【犬の十戒】英語原文&日本語訳に解説つき!犬が強い裏バージョンとは?
公開日:2025年10月2日
更新日:2025年10月2日

犬の十戒は、犬の視点から飼い主への10のお願いを綴った詩です。英語原文が日本語に翻訳され、世界中の愛犬家の心に響いています。また、本編とは対照的に、犬が強い立場のユーモラスな「裏バージョン」も存在します。
この記事では、犬を飼っている人にも飼っていない人にも「泣ける」と人気な犬の十戒について、詳しく解説します。
[目次]
犬の十戒とは│発祥元や作者は?
「犬の十戒」とは、犬が飼い主と暮らす短い生涯の中で望む10の願いを、犬自身の言葉として綴った詩です。この詩の作者は正式には不明ですが、ノルウェーのブリーダーであるマグリット・テッシュナー氏が、犬の買い手に向けて書いたものが元になったという説が有力です。犬の一生に寄り添うことの大切さを伝えるこの詩は、国境を越えて多くの人々の共感を呼んでいます。
犬の十戒は絵本や動画、曲にも
「犬の十戒」はその感動的な内容から、詩という形式にとどまらずさまざまなメディアで表現されています。具体例としては、映画化された小説「犬と私の10の約束」や、子どもにも分かりやすいように描かれた「いぬとわたしの10のやくそく」という絵本などです。
音楽バンド「three tight b」はこの詩をモチーフに「犬のお願い」という楽曲をリリースしました。また、俳優や声優が感情を込めて朗読する動画は、インターネット上で広く共有されています。
犬の十戒の英語原文│飼い主への10のお願い
ここでは、「犬の十戒」の英語原文と、その日本語訳を一つずつ紹介しながら、それぞれの戒めに込められた犬からのメッセージを深く読み解いていきます。
十戒の1文目「どうか離れないで」
~英語原文~
My life is likely to last ten to fifteen years.Any separation from you will be painful for me.Remember that before you buy me.
~日本語訳~
「私の生涯は10年から15年くらいです。だから、ほんのひとときでもあなたと離れていることは寂しいんです。私を飼う前にどうかこのことを忘れないでください。」
~解説~
犬の寿命は人間よりも短く、彼らは飼い主と共に過ごす時間を何よりも大切にします。一度家族として迎え入れたら、その短い生涯を終えるまで、決して途中で放棄せず、愛情を持って世話をし続けましょう。
十戒の2文目「少しだけ待っててね」
~英語原文~
Give me time to understand what you want of me.
~日本語訳~
「あなたが私に望んでいることを理解できるまで、少しだけ時間をください。」
~解説~
犬は新しい環境や指示、ルールに慣れるまで時間がかかります。人間同士であれば言葉で簡単に伝わることも、犬にとっては飼い主のジェスチャーや声のトーン、表情などから意図を読み取らなければなりません。犬のペースに合わせて根気強く繰り返し教え、辛抱強く待ってあげることが大切です。
十戒の3文目「信頼してほしいんだ」
~英語原文~
Place your trust in me – it’s crucial to my well-being.
~日本語訳~
「私を信頼してください。それだけで私はとても幸せな気持ちになります。」
~解説~
犬にとって、飼い主からの信頼はとても重要です。飼い主が犬を信じ、愛情を持って接することで、犬は安心感を得て精神的に安定するのです。逆に、飼い主が一貫性のない態度を取ったり、理不尽に叱ったりすると、犬は何を信じてよいか分からなくなり、不安から問題行動を起こすこともあります。
十戒の4文目「あまり怒りすぎないで」
~英語原文~
Don’t be angry at me for long and don’t lock me up as punishment. You have your work, your entertainment and your friends. I have only you.
~日本語訳~
「いつまでも怒ったり、閉じ込めたりしないでください。あなたにはお仕事や楽しいことがあるし友だちもいるけれど、私にはあなただけです。」
~解説~
犬がいたずらをしたとしても、必要以上に罰することはやめるべきです。怒ったり閉じ込めたりするのではなく、大事なのは適切なしつけ。犬にとっては飼い主が世界のすべてなので、その唯一の存在から拒絶されることは、犬にとって計り知れない苦痛なのです。
十戒の5文目「話を聞かせてよ」
~英語原文~
Talk to me sometimes. Even if I don’t understand your words, I understand you by your voice speaking to me.
