ミニチュアダックスフンドの特徴や性格は?毛質や性別による性格の違いや飼い方の注意点について
胴長短足という、チャーミングな身体つきが愛らしいミニチュアダックスフンド。特徴的なフォルムと人懐っこい性格から、幅広い年代で絶大な人気を誇る犬種の1つです。
本記事では、そんな大人気犬種・ミニチュアダックスフンドの性格や特徴を解説します。
- ミニチュアダックスフンドの特徴
- 性別で違う?ミニチュアダックスフンドの性格
- ミニチュアダックスフンドを迎え入れる際に注意すること
性格や身体的な特徴を正しく理解するための参考になれば幸いです。ぜひ最後までお読みください。
ミニチュアダックスフンドの基本的情報
ミニチュアダックスフンドは、「ダッケル」や「テッケル」とも呼ばれるドイツ原産の犬種です。基礎となった犬から、ミニチュアダックスフンドとして確立するまでに数百年を要したといわれています。
ミニチュアダックスフンドは、10㎏前後にもなるスタンダードダックスフンドから、改良を重ねられて誕生しました。
ここからは、ミニチュアダックスフンドの歴史やルーツ、外見の特徴などをみていきます。
歴史やルーツ
ミニチュアダックスフンドは、狭い穴に入り込み、アナグマを追い立てる狩猟犬として活躍していた犬です。
ダックスフンドという名前の由来は、ドイツ語でアナグマは「ダックス」、犬は「フント」という意味合いを持つことから名づけられました。
猟犬としての素質はそのままに、従来のダックスフンドでは入ることのできない小さな穴にも入り込めるよう改良された犬種なのです。
外見的の特徴
特徴 | ・胴長短足で筋肉質な体格 ・気が強く、頑固な一面を持つ |
サイズ | ・生後15か月を過ぎた時点で胸囲30~35㎝ |
毛色 | スムースコート・ロングコート ・レッド ・イエロー ・レディッシュイエロー ・ブラックまたはブラウン地にタンマーキング ・ダップル(マール) ・ブリンドル ワイヤーコート ・ワイルドボア ・ドライリーフ ・ウィートン ・ソルト&ペッパー など |
寿命 | 14.9歳 |
胴長短足でも筋肉質な体格であるため、機敏な動きが得意です。カラーバリエーションは豊富で、毛質によって毛色は異なります。平均寿命は14.9歳と、小型犬の中でも比較的長生きな犬種です。
ミニチュアダックスフンドの基本的性格は?
ここまで、ミニチュアダックスフンドの歴史や外見的特徴について解説しました。
では、ミニチュアダックスフンドの基本的な性格はどのようなものなのでしょうか。個体差はあるものの、以下のような性格が挙げられます。
- 甘えん坊
- 好奇心旺盛で活発
- 掘るのが大好き
- 賢くて順応性が高い
順を追って見ていきましょう。
甘えん坊
ミニチュアダックスフンドといえば、人が大好きで甘えん坊です。
室内でも後ろをついて回り、すかさず抱っこをせがむ子も少なくありません。目が合うだけでも、期待を膨らませた様子で近寄ってきます。
ただ、甘えん坊な分、飼い主に対して依存心を持ちやすい犬種です。外出時に寂しさから鳴き続けるといった場合もあるため、甘やかしすぎには注意しましょう。
好奇心旺盛で活発
ミニチュアダックスフンドはとても陽気な犬種です。非常に活発で好奇心が強いため、見知らぬ場所でも臆せずに進んでいきます。そのため、ドッグランのようなほかの犬が多くいる環境でも、楽しく遊びまわれる子が多いでしょう。
ただ一方で、初めて会う相手には興奮しやすく吠えやすい性質も持っています。信頼関係を築いた上で、適切なコントロールができるようにトレーニングすることが大切です。
掘るのが大好き
ミニチュアダックスフンドは、アナグマの狩猟犬として活躍していただけあって穴掘りが大好きです。短い前脚で一心不乱に穴掘りをする姿は、なんともチャーミングに見えるでしょう。
また、室内ではベッドの隅に向かって掘り進めようとすることもあります。
