ミニチュアダックスフンドの性格は甘えん坊?毛質・性別でどう違う?特徴や飼育の注意点も紹介
公開日:2023年6月8日
更新日:2025年5月23日

胴長短足という、チャーミングな身体つきが愛らしいミニチュアダックスフンド。特徴的なフォルムと人懐っこい性格から、幅広い年代で絶大な人気を誇る犬種の1つです。
本記事では、そんな大人気犬種・ミニチュアダックスフンドの性格や特徴を解説します。
[目次]
ミニチュアダックスフンドの基本的性格は?
ミニチュアダックスフンドの基本的な性格はどのようなものなのでしょうか。個体差はあるものの、以下のような性格が挙げられます。
- 甘えん坊
- 好奇心旺盛で活発
- 掘るのが大好き
- 賢くて順応性が高い
順を追って見ていきましょう。
甘えん坊
ミニチュアダックスフンドといえば、人が大好きで甘えん坊です。
室内でも後ろをついて回り、すかさず抱っこをせがむ子も少なくありません。目が合うだけでも、期待を膨らませた様子で近寄ってきます。
ただ、甘えん坊な分、飼い主に対して依存心を持ちやすい犬種です。外出時に寂しさから鳴き続けるといった場合もあるため、甘やかしすぎには注意しましょう。
好奇心旺盛で活発
ミニチュアダックスフンドはとても陽気な犬種です。非常に活発で好奇心が強いため、見知らぬ場所でも臆せずに進んでいきます。そのため、ドッグランのようなほかの犬が多くいる環境でも、楽しく遊びまわれる子が多いでしょう。
ただ一方で、初めて会う相手には興奮しやすく吠えやすい性質も持っています。信頼関係を築いた上で、適切なコントロールができるようにトレーニングすることが大切です。
掘るのが大好き
ミニチュアダックスフンドは、アナグマの狩猟犬として活躍していただけあって穴掘りが大好きです。短い前脚で一心不乱に穴掘りをする姿は、なんともチャーミングに見えるでしょう。
また、室内ではベッドの隅に向かって掘り進めようとすることもあります。
穴掘りは、習性や好奇心で行う場合が大半ですが、爪を痛めるほどしつこく行う場合は別の原因も考えられるため注意しましょう。
賢くて順応性が高い
ミニチュアダックスフンドは、物怖じしない性格から自身が初めて置かれた環境でも比較的早期に順応します。そのため、同種・別種かかわらず多頭飼いにも適している犬種です。
また、賢いだけではなく自我を通したいがために、頑固な一面も持ち合わせている子が少なくありません。何もかも言いなりになることは、双方にとってメリットはありません。何事も好き放題にさせないよう、しつけはしっかりと行うことが大切です。
【体験談】ミニチュアダックスフンドを飼うのは大変?飼い主に聞いてみた!

さぶろーちゃん(ミニチュアダックスフンド・9歳)とぱんだちゃん(雑種・15歳)
私の家では猫と一緒に暮らしていますが、猫が危ない所に登っていると「ピーピー」鳴いて知らせてくれたり、歩くときは道を必ず猫に譲っていたりと、親ばかではありますが本当に優しいなぁと感じています。
少し大変なのは、インターホンに反応して吠えることや、外耳炎になりやすいこと、雨の後のお散歩ではお腹が汚れてしまうこと。
それ以外は本当に困ることもなく、短い手足を投げ出して寝ている姿を見るとそんなことも忘れてしまいます。甘えん坊で、眠るときは必ず布団に入ってきて寄り添ってくれるので毎日癒されています。大変さを上回る可愛さが詰まった存在で、心からおすすめできるパートナーです。
ミニチュアダックスフンドの特徴

