柴犬の飼いやすさは?初心者向けに基本の飼い方&しつけのコツを解説!
公開日:2025年6月12日
更新日:2025年6月19日

柴犬は日本だけでなく海外でも人気があり、家庭犬としても多くの人から愛されている犬種です。
一方で、これから柴犬を迎えたい方の中には「柴犬は飼いやすいって聞くけど本当?」「初心者は飼うのが難しいんじゃないか」と不安を抱く方もいるでしょう。
この記事では、柴犬が飼いやすいかを判断するポイントに加え、飼い方のコツやよくある疑問Q&Aなど、柴犬の飼い方を幅広く紹介します。
[目次]
柴犬ってどんな犬?
原産地 | 日本 |
平均価格 | 約15万〜30万円 |
体重 | 約9〜11kg(オス)/約7〜9kg(メス) |
平均寿命 | 約12〜15年 |
柴犬は日本原産の中型犬で、古くから日本人とともに暮らしてきた歴史ある犬種です。警戒心が強く、自立心もありながら、信頼した飼い主には忠実で愛情深い一面をみせます。活発で運動が好きな一面もあります。
柴犬は飼いやすい?判断基準とは
「犬の飼いやすさ」は、その犬種の特性と飼い主のライフスタイルや経験によって変わります。
柴犬は自立心が強く、自分のペースを大切にする犬種です。過度に構わず自然体で接したい人にとっては「飼いやすい」と感じられるでしょう。
一方で、頑固で自己主張がはっきりしている一面もあるため、しつけには根気とブレない姿勢が必要です。犬との密なふれあいを重視する方や初心者の方にとっては「飼いにくい」と感じることもあるかもしれません。
柴犬を飼うのに向いている人は?
柴犬を飼うのに向いている人は、犬との信頼関係をじっくり築きたい人です。
柴犬は飼い主に忠実で愛情深く、賢さゆえに適切なしつけをすれば多くのことを学べる犬種です。根気強く前向きにしつけに取り組める人にとっては、とても魅力的なパートナーになるでしょう。
また、柴犬は常にスキンシップを求めるタイプではなく、程よい距離感を大切にする傾向があります。べったりよりも心で通じ合う関係を求める人にもぴったりです。
柴犬を飼うのに向いていない人は?
常にべったり甘えてくる犬をイメージしている人や、犬とのコミュニケーションに時間をかけられない人は、柴犬の飼育にギャップを感じてしまうかもしれません。
個体差はありますが、柴犬は飼い主との信頼関係をとても大切にする一方、ベタベタと甘えるタイプではないといわれています。
自立心が強く頑固な一面もあり、自分の納得がいかない指示には従わないこともあるようです。
柴犬を飼う前に知っておきたいこと
柴犬を飼いたいと考えた際に、事前に知っておくべき点がいくつかあります。ここでは、迎え入れの準備からかかる費用までを具体的に解説します。
柴犬と快適に過ごすための準備
まず、柴犬が落ち着ける自分だけの空間としてケージやクレートを用意しましょう。柴犬は環境の変化に敏感なので、テリトリーとなる場所があると安心できます。
設置場所は直射日光が当たらず、温度や湿度が適切に保たれる場所にしてください。
被毛が密なため暑さに弱い傾向があり、夏場はエアコンで26℃前後に設定するなど温度管理に注意が必要です。
床材や食器、給水器、ベッドなどの基本的なグッズも事前に準備しておくとスムーズに迎えられます。
屋外での飼育を考えている方もいるかもしれませんが、柴犬は家族との絆を大切にする犬種のため、室内で人と一緒に過ごすことで精神的に安定しやすくなります。
健康面や安全面の観点からも室内飼いが望ましいでしょう。
柴犬の飼育にかかる維持費用
初期費用としては、ケージや食器、首輪、リードなどの飼育グッズに加えて、混合ワクチン接種やマイクロチップ装着費用などがかかります。これらを合わせると、およそ5~6万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
月々かかる費用としては、ドッグフード代、おやつ代、ペットシーツ代、医療費(予防接種、健康診断、ケガや病気の治療費など)があります。食費は、フードによりますが年間でおよそ11万円程度かかる場合があります。
生涯でかかる費用は、柴犬の平均寿命が15年とすると、医療費も含めて最低でも100万円以上はかかるといわれています。
予期せぬケガや病気に備えて、ペット保険への加入も検討することをおすすめします。
柴犬の基本的な飼い方
柴犬とのより良い生活のためには、日々の適切なお世話が欠かせません。ここでは、基本的な飼育方法について解説します。
柴犬の食事と体重管理
年齢や体格に合ったごはん(フード)を与えましょう。
子犬期は高たんぱく・高カロリー、成犬以降は栄養バランスを重視した内容に切り替えます。
手作り食を与える場合は、栄養が偏らないよう十分な知識が必要です。
おやつはしつけに役立ちますが、与えすぎに注意しましょう。
運動量に応じて食事量を調整するのも重要です。
柴犬の理想的な体重(適正体重)は?