~日本語訳~
「私に話しかけてください。言葉の意味は理解できないかもしれないけど、あなたのその声で私はちゃんと分かりますよ。」
~解説~
犬は人間の言葉の意味を完全に理解しているわけではありませんが、飼い主の声のトーンや表情、雰囲気から感情を敏感に察知します。たとえ内容が分からなくても、自分に注意が向けられていると感じ、安心するでしょう。積極的にコミュニケーションをとることで、犬との絆が深まります。
十戒の6文目「気をつけて接してね」
~英語原文~
Be aware how you treat me I’ll never forget it.
~日本語訳~
「あなたが私にどう接しているか、私は決して忘れたりはしませんよ。」
~解説~
犬に対して人間がどのように接したか、その一つ一つの行動を犬は覚えています。これは特に、叩かれたり蹴られたりといったネガティブな経験についていえることです。愛情を持って優しく接すれば、犬は深い信頼を寄せますが、もし乱暴に扱えば、その記憶は恐怖心として残り続け、関係の修復が困難になることもあります。
十戒の7文目「叩いたらぜったいにダメ」
~英語原文~
Remember before you hit me that I have teeth that could easily crush the bones of your hand but that I choose not to bite you.
~日本語訳~
「私を叩く前に思い出してください。私にははあなたの手の骨を簡単に噛み砕く牙があるけど、あえてそうしないだけっていうことを・・・。」
~解説~
犬には人間を噛み砕ける力がありますが、大好きな飼い主を傷つけることはありません。それほどまでに飼い主を信頼している犬に対し、人間が暴力で応えることは絶対にあってはなりません。体罰はしつけとして何の効果もなく、ただ犬に恐怖と苦痛を与え、築き上げてきた信頼関係を根底から覆す行為です。
十戒の8文目「理由を考えてみてほしいな」
~英語原文~
Before you scold me for being uncooperative, obstinate or lazy. Ask yourself if something might be bothering me. Perhaps I’m not getting the right food, or I’ve been out in the sun too long or my heart is getting old and weak.
~日本語訳~
「私を「言うことを聞かない」「頑固」「怠け者」と叱る前に、何か原因がないかあなたも考えてみてください。適切な食事じゃないかも、日光を浴びすぎてるかも、心臓が老化で弱っているかもしれません。」
~解説~
犬の問題行動の裏には、体調不良やストレスなど、何らかの理由が隠れているかもしれません。犬を叱る前に、何が原因なのかを考えてほしい、という訴えです。犬が抱えている問題の根本原因を探り、環境を改善したり、健康状態を確認したりできるのは飼い主だけです。
十戒の9文目「年をとってもお世話してね」
~英語原文~
Take care of me when I get old ; you, too, will grow old.
~日本語訳~
「私が年をとってもお世話してください。あなたも同じように年老いていくものだから。」
~解説~
犬も人間と同じように年をとり、若いころのように走り回れなくなったり、病気になったり、介護が必要になったりします。飼い主自身もいつかは老いることを心に留め、愛犬が老いた姿になっても、変わらぬ愛情を注ぎ、尊厳を持って接してあげましょう。犬が老いていく過程も含めて、その一生涯に責任を持つのが飼い主の務めなのです。
十戒の10文目「最期のときもそばにいて」
~英語原文~
Go with me on difficult journeys. Never say, “I can’t bear to watch it .” or ” Let it happen in my absence.” Everything is easier for me if you are there. Remember I love you.
~日本語訳~
「最期の旅立ちまで私と一緒にいてください。「見ていられない」とか「居たたまれない」なんて言わないで。あなたがそばにいると楽になるのです。どうか忘れないで、愛していることを。」
~解説~
犬にとって最期の旅路は、最も心細く、つらい時間です。そんな時に、大好きな飼い主がそばにいてくれるだけで、犬は大きな安らぎを得られます。死から目を背けるのではなく、これまでの感謝を込めて、優しく声をかけ、撫でながら、安らかに旅立てるよう見送ってあげることが、飼い主としてできる最後の愛情表現です。
『裏』犬の十戒とは│犬のほうが強い?