ミニチュアダックスフンドは、「ダッケル」や「テッケル」とも呼ばれるドイツ原産の犬種です。基礎となった犬から、ミニチュアダックスフンドとして確立するまでに数百年を要したといわれています。
歴史やルーツ
ミニチュアダックスフンドは、狭い穴に入り込み、アナグマを追い立てる狩猟犬として活躍していた犬です。
ダックスフンドという名前の由来は、ドイツ語でアナグマは「ダックス」、犬は「フント」という意味合いを持つことから名づけられました。
10㎏前後にもなるスタンダードダックスフンドから、猟犬としての素質はそのままに小さな穴にも入り込めるよう改良された犬種です。
ミニチュアダックスフンドの基本情報
原産国 | ドイツ |
外見 | 胴長短足で筋肉質 |
体高(肩までの高さ) | 約21〜27cm |
体長(肩からお尻) | 約46〜54cm |
体重 | 約3.5〜5kg |
寿命 | 約14.9歳 |
ダックスフンドの大きさ
ダックスフンドはジャパンケネルクラブ(JKC)の定めた基準により、3種類の大きさに分けられています。
生後15ヶ月時点での胸囲と体重が基準となります。
スタンダードダックスフンド | 胸囲35cm以上、体重9~12kgダックスフンドの原種で、最も大きいサイズです。 |
ミニチュアダックスフンド | 胸囲30~35cm、体重5kg以下日本では最も人気のあるサイズです。 |
カニンヘンダックスフンド | 胸囲30cm以下、体重3.5kg以下ウサギ狩りのために改良され、最も小さいサイズです。 |
豊富な毛色のバリエーション
ダックスフンドの大きな魅力の一つが、豊富なカラーバリエーションです。レッドやイエローといった単色に加え、ブラックタンのようなバイカラーや、最近人気が高まっているダップルと呼ばれる混色もあります。
毛色は全サイズに共通しています。
ロングコート/スムースコート | ・レッド ・イエロー ・レディッシュイエロー ・ブラック&タン ・チョコ&タン ・ダップル(マール) ・ブリンドル |
ワイヤーコート | ・ワイルドボア ・ドライリーフ ・ウィートン ・ソルト&ペッパー |
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ダックスは無駄吠えが多い?やめさせる方法は?
ダックスフンドは、狩猟犬としてアナグマなどを追い詰める際に吠えて知らせていたため、吠えやすい傾向があります。また、賢く自己主張が強い一面も持ち合わせており、要求吠えや警戒吠えといった形で吠えることがあります。
吠える行動を完全にやめさせるのは難しいですが、適切な方法でコントロールすることは可能です。
ダックスの無駄吠えのしつけ方法
効果的な無駄吠えのしつけ方法をいくつかご紹介します。
- 吠えたらすぐに静止させる
→ 吠え始めた瞬間に「ダメ」「静かに」など短い言葉で毅然と𠮟り、吠えるのをやめたらすぐに褒めてあげましょう。 この繰り返しが大切です。 - 要求に応じない
→ 要求吠えの場合は、吠えている間は要求に応じず、静かになったら改めて要求に応えるようにします。 - 慣れさせる
→ 来客時のインターホンや物音など特定の刺激に吠える場合は、それらに少しずつ慣れさせるトレーニングを行います。 特別なことと思わせずに、恐怖心を取り除くことが重要です。
無駄吠えが癖になってしまうと、改善するのには根気が必要となります。
そのため、子犬のうちから「吠えないといいことがある」と覚えさせたり、コマンドで吠えるのをやめさせる練習をしておくことが大切です。
ミニチュアダックスフンドの毛質ごとの性格の違い

ミニチュアダックスフンドは、毛質によって性格が異なります。
というのも、異なる毛質を作り上げるのに交配させた犬種がそれぞれ違うためです。
ミニチュアダックスフンドの毛質は、以下の3種類です。
- ロングコート
- スムースコート
- ワイヤーコート
ここからは、毛質ごとの性格を詳しく解説していきます。
ロングコートの性格

ミニチュアダックスフンドのなかでもメジャーで親しまれている毛質です。尻尾や耳の飾り毛が美しく、ゴージャスな印象を与えます。
ロングコートを作り出す過程で、柔和な性格を持つスパニエル系とかけ合わされています。
そのため、人懐っこく社交性のある子が多い印象です。
スムースコートの性格