穴掘りは、習性や好奇心で行う場合が大半ですが、爪を痛めるほどしつこく行う場合は別の原因も考えられるため注意しましょう。
賢くて順応性が高い
ミニチュアダックスフンドは、物怖じしない性格から自身が初めて置かれた環境でも比較的早期に順応します。そのため、同種・別種かかわらず多頭飼いにも適している犬種です。
また、賢いだけではなく自我を通したいがために、頑固な一面も持ち合わせている子が少なくありません。何もかも言いなりになることは、双方にとってメリットはありません。何事も好き放題にさせないよう、しつけはしっかりと行うことが大切です。
ミニチュアダックスフンドの毛質ごとの性格の違い
ミニチュアダックスフンドは、毛質によって性格が異なります。
というのも、異なる毛質を作り上げるのに交配させた犬種がそれぞれ違うためです。
ミニチュアダックスフンドの毛質は、以下の3種類です。
- ロングコート
- スムースコート
- ワイヤーコート
ここからは、毛質ごとの性格を詳しく解説していきます。
ロングコートの性格
ミニチュアダックスフンドのなかでもメジャーで親しまれている毛質です。尻尾や耳の飾り毛が美しく、ゴージャスな印象を与えます。
ロングコートを作り出す過程で、柔和な性格を持つスパニエル系とかけ合わされています。
そのため、人懐っこく社交性のある子が多い印象です。
スムースコートの性格
艶やかな短めの被毛が特徴の毛質です。
スムースコートは、スタンダードのダックスフンドを小型化した種で、最も歴史のある被毛とされています。
個体差はあるものの、気の強さや頑固な性格は猟犬ならではです。
家族に対しては愛情深く、良きパートナーとなるでしょう。
ワイヤーコートの性格
硬めでごわつきのあるワイヤーコートは、テリア系の血筋を引き継いだ毛質です。
あごひげや眉上の毛が特徴的で、ダックスフンド発祥の国・ドイツでは最もポピュラーな毛質といわれています。
テリア系の血を引いているため、気の強さや気性の荒さはテリア譲りです。負けん気の強さもあるため、しつけは忍耐強く行いましょう。
ミニチュアダックスフンドの性別による性格の違い
ミニチュアダックスフンドはもともと活発で好奇心旺盛ですが、性別によって多少性格の違いがみられます。
続いては、ミニチュアダックスフンドの性別による違いについて、どのような部分が異なるのか解説していきますので、迎え入れる際の参考にしてください。
オスの性格の傾向
ミニチュアダックスフンドのオスの性格は以下の傾向があります。
- 甘えん坊
- 縄張り意識が強い
- いつまでもやんちゃで子供っぽい
自分の縄張りを示すために、マーキングを行います。
ただ去勢手術後では、縄張り意識が軽減される子も多く、その分性格も穏やかになる子が多いようです。
オスは、いつまでも子供のようにはしゃぐ一面もあるため、アウトドアや外出が好きな方と相性が良いでしょう。
メスの性格の傾向
続いて、ミニチュアダックスフンドのメスの性格は以下の傾向が見られます。
- 自立心がある
- 落ち着いた印象
- 穏やか
ミニチュアダックスフンドは、子犬時期は性別にかかわらず元気いっぱいですが、成犬になるとメスのほうが早く落ち着く子が多いでしょう。ただ、なかにはオスのように縄張り意識が強く、マーキングをする子もいます。
総合的にみて、メスはオスよりも穏やかでおとなしい子が多い印象です。
ミニチュアダックスフンドの飼い方
ここからは、ミニチュアダックスフンドの飼い方についてご紹介します。
食事やトイレ掃除と同じように大切なのが、日ごろのお手入れです。被毛や耳、歯のお手入れを定期的に行うことは、犬の健康を守るための第一歩になります。そのため、迎え入れた直後から少しずつ慣れさせていきましょう。
被毛のお手入れ
