犬はしっぽで感情を伝えている?振り方や動きでわかる気持ちを徹底解説!
公開日:2025年6月13日
更新日:2025年6月13日

私たち人間が言葉や表情で伝える「感情」は、犬たちはしっぽを使って表現しています。
しっぽの振り方や位置、動きを見ることで愛犬が今どんな気持ちでいるのかを知るヒントになります。
この記事では、犬のしっぽが持つ役割と、動きから読み取れる犬の感情や気持ちについて詳しく解説します。
[目次]
犬のしっぽ(尻尾)は何のためにあるの?
かわいい犬のしっぽは、犬が生きていくうえでいくつかの重要な役割を担っています。犬のしっぽが何のためにあるのか知ることで、より深く愛犬を理解することにつながります。
コミュニケーションのため
犬のしっぽは、犬同士や人とのコミュニケーションをとるための重要なツールです。しっぽの動きや位置、振り方によって、喜びや興奮、不安や恐怖などのさまざまな感情を伝えています。
たとえば、うれしいときにはしっぽを力強く振ったり、リラックスしているときにはゆっくりと揺らしたりします。
しっぽは犬の感情を読み取るための手がかりとなるのです。
体のバランスを保つため
犬のしっぽは、走っているときや方向転換をする際の体のバランスを保つためにも役立っています。
スピードを出して走ったり、急に止まったり曲がったりする際にしっぽを使って動きを安定させているといわれています。
また、泳ぐときにも舵のような役割を果たし、進行方向のバランスをとるのに役立ちます。
体温の維持のため
冬などの寒い環境では、犬は体を丸めて寝ることで体温を保とうとします。
そのときに、しっぽを体に巻き付けたり鼻先を覆ったりすることで、冷たい空気を直接吸い込むのを防ぎ、体温が逃げるのを防いでいると考えられています。
感情表現のため
犬にとってしっぽは感情表現をするための非常に重要な手段です。
うれしい、楽しいといったポジティブな感情から、不安、恐怖、警戒といったネガティブな気持ちまで、さまざまな犬の感情をしっぽの動きや位置、振り方で伝えています。
飼い主がこの感情表現を理解することで、愛犬の気持ちに寄り添い、より良い関係を築くことができます。
しっぽを振る向きでも感情に違いがある?
「犬がしっぽを振る方向によっても感情に違いがある」というイタリアの研究結果があります。
犬はうれしいときやリラックスしているときにはしっぽを右側に振ることが多く、不安やストレスを感じているときには左側に振る傾向があるそうです。
これは、脳の機能の違いに関連していると考えられており、ポジティブな感情は脳の左側が、ネガティブな感情は脳の右側が活性化されることが関係している可能性があるとされています。
しっぽ(尻尾)の動きからわかる犬の感情・気持ち
犬のしっぽは表現力豊かで、振り方や動き、高さや振るスピードの違いからさまざまな感情や気持ちを読み取ることができます。
ここでは、代表的なしっぽの動きからわかる犬の感情・気持ちについて詳しく見ていきましょう。
犬がしっぽを振っているとき
犬がしっぽを振る行動は一般的に「うれしい」というイメージが強いですが、実はそれだけではありません。
愛犬がしっぽを振っているときは、どのような状況で、どのように振っているのかを観察することで、そのときの気持ちを理解するヒントになります。
高い位置で大きく振る
犬がしっぽを高い位置で大きく振っているときは、喜びや興奮をあらわしていることが多いです。大好きな飼い主を迎えるときや、遊びに誘っているときなどにみられます。
感情が高ぶっており「うれしい!楽しい!」といった気持ちがあふれている状態といえるでしょう。
うれしさが最高潮に達すると、しっぽだけでなくお尻も一緒にフリフリと振ることもあります。
低く垂らして左右に振る
しっぽを低く垂らした状態で左右にゆっくりと振っているときは、リラックスしているサインです。
安心していて、穏やかな気持ちでいることを示しています。
大好きな飼い主と一緒にいるときなど、落ち着いた状況でみられることが多いです。
高く上げて小刻みに振る
しっぽを高く上げて小刻みに速く振っている場合は、警戒心や威嚇の気持ちをあらわしていることがあります。
相手に対して自分が優位であることを示し、牽制している状態です。
興奮して喜んでいるようにみえる場合もありますが、ポジティブな感情とは限らないため、注意が必要です。初対面の相手や、見慣れないものに対してこのような動きを見せることがあります。
犬のしっぽが下がっているとき
犬のしっぽが下がっているときは、不安や恐怖、緊張を感じていることが多いです。
自信がないときや、叱られてしょんぼりしているときなどにみられます。
しっぽが下がり完全に股の間に巻き込んでいる場合は、強い恐怖を感じているサインです。
犬がしっぽを足の間に巻き込んでいるとき
犬がしっぽを足の間にしっかりと巻き込んでいるときは、強い恐怖心や服従心をあらわしています。
体を小さく見せることで、相手に対して敵意がないことや降参の意思を伝えようとしています。
何かをとても怖がっているときや、叱られて強い不安を感じているときなどにみられる行動です。
犬のしっぽの毛が逆立っているとき
犬のしっぽの毛が逆立っているときは、緊張や興奮、恐怖や怒りなど、感情が強く動いているサインです。
威嚇や攻撃の意図がある場合もありますが、驚きや寒さで毛が逆立つこともあり、人間でいう鳥肌が立った状態に似ています。
毛が逆立っているときは、犬が強いストレスを感じている可能性が高いので、原因となっているものから離れるなどの対応が必要です。
犬がしっぽ(尻尾)を振るのは無意識なの?