艶やかな短めの被毛が特徴の毛質です。
スムースコートは、スタンダードのダックスフンドを小型化した種で、最も歴史のある被毛とされています。
個体差はあるものの、気の強さや頑固な性格は猟犬ならではです。
家族に対しては愛情深く、良きパートナーとなるでしょう。
ワイヤーコートの性格

硬めでごわつきのあるワイヤーコートは、テリア系の血筋を引き継いだ毛質です。
あごひげや眉上の毛が特徴的で、ダックスフンド発祥の国・ドイツでは最もポピュラーな毛質といわれています。
テリア系の血を引いているため、気の強さや気性の荒さはテリア譲りです。負けん気の強さもあるため、しつけは忍耐強く行いましょう。
ミニチュアダックスフンドの性別による性格の違い
ミニチュアダックスフンドに限ったことではありませんが、性別によって多少性格の違いがみられます。
ここでは、ミニチュアダックスフンドの性別による違いについて、どのような部分が異なるのか解説していきます。
オスの性格の傾向
ミニチュアダックスフンドのオスの性格は以下の傾向があります。
- 甘えん坊
- 縄張り意識が強い
- いつまでもやんちゃで子供っぽい
自分の縄張りを示すために、マーキングを行います。
ただ去勢手術後では、縄張り意識が軽減される子も多く、その分性格も穏やかになる子が多いようです。
オスは、いつまでも子供のようにはしゃぐ一面もあるため、アウトドアや外出が好きな方と相性が良いでしょう。
メスの性格の傾向
続いて、ミニチュアダックスフンドのメスの性格は以下の傾向が見られます。
- 自立心がある
- 落ち着いた印象
- 穏やか
ミニチュアダックスフンドは、子犬時期は性別にかかわらず元気いっぱいですが、成犬になるとメスのほうが早く落ち着く子が多いでしょう。ただ、なかにはオスのように縄張り意識が強く、マーキングをする子もいます。
総合的にみて、メスはオスよりも穏やかでおとなしい子が多い印象です。
ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気と予防法
ミニチュアダックスフンドは、特徴的な体型から特定の病気にかかりやすい傾向があります。
注意しておきたい病気としては、椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼、進行性網膜萎縮症などが挙げられます。
椎間板ヘルニア
ミニチュアダックスフンドは、胴が長く他の犬種よりも腰に負担がかかりやすいことから、椎間板ヘルニアを発症しやすいです。
予防には、高いところからの昇り降りや階段、過度な運動を避け、適正体重を維持することが重要です。
また、抱き方にも注意が必要で、特に腰に負担がかかる縦抱きは控えましょう。床を滑りにくくする対策も有効です。
進行性網膜萎縮症(PRA)
進行性網膜萎縮症は遺伝性の目の病気で、徐々に視力が低下し最終的に失明することもあります。
初期症状としては、夜見えにくくなる「夜盲症」として気づくことが多いです。明確な予防法がみつかっていないため、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
外耳炎
垂れ耳のミニチュアダックスフンドは耳道が蒸れやすく、外耳炎になることも少なくありません。
細菌や真菌が繁殖しやすい環境になることが原因で、耳の痒みや赤み、悪臭を伴う耳垢が見られます。
日頃から耳の状態をチェックし、定期的な耳掃除で清潔を保つことが予防につながります。過剰な耳掃除は耳を傷つける可能性があるため優しく拭きとるようにしましょう。
ミニチュアダックスフンドを飼う際の注意点

