ミニチュアダックスフンドの種類は?種類ごとの違いや毛色のバリエーションについて解説
くりくりとした目と大きく垂れた耳、短い足が魅力的なミニチュアダックスフンド。種類によって毛質が異なり、さまざまな毛色が存在するので、街中で見た目の異なるダックスフンドを何頭か見かけた方も多いでしょう。
そこで今回は、ミニチュアダックスフンドの毛質の違いや、種類別の性格の違い、毛色のバリエーションなどについてご紹介します。それぞれの種類の特徴がわかるので、これからミニチュアダックスフンドを飼おうと思っている方はぜひ最後までご覧ください。
ダックスフンドの種類について
初めに、ダックスフンドの種類について解説します。ダックスフンドは体の大きさで3つの種類に分けられ、ミニチュアダックスフンドは2番目に大きな種類です。カニーンヘンダックスフンドは最も小柄で可愛らしい見た目から、最近人気が出始めています。
それではそれぞれの特徴について詳しくお伝えします。
スタンダードダックスフンド
スタンダードダックスフンドはダックスフンドの原種で、3種類の中で最も大きく、飼育頭数は1番少ない種類です。オスで胸囲が37~47cm以下、メスで35~45cm以下、体重が10kg前後が理想とされています。
ドイツ語で「ダックス=アナグマ」「フンド=犬」という通り、元々は穴を掘って巣穴にいるアナグマを狩るために掛け合わされた犬種で、狭い穴に潜り込みやすいよう胴長短足な体型となっています。
愛情深く人懐っこい性格で、狩猟犬だったことから警戒心の強い一面があります。
ミニチュアダックスフンド
ミニチュアダックスフンドは、日本で1番多く飼われている種類です。オスで胸囲32cm~37cm、メスで30cm~35cm、体重は5kg弱が理想とされています。スタンダードダックスフンドと小柄なテリアやピンシャーを掛け合わせたといわれています。
犬の中で最も胴長で短足な種類で、スタンダードダックスフンドと同様に、愛情深く人懐っこい性格です。
カニーンヘンダックスフンド
カニーンヘンダックスフンドは、3種類の中で最も小さいのが特徴です。ドイツ語で「カニンヘン=おもちゃ」ということからもわかる通り、小柄で可愛らしい見た目から昨今人気となっています。
オスで胸囲27cm~32cm、メスで25cm~30cm以下、体重は3kgほどが理想とされています。ミニチュアダックスフンドよりもさらに小さいため、より狭い穴に潜ることができます。カニーンヘンダックスフンドの性格は、好奇心旺盛で飼い主と遊ぶのが大好きです。
ミニチュアダックスフンドの毛質の違いについて
次に、ミニチュアダックスフンドの毛質の違いについて解説します。ミニチュアダックスフンドは主に3つの毛質に分かれており、毛質の違いによって性格も異なります。
それぞれの見た目や性格の特徴を比べ、どのタイプの子にするか検討してみてください。
スムースヘアード
スムースヘアードは毛が硬く短いのが特徴で、ダックスフンドの特徴である筋肉質な体格がはっきりとわかります。毛並みはツヤツヤとして光沢があり、とてもなめらかな肌触りです。
毛は短くお手入れがしやすいため、水に浸して硬くしぼったタオルで軽く拭くだけで汚れが取れます。ただ抜け毛が多いので、こまめにブラッシングをする必要があります。
スムースヘアードの性格は、狩猟犬として育てられていたスタンダードダックスフンドの特徴が強く出ていて、好奇心旺盛で活発な子が多くみられます。
ロングヘアード
ロングヘアードは、特に耳と胸、尻尾の毛が長く、やわらかな毛質が特徴で、日本では最も飼育頭数の多い種類です。毛質には個体差があり、少しウェーブのかかったものからストレートのさらさらしているものとさまざまです。
毛が長いことから、毛玉やゴミがつきやすく、こまめなチェックが必要になります。また抜け毛も多いので、定期的にブラッシングを行ってください。
性格はミニチュアダックスフンドの中で最も温厚で、甘えん坊な子が多い傾向にあります。
ワイアーへアード
ワイヤーヘアードは、テリア系の犬を掛け合わせているため、シュナウザーのような顔つきが特徴です。毛質は硬くゴワゴワとした肌触りで、眉毛とあご髭が生えています。ロングヘアードと同様にこまめなブラッシングが必要で、あご髭をきれいに整えたいという方は定期的にトリミングをしてもらいましょう。
性格はテリア系統の血を引いていることから、気が強く頑固な子が多くみられます。しつけに苦労することもあるかもしれませんが、飼い主がリーダーシップを取ればきちんということを聞くようになります。
ミニチュアダックスフンドの毛色について
続いて、ミニチュアダックスフンドの毛色について解説します。ミニチュアダックスフンドの毛色は単色や2色のほか、縞模様のブリンドル、ぶちのダップルなど種類が豊富です。また、毛色の種類も多く、組み合わせによって見た目が大きく変わります。
単色の場合
単色ではレッド、イエロー(クリーム)、レディッシュイエローなどがあります。その中で赤茶色のレッドがミニチュアダックスフンドの原色です。原色のレッドは遺伝性疾患が少ないとされ、イエロー系においてはスタンダードから外れるため、生まれつき疾患を抱えている可能性が高くなります。