柴犬の理想体重は個体差がありますが、成犬の柴犬で平均7~10kgほどが目安です。肥満は関節や内臓に負担をかけるため、定期的に体重を量り、体型をチェックしましょう。
背骨や肋骨を軽く触ってわかるくらいが適正とされます。
柴犬の適切な運動量と散歩
柴犬は活発で多くの運動量を必要とします。健康的な体とストレス発散のためにも毎日の散歩は欠かせません。
成犬の場合、1回30分程度の散歩を1日2回行うのが理想的です。子犬のころは短い時間から始め、徐々に慣らしていきましょう。
雨の日など散歩に行けない場合は、室内での遊びを取り入れるなどして運動不足やストレスを解消してあげてください。
散歩は単なる運動だけでなく、社会性を育む機会でもあり、飼い主とのコミュニケーションを深める大切な時間です。
関連記事:柴犬は毎日散歩が必要!適切な距離や時間帯、注意点について
柴犬に必要なお手入れ
柴犬の被毛は二重構造(ダブルコート)になっているため、特に換毛期には抜け毛が多くなります。
皮膚病予防のためにも、丁寧なブラッシングが必要です。できれば毎日、少なくとも2日に1回はブラッシングを行いましょう。
シャンプーは1~2か月に1回程度で十分ですが、皮膚の状態を見ながら頻度を調整してください。
歯磨きや爪切り、耳掃除などのケアも定期的に行い、犬の体を清潔に保つことが健康維持につながります。
これらのお手入れは病気の早期発見にも役立ちます。
柴犬のしつけは難しい?おさえておきたいポイント
柴犬との快適な共同生活には適切なしつけが不可欠です。しかし、飼い始めはどのようなしつけをしたらいいか、わからない方もいるでしょう。
ここでは、お迎え前に知っておきたい、しつけの基本的なポイントを4点ご紹介します。
①柴犬は頑固?飼い主はどう向き合うべき?
「柴犬は頑固」といわれることがあります。理由は、自立心が強く自分で物事を判断する傾向があるためです。
一度決めたことや嫌なことに対しては、なかなか譲らない意地っ張りな一面をみせることもあります。
うまく向き合うためには褒めて伸ばすしつけを取り入れ、成功体験を積み重ねさせることで、飼い主の指示に従うことの楽しさを教えられます。
一貫性のある態度で接することも重要です。だめなことはだめと明確に伝え、家族全員で同じルールで接してあげましょう。
②社会化期に始めたい基本のしつけ
しつけは、柴犬の飼いやすさを左右する大事なポイントです。
子犬の社会化期(生後3~14週齢ころ)は、犬がさまざまなことを吸収し、社会に適応するための重要な時期です。
この時期に家族以外の人やほかの犬、さまざまな物音や環境に慣れさせることで、将来の警戒心や問題行動のリスクを減らすことができます。
積極的に抱っこ散歩で外の環境に慣らしたり、ワクチン接種が済んだらほかの犬と触れ合う機会を作ったりしましょう。
家庭内では、さまざまな音(ドライヤーや掃除機など)に慣らしたり、体に触られることに慣れさせる練習(歯磨きや耳掃除など)を始めることも大切です。
社会化は社会化期だけで完了するものではありません。成犬になっても継続して行うことで、犬の精神的な安定につながります。
③「待て」「おすわり」などの教え方
「待て」「おすわり」といった基本的なコマンドは、短い時間で繰り返し練習することが効果的です。
柴犬が集中できる時間は10~15分程度といわれています。成功したら褒めてご褒美を与えることで、犬は良い結果とコマンドを結びつけて学習します。
しつけに関する詳しい内容はこちらの記事をお読みください。
④問題行動の原因と対処法
柴犬にみられるとされる問題行動にはかならず原因があり、その原因を理解したうえで適切に対処することが重要です。詳しく見ていきましょう。
無駄吠えの原因と対処法は?
