犬を飼う費用はいくらくらいかかる?年間費用と支出項目を解説
普段の生活に癒しがほしい、子供に動物と暮らす体験をさせたいと、犬を飼うことを検討している方もいらっしゃるでしょう。そこで多くの方が気になるのが「犬を飼うのに一体いくら費用がかかるのだろう?」という点ではないでしょうか?
そこで今回は、犬を飼う際の費用として以下の点についてみていきます。
- 犬を飼うときの初期費用は?
- 犬の飼育で年間にかかる費用は?
- 何にどのくらいの費用が発生するのか?
犬を飼う前にどのくらいお金がかかるのか把握しておきたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
犬の生涯でかかる費用について
初めに、犬の生涯でかかる費用についてお伝えします。一般社団法人ペットフード協会が行った「令和2年 全国犬猫飼育実態調査」によると、1カ月あたりの犬に関する支出額の平均は、1万3,175円となっています。犬の平均寿命は14.48歳なので、平均寿命まで生きたとすると約200万円かかる計算です。
これはあくまでも平均金額なので、大型犬であればドッグフードを食べる量が多いことなどから費用がかさみますし、定期的にトリミングの必要な犬種の場合は、さらにトリミング代もかかります。
犬を迎え入れるときの初期費用はどのくらい?
次に、犬を迎え入れるときの初期費用について解説します。犬を飼い始めたときにかかる費用の項目は下記の通りです。
- 犬の購入費用
- 予防接種・ワクチン接種代
- 畜犬登録代
- 健康診断の費用
- ペット用品代
これらは犬を飼う際に最低限必要な出費です。それでは、それぞれどのくらいの費用がかかるのかお伝えします。
犬の購入費用
ペットショップで販売されている犬種ごとの主な相場価格は下記の通りです。
■小型犬
- チワワ・・・18万円~
- トイプードル・・・24万円~
- パピヨン・・・14万円~
- 豆柴・・・30万円~
■中型~大型犬
- 柴犬・・・12万円~
- ゴールデンレトリーバー・・・16万円~
- シベリアンハスキー・・・26万円~
このように、犬の購入費用は犬種によって価格が大きく変わります。また、ドッグショーで受賞歴のある親から生まれた血統の良い犬は、価格が高く設定されます。なお、ブリーダーから直接犬を購入すると、中間業者を挟むペットショップよりも安く購入できる傾向にあります。
予防接種・ワクチン接種・畜犬登録
犬に必要な注射代、畜犬登録などの費用は下記の通りです。
- 狂犬病の予防接種代・証明書交付料・・・3,500円程度
- 混合ワクチン接種代・・・(2種混合)3,000~5,000円(7種以上)7,000円~10,000円
- 畜犬登録代・・・3,000円程度
犬を飼う際は、狂犬病の予防接種を受けることが法律で義務付けられています。接種が完了すると接種済証明書が発行され、市区町村が管轄する機関に証明書を提出すると、畜犬登録を行えます。畜犬登録は飼い主の義務ですので必ず行いましょう。
混合ワクチンの接種は任意ですが、感染症への免疫を付けられるので接種しておくことをおすすめします。
健康診断
犬の健康状態を調べるために、飼った後すぐに健康診断を受けておきましょう。健康診断の内容と費用は下記の通りです。
- 便検査・・・700円~900円
- 血液検査・・・5,000円程度
- 尿検査・・・3,000円程度
- エックス線検査・・・4,000円程度
- 心電図検査・・・2,500円程度
これらの項目にはオプションのものも含まれているので、必ずしもすべて必要な検査ではありません。また、動物病院によって費用にバラツキがあるので、1つの参考にしてください。
ペット用品
わんちゃんが快適に過ごすために必要なペット用品と費用の内訳は下記の通りです。
- 首輪・・・1,000円
- リード・・・1,000円
- クレート・・・3,000円
- トイレトレー・・・2,000円
- ケージ・・・3,000円
- エサ箱・水入れ・・・2,000円
- ブラシ・・・1,000円
- おもちゃ・・・3,000円
※上記費用はあくまで平均額です
大型犬の場合、サイズが大きくなる分価格が高めに設定されているため、平均額を上回るケースもあります。
犬を飼う際にかかる費用は年間いくら?
