらず、興奮したり、強いストレスを感じたりした際に、排尿を抑える機能がうまく働かないことがあります。

成犬になるにつれて自律神経が成熟し、自然とうれしょんの頻度が減少していくケースが多いといわれていますが、中には成犬になってもうれしょんをしてしまう犬もいます。

不安・服従・恐怖が混ざっている場合も

犬のうれしょんは、喜びや興奮だけでなく、不安や服従、恐怖といった複雑な感情が関係している場合もあります。

また、犬は排尿で服従を示すことがあり、気が弱い犬や依存心の強い犬は「あなたに従っています」という気持ちから排尿する場合もあります。これは「服従性排尿(ふくじゅうせいはいにょう)」と呼ばれます。

人が近づいたり大きな声を出したりしたときに、恐怖や過去のトラウマから起こるケースもあります。

うれしょんの背景にはさまざまな感情があるため、愛犬の様子をよく観察し、原因を見極めることが大切です。

うれしょんをしやすい犬の特徴は?

マットにおしっこをしてしまったパピヨン

うれしょんはどんな犬にも起こり得る行動ですが、特にうれしょんをしやすい傾向のある犬にはいくつかの特徴がみられます。

ここでは、うれしょんをしやすい犬の具体的な特徴について掘り下げていきます。

子犬や小型犬

子犬は、感情のコントロールを司る自律神経の働きがまだ未発達のため、興奮したり、ストレスを感じたりした際に排尿をうまくコントロールできないことがあります。

また、小型犬は体が小さいため、周囲の人間やほかの犬に対して劣位な立場を感じやすく、服従心が強くなる傾向があります。

さらに、室内で飼育されることが多い小型犬は、飼い主と過ごす時間が長く、より依存度が高まることも、うれしょんの頻度に関係していると考えられます。

興奮しやすい性格の犬

興奮しやすい性格の犬は、うれしょんをする傾向が強いといえます。

大好きな人に会ったときや、楽しみにしている散歩に出かける前など、感情が最高潮に達すると、うれしょんをしてしまうことがあります。

このような犬は、日ごろから刺激に対して敏感に反応し、喜びや興奮だけでなく、不安やストレスに対しても感情の起伏が大きくなりがちです。

服従心が強い犬

犬の中でも特に服従心が強いとされる犬種は、うれしょんをしやすい傾向があります。

たとえば、飼い主や来客に対して「あなたに服従しています」という気持ちを排尿で示すことがあります。これは彼らが自分を「弱い存在」と感じ、相手に敵意がないことをアピールするための行動です。

また、過去に厳しいしつけを受けたり、愛情不足だったりした経験のある犬も、服従心が過剰に高まり、不安や緊張からうれしょんをしてしまうことがあります。

臆病、ナイーブな性格の犬

臆病でナイーブな性格の犬も、うれしょんをしやすい傾向にあります。

このような犬は、些細な刺激にも敏感に反応し、精神的なストレスを感じやすいため、喜びだけでなく不安や恐怖といったネガティブな感情が高まった際にもうれしょんをしてしまうことがあります。

たとえば、大きな音にびっくりしたり、知らない人に急に近づかれたり、過去の嫌な経験からくるトラウマがあったりする場合にも、おしっこを漏らしてしまうことがあります。

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犬が飼い主以外や特定の人にうれしょんする理由は?

犬が飼い主以外の人や特定の来客に対してうれしょんをする場合、そこにはいくつかの理由が考えられます。

愛犬がなぜ特定の相手にだけうれしょんをするのかを理解することで、より適切な対応ができるようになるでしょう。

過去の経験や記憶による反応

犬が飼い主以外の人や特定の人にうれしょんをする理由の一つに、過去の経験や記憶が大きく影響している場合があります。

たとえば、特定の人が訪れるたびに、その人からおやつをもらったり、優しく撫でてもらったりといった良い経験を繰り返していると、その人が来たときに「うれしいことや楽しいことが起こる」と犬が学習します。

その結果、その人があらわれると期待と興奮が高まり、うれしょんにつながることがあります。

逆に、過去にその人から叱られたり、嫌な思いをしたりした経験がある場合、その人に対して不安や恐怖を感じ、それが服従性排尿につながることも考えられます。

「大好きすぎて抑えきれない」ことも

犬が飼い主以外や特定の人にうれしょんをする理由として、「大好きすぎて感情を抑えきれない」というケースも考えられます。

たとえば、めったに会えない親戚や友人、あるいは以前一緒に暮らしていた人など、犬にとって特別な存在の人と再会した際に、その喜びや興奮が爆発し、理性的なコントロールが効かなくなってうれしょんをしてしまうことがあります。

このタイプのうれしょんは、犬の純粋な愛情表現として受け止めることができますが、生活に支障がある場合は、興奮を和らげるための工夫が必要となります。

犬のうれしょんはいつまで続くの?