ミニチュアダックスフンドを迎える上で注意すべき点がいくつかありますが、どのように気を付けるべきか具体的に解説していきます。
腰に負担がかからない環境を用意する
ミニチュアダックスフンドは、骨の成長障害や関節の異常などが起こりやすいといわれる「軟骨異栄養性犬種」とされています。
椎間板ヘルニアの治療費は、投薬やリハビリでは5~10万円程度、MRI検査や手術が必要になれば30~50万円以上かかる場合があります。
腰への負担を減らすためには、日ごろから上下の運動をさせすぎないことや、抱き方にも注意すること、フローリングの床にはマットやカーペットを敷くなど滑りにくい環境を整えることが大切です。
肥満防止のために毎日散歩をさせる
腰への負担を軽減するには、散歩により適正体重を守ることも1つの方法です。
ミニチュアダックスフンドは、肥満になると腹部が下って腰が反った状態になります。そのままの状態で長期間生活すると、腰への負担が大きくなり椎間板ヘルニアを発症する可能性があるのです。
そのため、1歳を過ぎたあたりで一度、動物病院で適正体重を確認することをおすすめします。
子犬時期にいろいろな人や犬に触れさせる
猟犬として作られたミニチュアダックスフンドは、興奮しやすく気が強い犬種です。初めて会う人や犬に対しては、特に吠えやすく興奮しやすいといった特徴を持っています。
子犬の時期からさまざまな場所に連れ出し、人や犬と触れ合う経験をさせてあげるのが大切です。たくさんの刺激を受けることで、何事にも寛容で、誰とでも仲良くなれる犬に成長するでしょう。
ミニチュアダックスフンドの飼い方
ここからは、ミニチュアダックスフンドの飼い方についてご紹介します。
食事やトイレ掃除と同じように大切なのが、日ごろのお手入れです。被毛や耳、歯のお手入れを定期的に行うことは、犬の健康を守るための第一歩になります。そのため、迎え入れた直後から少しずつ慣れさせていきましょう。
被毛のお手入れ

ミニチュアダックスフンドの被毛構造は、オーバーコートとアンダーコートからなるダブルコートです。春と秋の年2回訪れる換毛期には、内側にあるふわふわとしたアンダーコートを中心に大量の抜け毛が発生します。この換毛期の脱毛は生理現象であり、健康上の問題はありません。
また、被毛のお手入れは不要な被毛を取り除く以外に、皮膚の血行促進や皮膚トラブルの早期発見にも役立ちます。
愛犬のお手入れとして、毎日ブラッシングを行い、月1回のシャンプーをして清潔な被毛を保ちましょう。
足裏の毛のケアも忘れずに!
足裏の毛は伸びすぎると、肉球を覆いフローリングなどで滑りやすくなるため、椎間板ヘルニアなどの原因となる可能性があるため注意が必要です。
肉球が滑り止めの役割を果たせるように定期的にカットしましょう。
また、足裏は汚れや雑菌が溜まりやすく、指間炎などの皮膚トラブルの原因にもなるため、清潔に保つためにもケアは大切です。
耳のお手入れ

垂れ耳という特徴を持つミニチュアダックスフンドは、耳が蒸れやすく汚れやすい犬種です。1週間に一度は確認を行い、汚れがあればイヤーローションをつけたコットンなどで優しく拭きとりましょう。
ただし、綿棒は使い方によっては汚れを奥に押し込んでしまう恐れがあるため注意が必要です。
以下の症状が見られた場合は、動物病院で治療が必要になる可能性があるため注意してください。
- 耳掃除をしたのに翌日にはもう汚れている
- 耳垢が大量に出ている
- 嫌なにおいがする
- しきりに耳をかく・頭を振る
歯のお手入れ

犬も人間と同じように、歯周病や歯肉炎といった歯の病気にかかります。ですが、ミニチュアダックスフンドに限らず犬は、敏感な口まわりを触られるのは嫌がる傾向にあります。そのため、定期的に歯のお手入れを行っていくにはコツがいります。
歯石の除去は全身麻酔で行うため、身体の負担を考えるとなるべく避けたいものです。
ペット保険大手・アニコム損保の調査では、5歳あたりから歯周病になる犬が急増することが分かっています。5歳になってからのお手入れではなく、子犬のころから歯のお手入れに慣れさせておくのが大切です。
まとめ

ここまで、ミニチュアダックスフンドの性格や特徴について解説してきました。
ミニチュアダックスフンドは甘えん坊で明朗、活発な犬種です。
胴長短足な身体は腰に負担がかかりやすいため、適正体重の維持を行いましょう。腰への負担軽減のために、生活環境を整えることも大切です。
ミニチュアダックスフンドの特徴を理解し、家に迎え入れるための参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、少額短期保険募集人の資格を保有。
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