犬がしっぽを振る行為は、意識的な部分と無意識的な部分の両方があると考えられています。
コミュニケーションの手段として意図的に気持ちを伝えようとする場合もありますが、喜びや興奮といった感情が高まると無意識にしっぽを振ってしまうことも多いとされています。
犬のしっぽと感情は連動していることが多いため、無意識に動いてるしっぽにも、犬の気持ちがあふれているといえるでしょう。
犬が自分のしっぽ(尻尾)を追いかけたり噛んだりする理由は?
犬が自分のしっぽを追いかけたり噛んだりする行動は、いくつかの理由が考えられます。特に子犬のころによくみられる行動ですが、成長しても行うことがあります。
遊びや好奇心の場合がほとんど!
子犬が自分のしっぽを追いかけたり噛んだりするのは、遊びや好奇心からの場合がほとんどです。
子犬は自分のしっぽが体の一部であるという認識が曖昧なため、尻尾が視界に入ることで「動く何か」として認識し、おもちゃのように感じてしまうのです。
成長するにつれて落ち着くことが多いですが、遊び盛りの犬によくみられる行動です。
ストレスを感じているときも…
犬が自分のしっぽを執拗に追いかけたり噛んだりする場合、ストレスを感じている可能性も考えられます。
退屈や運動不足、精神的な緊張などが原因で、発散のためにこのような行動をとることがあります。また、分離不安や要求があるときにもみられることがあります。
犬のしっぽ(尻尾)にあらわれる健康状態のサイン
犬のしっぽは感情だけでなく、健康状態のサインを示していることもあります。普段の愛犬のしっぽの状態をよく観察することで、病気や不調の早期発見につながることもあります。
しっぽが垂れ下がっているとき
普段はピンと上がっているしっぽが元気がなく垂れ下がっている場合、体調不良や痛みを感じている可能性があります。
老化によってしっぽの筋肉が衰え、垂れ下がることもありますが、急に垂れ下がった場合は注意が必要です。
しっぽを気にしたり噛んだりするとき
犬が自分のしっぽを過剰に気にしたり、噛んだり舐めたりする行動は、かゆみや痛み、炎症があるサインかもしれません。
しっぽの付け根や先端に傷がないか、皮膚の状態に異常がないかを確認してあげましょう。
病気が隠れているときの見分け方
しっぽの異常と同時に、食欲不振、元気がない、触られるのを嫌がるなどの症状がみられる場合は、病気が隠れている可能性があります。
たとえば、しっぽの骨折や脱臼、皮膚炎、神経系の疾患などが考えられます。
普段の様子と明らかに違う場合は、早めに動物病院で診察を受けることが重要です。
犬と猫のしっぽ(尻尾)による感情表現の違い
猫も犬と同じようにしっぽを使って感情を表現しますが、動きや意味合いには違いがみられます。
犬と猫のしっぽからみられる感情表現の違いをかんたんに表にしましたので、参考にしてください。
犬のしっぽの動き | 猫のしっぽの動き | |
うれしいとき | しっぽを高く上げて大きくブンブン振る。全身で喜びをあらわすこともある。 | しっぽをピンと立てて近づいてくる。先を小刻みに震わせることもある。 |
リラックスしているとき | しっぽを垂らして、ゆっくりと左右に振る。 | しっぽをゆったり揺らす、またはだらんと下げている。 |
イライラしているとき | しっぽを硬直させてゆっくり振る。高く上げたまま動かさないこともある。 | しっぽをバタバタと激しく振って音を立てる。先だけピクピク動かす。 |
緊張・興奮しているとき | しっぽをピンと立てたり、水平に保って振る。 | しっぽを大きく振る、毛を逆立てて太く見せる。怒っているときにも似た動きがみられる。 |
こわいとき | しっぽを足の間に巻き込んで、体を小さく見せようとする。 | しっぽを後ろ足の間に入れるか、低くして体に巻き付ける。 |
まとめ|犬はしっぽ(尻尾)でさまざまな感情を伝えている!
犬のしっぽは犬の感情を表現するための重要なコミュニケーションツールであり、しっぽの動きや位置、振り方を見ることで、愛犬が今どのような気持ちでいるのかを知ることができます。
うれしい、楽しいといったポジティブな感情だけでなく、不安や恐怖、警戒心なども伝えているのです。
愛犬のしっぽの動きに注目し、そのときの状況や他のボディランゲージと合わせて観察することで、愛犬の感情をより深く理解し、絆を深めていきましょう。
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愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、少額短期保険募集人の資格を保有。
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