子犬期のうれしょんは、多くの場合、成長とともに自然と収まっていくことが期待できます。

個体差はありますが、成犬になるにつれて膀胱の機能が発達し、感情をコントロールする能力も向上するため、うれしょんの頻度は減少していく傾向にあります。

そのため、「いつまで続くのだろう」と心配しすぎる必要はありません。

しかし、ただ成長を待つだけでなく、犬を過度に興奮させないような接し方を心がけるなど、適切な環境と対応をつづけることが大切です。

犬のうれしょんの治し方は?

注意されるゴールデンレトリバー

愛犬のうれしょんを改善するためには、正しい対処法を知ることが重要です。ここでは、うれしょんへの具体的な対策について解説します。

過剰に興奮させない接し方をする

うれしょんをやめさせるためには、犬を過剰に興奮させない接し方をすることが非常に重要です。

飼い主の帰宅時や来客時など、犬が興奮しやすい場面では、犬が落ち着くまであえて無視をすることが対策として有効です。

帰宅直後に駆け寄ってきても、すぐに撫でたり声をかけたりせず、まずは荷物を置くなど自分のことを優先し、犬が少し落ち着いてから冷静に接するようにしましょう。

犬が落ち着いて待つことができたら、穏やかな声で褒め、ご褒美を与えるなどして、落ち着いていることが良いことだと覚えさせます

これにより、犬は「興奮しても良いことはない」「落ち着いていると良いことがある」と学習し、徐々に興奮をコントロールできるようになることが期待できます。

うれしょんをしているときに叱らない

犬がうれしょんをしているときに叱ることは避けましょう。

犬はうれしょんを意図的に行っているわけではないため、叱られても何が悪かったのか理解できません

むしろ、叱られることによって犬は恐怖を感じ「おしっこをすると怖いことが起こる」と学習してしまい、排泄を我慢するようになったり、隠れて排泄するようになったりする可能性があります。

うれしょんをしてしまった場合は何もいわずに冷静に片付け、犬には構わないようにしましょう。

病気の可能性も考慮する

うれしょんのようにみえても、実は病気が原因の場合があります。

特に興奮していないのに頻繁におしっこを漏らす、突然うれしょんが始まった場合は注意が必要です。膀胱炎や尿失禁、神経系の異常などが原因になることがあります。

女の子の犬は尿道が短く膀胱炎にかかりやすく、出産や避妊手術後に尿もれしやすくなるケースもあります。

頻尿や排尿困難、血尿などがあれば、早めに獣医師に相談しましょう。病気がみつかれば、適切な治療で改善する可能性があります。

犬のうれしょん対策に役立つアイテム

マナーパンツをはくジャックラッセルテリア

犬のうれしょん対策として、お部屋の汚れを防いだり、お出かけ時のマナーを守ったりするために便利なアイテムがいくつかあります。

アイテムを上手に活用することで、飼い主の負担を軽減し、愛犬との暮らしをより快適にすることができます。

ペットシーツ・防水マット

室内でのうれしょん対策には、吸水性の高いペットシーツを、犬が興奮しやすい場所(玄関、リビングの入り口など)に敷いておくのが効果的です。

また、洗いにくい絨毯やソファの上には、防水カバーやペット用のマットを敷いておくと、汚れを最小限に抑えられます。

マナーパンツ・マナーベルト・犬用オムツ

外出先や来客時など、うれしょんが起こりやすい場面では、マナーパンツやマナーベルト、犬用オムツの使用がおすすめです。

男の子の犬には「マナーベルト」、女の子や広範囲のカバーが必要な場合には「マナーパンツ」や「オムツ」と使い分けるとよいでしょう。

おしっこが漏れるのを防ぎつつ、周囲への配慮にもなります

消臭・除菌スプレー

うれしょんをしてしまった場合は、素早く消臭・除菌することも大切です。アンモニア臭をしっかり分解するタイプのスプレーを使えば、ニオイ残りを防ぎ、衛生的な環境を保つことができます。

お部屋やペット用品に使えるタイプを常備しておくと安心です。

まとめ|うれしょんは成長や環境で改善できる!

犬のうれしょんは、愛犬の感情表現の一つです。興奮や喜び、ときには不安や服従の気持ちからおしっこを漏らしてしまうことがありますが、多くの場合、成長や飼い主の接し方、環境を整えることで改善が見込めます。

飼い主が適切な知識をもって愛犬に寄り添うことで、犬のうれしょんの悩みが軽減され、愛犬とのより良い関係を築きながら快適な生活を送ることができるでしょう。

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この記事の監修者 愛犬ブリーダー事務局
動物が大好きなメンバーがコラムを監修しています。ペットショップでのスタッフ経験もあり、愛犬・愛猫と生活をしながら、休日にはドッグカフェやアニマルカフェに足を運ぶことも。
愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、少額短期保険募集人の資格を保有。
豊富な知識と経験を活かし、役立つ情報をお届けします。

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