無駄吠えの原因は、警戒心や縄張り意識の強さ、要求や不安が考えられます。
来客に対して吠える場合は、チャイムの音に慣れさせたり「おすわり」や「マットで待つ」などの行動に切り替えられるようにトレーニングしておくと良いでしょう。
要求吠えの場合は、吠えている間は無視をして、静かになったら褒める対応が有効です。
噛み癖の原因と対処法は?
噛み癖の原因は、子犬の甘噛みからエスカレートする場合や、ストレスや欲求不満が考えられます。
噛んでもよいおもちゃを与えて発散させつつ、噛んではいけないものをきちんと教えることが大切です。
甘噛みが強い場合は「痛い!」などと声を出して一度遊びを中断するという方法も効果的です。
エネルギーをもてあましている場合は、散歩や遊びの時間を増やしてあげることも重要です。
改善がみられない場合は、専門家のアドバイスを求めることを検討しましょう。
散歩中の引っ張りの対処法
散歩の際の引っ張り癖は、柴犬の力強さと好奇心の強さから起こることがほとんどです。
引っ張られたら立ち止まる、方向転換するなど、引っ張っても前に進めないことを教えるトレーニングが有効です。
飼い主の横に付いて歩く「リーダーウォーク」を根気強く教えることも大切です。
拾い食いの対処法
拾い食いは地面に落ちているものを口にしてしまう危険な行動です。
散歩中は地面に注意を払い、何かを口にしそうになったら「ダメ」と指示を出し、拾うのをやめたら褒めておやつを与えるという練習を繰り返しましょう。
普段から「ちょうだい」などのコマンドを教え、口の中にあるものを自ら出す練習をしておくことも役立ちます。
【Q&A】柴犬の飼育に関する疑問にお答え!
柴犬の飼育にあたって、さまざまな疑問があるかと思います。ここでは、よくある疑問についてお答えします。
柴犬の欠点は?
柴犬の欠点として挙げられることがあるのは、警戒心の強さと頑固さです。
知らない人や犬に対してすぐに慣れず、ほかの犬種に比べて社会化に時間と根気が必要な場合があります。自分の納得がいかない指示には従わない頑固な一面をみせることもあります。
しかし、これらは柴犬の特性であり、欠点というよりは「そういう性質をもった犬種である」と理解することが大切です。
適切な子犬のころからの社会化としつけによって、これらの特性を良い方向に導くことができます。
オスとメスで何か違いはある?
柴犬はオスとメスで性格や体に違いがみられます。
一般的に、オスはメスよりも一回り体が大きく、がっしりとした体格をしています。
性格の面では、オスは活発で遊び好きな傾向があり、自分の縄張りや家族を守る意識が強いといわれています。メスはオスに比べて穏やかで、マイペースな一面がみられることが多いようです。
ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、個体によって性格は大きく異なります。
多頭飼いには向いている?
柴犬は縄張り意識や独立心が強い傾向があるため、多頭飼いには慎重な検討が必要です。ほかの犬に対して攻撃的な一面をみせるケースもあります。
新しい犬を迎える場合は、先住犬との相性や、それぞれの愛犬に十分なスペースと時間を確保できるかをよく考える必要があります。
適切な社会化としつけを行うことで、多頭飼いが成功する可能性は高まりますが、犬同士の関係性には常に注意を払い、問題がおきた場合は専門家への相談も視野に入れましょう。
一人暮らしでも飼育できる?