ミニチュアダックスフンドの被毛構造は、オーバーコートとアンダーコートからなるダブルコートです。春と秋の年2回訪れる換毛期には、内側にあるふわふわとしたアンダーコートを中心に大量の抜け毛が発生します。この換毛期の脱毛は生理現象であり、健康上の問題はありません。
また、被毛のお手入れは不要な被毛を取り除く以外に、皮膚の血行促進や皮膚トラブルの早期発見にも役立ちます。
愛犬のお手入れとして、毎日ブラッシングを行い、月1回のシャンプーをして清潔な被毛を保ちましょう。
耳のお手入れ
垂れ耳という特徴を持つミニチュアダックスフンドは、耳が蒸れやすく汚れやすい犬種です。1週間に一度は確認を行い、汚れがあればイヤーローションをつけたコットンなどで優しく拭きとりましょう。
ただし、綿棒は使い方によっては汚れを奥に押し込んでしまう恐れがあるため注意が必要です。
以下の症状が見られた場合は、動物病院で治療が必要になる可能性があるため注意してください。
- 耳掃除をしたのに翌日にはもう汚れている
- 耳垢が大量に出ている
- 嫌なにおいがする
- しきりに耳をかく・頭を振る
歯のお手入れ
犬も人間と同じように、歯周病や歯肉炎といった歯の病気にかかります。ですが、ミニチュアダックスフンドに限らず犬は、敏感な口まわりを触られるのは嫌がる傾向にあります。そのため、定期的に歯のお手入れを行っていくにはコツがいります。
歯石の除去は全身麻酔で行うため、身体の負担を考えるとなるべく避けたいものです。
ペット保険大手・アニコム損保の調査では、5歳あたりから歯周病になる犬が急増することが分かっています。5歳になってからのお手入れではなく、子犬のころから歯のお手入れに慣れさせておくのが大切です。
ミニチュアダックスフンドを飼う際の注意点
ミニチュアダックスフンドを迎える上で注意点は以下のとおりです。
- 腰に負担のかからない環境を用意する
- 肥満防止のために毎日散歩をさせる
- 子犬時期にいろいろな人や犬に触れさせる
具体的には、どのようなことに気をつける必要があるのか解説していきます。
腰に負担がかからない環境を用意する
ミニチュアダックスフンドは、椎間板の変性が比較的早期に起きやすく、軟骨異栄養性犬種と呼ばれる犬種の1つです。特に、椎間板ヘルニアになりやすい犬種としても有名であり、突然発症するケースも少なくありません。
対策として、縦抱きや階段の昇り降りはなるべく控え、背中を丸めるような狭い場所で長時間過ごすことがないように環境を整えることがポイントです。
肥満防止のために毎日散歩をさせる
腰への負担を軽減するには、散歩により適正体重を守ることも1つの方法です。
ミニチュアダックスフンドは、肥満になると腹部が下って腰が反った状態になります。そのままの状態で長期間生活すると、腰への負担が大きくなり椎間板ヘルニアを発症する可能性があるのです。
そのため、1歳を過ぎたあたりで一度、動物病院で適正体重を確認することをおすすめします。
子犬時期にいろいろな人や犬に触れさせる
猟犬として作られたミニチュアダックスフンドは、興奮しやすく気が強い犬種です。初めて会う人や犬に対しては、特に吠えやすく興奮しやすいといった特徴を持っています。
子犬の時期からさまざまな場所に連れ出し、人や犬と触れ合う経験をさせてあげるのが大切です。たくさんの刺激を受けることで、何事にも寛容で、誰とでも仲良くなれる犬に成長するでしょう。
まとめ
ここまで、ミニチュアダックスフンドの性格や特徴について解説してきました。
ミニチュアダックスフンドは甘えん坊で明朗、活発な犬種です。
胴長短足な身体は腰に負担がかかりやすいため、適正体重の維持を行いましょう。腰への負担軽減のために、生活環境を整えることも大切です。
ミニチュアダックスフンドの特徴を理解し、家に迎え入れるための参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。