なお、単色でも耳や背中に部分的に黒っぽい毛が生えている場合もあります。
2色の場合
2色では、ベースがブラックの眉や目元に茶褐色のタンが入るブラックタン、ベースがチョコレートブラウンでタンの入るチョコタンなどがあります。特にロングヘアードのブラックタンが人気で、タンの模様によって値段が設定されています。
ちょうど眉の位置にタンが入ると表情がわかりやすく、困ったときの顔、うれしいときの顔など、表情豊かに見えます。
ブリンドルやダップルなど
単色や2色のほか、縞模様のブリンドル、ぶちのダップルもあります。ブリンドルはベースカラーにレッドやイエローの濃い縞が入っており、ダップルはブラックまたはブラウンがベースで、グレーまたはベージュのまだら模様があるのが特徴です。
また、ワイヤーヘアードには枯れ葉色のデッドリーフ、くすんだブラウンにブラックが混じったワイルドボアといった色もあります。なお、ダップルの掛け合わせによっては珍しい色も出ますが、遺伝子疾患を持っている可能性が高くなります。
主な毛色の特徴
ミニチュアダックスフンドの毛色は個体によってさまざまな種類があります。ここからは主に5つの色の特徴についてお伝えします。
レッド
レッドは一般的なカラーとされ、明るいものから暗いものまで幅広くあり、鮮やかな発色の毛色が良いとされています。
クリーム
淡く優しい印象のカラーで人気の高い種類です。クリーム色といっても、赤みがかっているものから白っぽいイエローまであります。
ブラッククリーム・チョコクリーム
ブラックがメインでクリーム色のタンが入るブラッククリーム、チョコレートブラウンがメインのクリーム色のタンが入るチョコクリームもあります。
ゴールド
イエローが強いブラウンのカラーで、光が当たるとゴールドにキラキラと光って見えます。上品な見た目なため人気なカラーです。
ミニチュアダックスフンドを飼う前に知っておくべきこと
最後に、ミニチュアダックスフンドを飼う前に知っておくべきことについて解説します。
ミニチュアダックスフンドは比較的長寿ですが、かかりやすい病気がいくつかあるので、健康管理に注意しましょう。また、飼うときの注意点についても紹介しますので、予備知識として参考にしてみてください。
平均寿命について
ミニチュアダックスフンドの平均寿命は、13歳~16歳といわれています。小型犬の中では長寿で、20歳くらいまで生きられる子もいます。長生きできるかどうかは生活環境や食生活によって大きく左右されるので、飼い主がきちんと管理してあげましょう。
かかりやすい病気について
ミニチュアダックスフンドがかかりやすい主な病気は下記の通りです。
- 椎間板ヘルニア
- 目の病気
- 甲状腺機能低下症
- てんかん
- 尿石症
- パターン脱毛
ミニチュアダックスフンドのように胴長短足の犬種は腰への負担が大きいため、椎間板ヘルニアになりやすく、進行すると歩行不全や排尿障害が起こります。また、遺伝性の網膜細胞が萎縮する進行性網膜萎縮症や、後天性の白内障など、目の病気にかかりやすくなる傾向にあります。
さらに、甲状腺の機能の低下によってホルモン異常が起こると、寒がりになったり動きが鈍くなったりする症状もみられるでしょう。また、けいれんを繰り返すてんかん、腎臓、膀胱、尿道などに結石ができる病気、左右対称に毛が抜ける病気などにもかかりやすくなります。
ミニチュアダックスフンドを飼うときの注意点
ミニチュアダックスフンドを飼うときの注意点は下記の通りです。
- 腰になるべく負担がかからないようにする
- 無駄吠えをしないようしつけをする
- 食事管理をする
- ブラッシングをこまめにする
- 夏場は熱中症に気をつける
ミニチュアダックスフンドを飼う際は、フローリングには滑り止めのマットを敷くなど、なるべく腰へ負担をかけないように気をつけてください。また、警戒心が強く、インターホンの音に反応しやすいので、ムダ吠えをしないようトレーニングをしておきましょう。
なお、ミニチュアダックスフンドは太りやすい体質のため、カロリーを取りすぎないよう注意してください。散歩での注意点として、短足でアスファルトとの距離が近いため、夏場は気温が低くなる時間帯に散歩に連れていくよう心掛けてださい。
まとめ
今回は、ミニチュアダックスフンドの種類についてお伝えしましたが、まとめると以下のとおりです。
- ダックスフンドはスタンダードダックスフンド、ミニチュアダックスフンド、カニーンヘンダックスフンドの3種類に分かれる
- ミニチュアダックスフンドの毛質はスムースヘアード・ロングヘアード・ワイアーへアードの3種類
- ミニチュアダックスフンドの毛色のバリエーションは、単色や2色、ブリンドル、ダップルの4種類
- ミニチュアダックスフンドを飼うときは、腰への負担や吠え癖、食事の管理に気をつける
ミニチュアダックスフンドは、毛質の違いによって性格がそれぞれ異なります。また、毛色も色々なパターンがあるので、飼うときに注目してみてください。なお、見た目だけで選ぶのではなく、スタンダードから外れる場合は遺伝性の疾患が出る可能性も考慮し、どの子を迎え入れるか検討してみてくださいね。