一人暮らしでも柴犬を飼育することは不可能ではありませんが、「飼育できる」ことと「お互いが幸せに暮らせる」ことは異なります。
毎日の散歩は欠かせず、成犬の場合は1日に合計1時間以上が理想とされています。
仕事などで長時間家を空ける場合でも、帰宅後に十分な散歩や遊びの時間を確保できるかが重要になります。
散歩は単なる運動だけでなく、柴犬との信頼関係を築くうえでも大切な時間です。
限られた時間の中でも安心できる環境を整え、愛犬に十分なケアとコミュニケーションを心がけましょう。
小さい子供がいる家庭でも飼える?
小さい子供がいる家庭でも柴犬を飼育することは可能ですが、いくつか注意が必要です。
柴犬は信頼した家族には忠実で愛情深い一方で、接し方によっては問題が生じる可能性もあります。子供が愛犬に乱暴に接したり、愛犬の嫌がることをしたりしないように、子供にも愛犬との接し方を教えることが非常に重要です。
また、犬にも子供との触れ合いに慣れさせるための社会化トレーニングを行う必要があります。目を離すときはかならず犬と子供を別の場所に離すなど、安全管理を徹底することが大切です。
留守番が多くても大丈夫?
柴犬は独立心が強く、比較的「留守番が得意」といわれることがありますが、個体差があるのですべての柴犬が得意とは限りません。
特に子犬期は不安やストレスを感じやすいため、徐々に慣らすことが大切です。
留守番が長時間に及ぶと、無駄吠えやいたずら、体調不良の原因にもなり得ます。安全で快適な環境を整え、留守番前にしっかり運動させるなどの工夫をしてあげましょう。
柴犬と暮らす方に聞いてみた!柴犬あるある!
ここでは、柴犬の「あるある」を10選ご紹介します!その独特な性格と行動に、思わずクスッと笑ったり、ちょっと困ったり…。
柴犬と暮らす編集部のメンバーに聞いてみました!ぜひ最後までご覧ください!
①ツンデレでマイペース
普段はクールなのに、突然甘えてきたり、かと思えばすぐにプイッと離れたり…。呼んでも来ないのに、気が向いたときだけ寄ってくる。マイペースでツンデレ気質に振り回されがちです。
②「柴距離」がある
ベタベタされるのはあまり好きじゃない子も多く、一定の「柴犬なりの距離感」を大切にしています。
③頑固な一面あり!嫌なことは全力で拒否!
爪切り、シャンプー、病院、散歩…。嫌なものには頑固なまでにNOを貫きます。「イヤイヤ顔」「イヤイヤポーズ」が豊かすぎて逆に笑えます。
気に入らないお散歩ルートだと一歩も動かないことも…。
④抜け毛がすごい
換毛期には驚くほどの毛が抜けます。ブラッシングしてもしても終わらず、部屋のあちこちにふわふわ舞う毛…。
⑤表情豊かで感情が読みやすい
うれしいときはにっこり笑ったような顔、怒ってるときは眉間にシワ。表情で気持ちがすぐにバレます。
くるんと巻いたしっぽがピン!と上がったり、下がったり。しっぽの動きでもテンションがわかります。
⑥トイレは基本お外!
家の中で行う子は珍しいみたいです。(雨の中風の中…)
⑦寝相が変!
ヘソ天や変なポーズで爆睡。 柴犬の寝相は自由すぎて、つい写真を撮りたくなるかわいさです。無防備すぎて逆に心配になることも…。
⑧「ウゥ〜」って唸るけど怒ってない
ちょっと文句言ってるだけ。
⑨急にスイッチが入る
突然テンションが上がって家の中を暴走!見ていて笑ってしまいます。
⑩お尻がぷりぷり
ぷりぷり揺れるお尻に、つい目がいってしまう…。後ろ姿にやたらと癒やされます。
まとめ|柴犬はコツを掴めば飼いやすい!根気強く向き合おう
ご紹介してきたように、柴犬の飼育にはコツが必要な場面もありますが、その分、信頼関係が築けたときの喜びは大きいでしょう。
安心できる環境を整え、日々のコミュニケーションを大切にすることで「柴犬の飼いやすさ」はぐんと高まり、共に過ごす時間はより豊かで楽しいものになるでしょう。
この記事が、柴犬との素晴らしい共同生活を始めるために役立てば幸いです。
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