「犬の十戒」には、感動的な内容をユーモラスにアレンジした「裏・犬の十戒」と呼ばれるパロディ版が存在します。これは、本来の犬からの切ない願いとは正反対に、飼い主よりも犬が強い立場であるかのような、わがままで尊大な態度をとる内容になっています。
【犬の10戒『裏』バージョン】
- 強い私と気長につきあってください。
- 私のほうが強いと信じてください、それだけで私は幸せです。
- 私にも心があることと私のほうが強いことを忘れないでください。
- 言うことを聞かないときは、私のほうが強いという理由があります。
- 私にたくさん話しかけてください。人の言葉は話せないけど、私のほうが強いことはわかっています。
- 私をたたかないで。本気になったら、私のほうが強いことを忘れないでください。
- 私が年をとっても、私のほうが強い。
- あなたには学校もあるし友だちもいます。でも私のほうが強い。
- 私は10年くらいしか生きられません。だけど、私のほうが強い。
- 私が死ぬとき、お願いです。そして、どうか覚えていてください。私のほうが、ずっと強かったことを。
「裏・犬の十戒」では、本来の十戒のフレーズをもじりながら、別のニュアンスをもつ文章が展開されます。これは、飼い主が愛犬のあらゆる要求を受け入れてしまう「犬のいいなり」の状態を愛情たっぷりに皮肉ったものです。多くの飼い主が、愛犬の可愛さのあまりつい許してしまう日常の「あるある」として、くすりと笑える内容となっています。
犬の十戒と虹の橋はどう違うの?
「犬の十戒」と並んで、ペットを愛する人々の間でよく知られている物語に「虹の橋」があります。この二つは混同されることもありますが、その目的や内容は異なります。
「犬の十戒」は、これから犬を飼う人や現在飼っている人に向けて、犬の一生に寄り添うための心構えを説く、いわば「飼い主としての約束事」です。
一方で、「虹の橋」は、亡くなったペットが天国の手前にある架空の橋で飼い主を待ち、再会の日を夢見ながら過ごすという物語です。1959年にエドナ・クライン=リーキーというスコットランドの女性が、愛犬メイジャーのために書いた詩から広まりました。
虹の橋ではペットたちは病気や老化から解放され、自由に走り回れると描かれています。この物語は、愛するペットを失った飼い主の深い悲しみやペットロスを癒し、希望や慰めを与えてくれます。
これから犬を迎える方・老犬とお別れする方へ
これから新しく犬を家族に迎えようと考えている場合、「犬の十戒」は一度目を通しておくべき指針になるでしょう。一つの命を預かるということは、その生涯すべてに責任を持つということです。
この詩に込められた犬からの願いを知ることで、犬を飼うことの本当の意味を理解し、生涯にわたるパートナーとして迎えるための心構えを固めることができます。
また、これから愛犬がシニア期を迎え、お別れが近づいている飼い主にとって、「犬の十戒」は改めて愛犬への想いを深めるきっかけとなります。
特に9番目と10番目の願いは、老犬と暮らす日々の心構えを示しています。犬の十戒を気に留めておくことで、老化による自然な変化を受け入れ、いずれ訪れる最期のお別れに向けて心の準備ができるでしょう。
まとめ│犬の十戒は飼い主にとって最も大事な約束
「犬の十戒」は、作者不詳ながらも世界中の愛犬家の心に響く、犬の視点から飼い主への10のお願いを綴った詩でした。この詩は、犬との信頼関係の構築、日々のコミュニケーション、そして老いや別れのときまで、犬と人間がより良い関係を築くための普遍的な指針となります。
また、「裏・犬の十戒」のようなユーモラスなパロディ版も、さまざまな角度から犬との生活を見つめ直す機会を与えてくれます。犬を迎える前にも、共に生活する中でも、この十戒を心に留めておくことで、愛犬との絆はより深いものになるでしょう。
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