続いて、犬を飼う際に1年間でかかる費用について解説します。犬を飼う際の主な支出項目は下記の通りです。
- ドッグフード・おやつ代
- 医療費
- シャンプー・トリミング代
- 消耗品費
- ペットホテル代
それではそれぞれ詳しくお伝えします。
ドッグフード・おやつ
ドッグフードとおやつの年間の目安金額は下記の通りです。
■ドッグフード
- 小型犬・・・36,000円
- 中型犬・・・54,000円
- 大型犬・・・72,000円
■おやつ
- 小型犬・・・12,000円
- 中型犬・・・18,000円
- 大型犬・・・24,000円
このように、体が大きいほど食事にかかる費用は高くなります。なお、厳選した材料が使われているプレミアムフードや、病気を改善するための療法食になると、2~3倍高い金額になります。
医療費
犬にかかる主な医療費の目安は下記の通りです。
- ノミ・ダニとフィラリア症予防薬・・・(小型犬)12,000円(中型犬)13,500円(大型犬)15,000円程度
- オス犬の去勢手術・・・(小型犬)30,000円~50,000円(大型犬)50,000円~70,000円
- メス犬の避妊手術・・・(小型犬)40,000円~70,000円(大型犬)60,000円~80,000円
ノミ・ダニとフィラリア症予防薬は月1回のものや、3ヶ月に1回のもの、錠剤・おやつタイプ・液体などさまざまな種類があり、料金もそれぞれ異なります。
なお、精巣を取り除く去勢手術や、卵巣と子宮を取り除く避妊手術をしておくと、前立腺肥大や子宮蓄のう症などの病気を予防でき、発情期のストレスがかからないので、最初の発情を迎える生後6ヶ月までに済ませておくのがおすすめです。
ペット保険
犬の医療費は最低限必要なもののほかに、ケガをしたり体調が悪くなったりしたときに急な出費もかかります。ペットには公的な医療保険制度はなく、医療費は全額自己負担となるため、手術をするとなると医療費が高額になります。
こうした医療費の負担を減らすために、手術費や入院費の一部または全額を保証してくれるペット保険に加入しておくと安心です。ペット保険の年間平均額は、小型犬で約47,000円、中型犬で約54,000円、大型犬で約53,000円となっています。
シャンプー・トリミング
犬のシャンプー代に1回で数千円、トイプードルのような定期的なカットが必要な犬種だと、トリミング代に1回で5,000円~10,000円ほどかかります。なお、自宅で犬を洗う場合や、毛が短くトリミングの必要がない犬種であれば、これらの費用はかかりません。
それぞれの店舗によって価格は異なり、シャンプー・カットと合わせて爪切りや耳掃除もセットのコースだと、さらに金額が上乗せされます。
消耗品
犬に使う主な消耗品は下記の通りです。
- トイレシート
- 歯ブラシ・シャンプー
- 犬用おしり拭き
- エチケット袋
- 洋服代
消耗品費の年間の目安金額は、小型犬で18,000円、中型犬で24,000円、大型犬で30,000円となっています。質の良い商品を選んだり、洋服をたくさん買ったりした場合は、さらにかかります。
ペットホテル
出張などで家を空ける機会が多い方は、ペットホテルの利用料金もかかることも頭に入れておきましょう。
わんちゃんをペットホテルに預ける場合は、1泊あたり小型犬で3,000円、中型犬で4,000円、大型犬で5,000円ほどかかります。都心部にあるペットホテルでは、この金額よりも高い価格設定になっており、地方だと少し低く設定されている傾向にあります。
病気がちな子やシニア犬はさらに費用がかかる場合も
何らかの疾患を抱えている子や、アレルギー持ちの子は、健康な個体よりも治療費がかさみます。また、シニア犬になると介護が必要になる場合もあり、おむつなどの消耗品費や治療費がかかり、老犬ホームを利用すれば入居費用もかかります。
このように予想外の出費が発生することもあるので、犬を飼う際はある程度お金に余裕を持って迎え入れましょう。
まとめ
今回は、犬を飼う際にかかる費用についてお伝えしましたが、まとめると以下の通りです。
- 犬の生涯でかかる費用・・・約200万円
- 犬を飼うときの初期費用の内訳・・・犬の購入費用・予防接種とワクチン接種代・畜犬登録代・健康診断の費用・ペット用品代
- 犬を飼う際にかかる年間の費用の内訳・・・ドッグフードやおやつ代・医療費・シャンプーやトリミング代・消耗品費・ペットホテル代
犬を飼ってから発生する費用は小型犬か大型犬かによって異なり、ペットグッズにこだわったり、わんちゃんと一緒に旅行に出かけたりする場合はさらに費用がかかります。
今回、お伝えしたように犬を飼うにはそれなりにお金がかかるので、生活費のほかにペットのために使う資金を捻出できるかどうか、今一度考えてみましょう。