子犬のしつけ方とおすすめ時期は?トイレ、おすわり、待てを教える順番も解説

子犬のしつけは飼い主さまとの信頼関係を築くための大切な第一歩であり、楽しい共生生活の基盤となります。
しつけの優先順位としては、アイコンタクトやトイレから始め、その後「おすわり」や「待て」といった基本的な動作を教えるのが効果的です。
この記事では、子犬のしつけを進めるうえで気をつけたいポイントなどについても解説します。
子犬のしつけを始めるおすすめ時期
子犬のしつけは、子犬を迎え入れたその日から始めることが望ましいとされています。
特に、生後2~3ヶ月からの時期は、子犬の学習能力が最も高まるタイミングであり、さまざまなことを吸収しやすい重要な時期です。この時期には、トイレトレーニングや基本的なコマンドを教える基礎を構築するとともに、犬同士や人間との交流を通じて社会性を育むことが大切です。
しつけの開始時期はいつからが良いのか迷う方もいるかもしれませんが、早めに取り組むことで、子犬の行動を良い方向へ導きやすくなり、将来的に飼い主との良い関係を築く基盤となります。また、子犬が成長するにつれて、その成長に応じて新しいトレーニングを徐々に取り入れていくことが効果的です。適切なタイミングを見極めながら、焦らずにしつけを行っていきましょう。
子犬のしつけを始める前の4つの準備
子犬のしつけを始める前には、いくつかの準備を整えることが重要です。4つの準備を行うことで、子犬とのコミュニケーションがスムーズになり、しつけもしやすくなるでしょう。
①名前を覚えてもらう
子犬に名前を覚えてもらうことは、しつけの第一歩となります。呼びかける際には、明るい声で名前を呼び、反応したら褒めてご褒美のおやつを与えると良いでしょう。
②アイコンタクトをする
愛犬とアイコンタクトを取る練習は、信頼関係を築くために非常に大切です。目線を交わすことで愛犬との意思疎通がスムーズになり、しつけの効果も高まります。
具体的には、飼い主が声をかけながらおやつを持ち、愛犬と目が合った瞬間に褒めて、おやつをあげる方法がおすすめです。
③抱っこに慣れさせる
抱っこの練習は、子犬にとって重要なステップです。正しい抱っこの仕方を身につけることで、子犬に安心感を与えることができます。
抱っこをするときは、横からゆっくりと抱きかかえ、犬が驚かないよう配慮しましょう。次に、犬の体が安定するように両腕で優しく支えます。この際、力を入れすぎず、リラックスした状態で行うことが大切です。
④トイレトレーニングのコツ
子犬のトイレトレーニングは、子犬を飼い始めたら早めに取り組むことが大切です。
子犬が目を覚ましたときや食事の後、そして遊んだ後には、決められたトイレの場所へ連れていくことを習慣化しましょう。このプロセスを繰り返すことで、子犬は自然とトイレの場所を覚えていきます。
また、トイレが成功した際にはしっかりと褒めましょう。時間を決めて定期的にトイレに連れていく習慣を作れば、粗相を減らし成功率を上げる効果が期待できます。毎日の繰り返しが、やがて子犬にとって自然な行動となり、トイレトレーニングが確実に進む助けとなるでしょう。
もしも別の場所で排泄してしまっても、声を荒げることなく冷静に片付けることが重要です。怒ってしまうと子犬が恐怖を感じ、トイレトレーニングがうまく進まない原因となります。
【子犬のしつけ】優先して教えたい基本編
子犬をしつける際には、まず基本的なコマンドを教えることが大切です。「おいで」「おすわり」のしつけ方やメリットをご紹介します。
「おいで」のしつけ方・メリット
「おいで」は、犬を飼い主の元に呼び戻すための重要なコマンドです。「おいで」を身につけさせることで、お散歩中や災害時に犬が安全に飼い主のもとへ戻ることができ、トラブルを防ぐ効果があります。
初めて実践する際は、静かで落ち着いた場所を選ぶのがおすすめです。子犬が集中しやすい環境を整えることで、スムーズに練習が進むでしょう。
おやつなどのご褒美を用意したら、少し離れた位置から明るい声で「おいで」と声をかけ呼び戻します。子犬が近づいてきたら、優しく褒めながらご褒美を与えることで、ポジティブな体験を結びつけることができます。このプロセスを繰り返すことで、子犬は「おいで」のコマンドに対する理解が深まります。
しつけをするうえで、子犬が周囲の音や視覚的な刺激に気を取られる場合もあります。しかし慣れてくれば、屋外や刺激の多い環境でも成功率が上がるでしょう。
「おすわり」のしつけ方・メリット
次に教えたい「おすわり」は、信号待ちやドアの前でのマナーを教える際に重宝するしつけの一つです。安全面でも大きなメリットがあるため優先して覚えましょう。
「おすわり」を教えるコツとして、まずおやつを用意し、犬とアイコンタクトをしっかり取ることが重要です。その際、おやつを犬の頭上に静かに持ち上げてみてください。犬が自然とお尻を地面に下ろした瞬間を見逃さず、「おすわり」とコマンドをかけ、すぐに褒めてあげましょう。最初のうちはおやつを使うことで習慣化させ、最終的にはコマンドだけで犬が自発的に座るようになるのを目指してください。
「おすわり」を覚えれば、応用編で紹介する「伏せ」や「待て」もスムーズになります。
【子犬のしつけ】基礎ができたら挑戦したい応用編
「おいで」や「おすわり」ができるようになったら、ほかのコマンドにも挑戦してみましょう。「伏せ」や「待て」などのコマンドを紹介します。
「伏せ」のしつけ方・メリット
「伏せ(ふせ)」は、犬が体を地面につける動作です。興奮のコントロールができ、犬が冷静になるために役立ちます。外出中や家庭内で犬を落ち着かせて行動するための重要なトレーニングの一つです。
伏せの教え方として、まずは犬のおやつを活用するのがおすすめです。具体的な教え方としては、「おすわり」の状態で犬の鼻先におやつを見せ、それをゆっくり下に引き下げてみましょう。犬が体を低くし、お腹を地面につけた瞬間に「伏せ」とコマンドを発し、すぐにおやつを与えてください。この流れを何度か繰り返すことで、「伏せ」という言葉と動作の関連性を理解するようになります。
「待て」のしつけ方・メリット
「待て」は、犬がその場でじっとしていることを覚えるために重要な教え方です。このスキルは日常生活での安全性の確保や、マナーを守るために大切です。
まず、子犬を「おすわり」の状態にさせ、その姿勢を維持させることから始めます。その後、飼い主が少し後退し、子犬がその場で動かない場合に「待て」と声をかけます。この際、数秒間じっとしていることができたら優しく褒めてあげましょう。さらに、徐々に待つ時間を延ばしていくことで、子犬は「待て」の意味を自然と理解するようになります。
「良し」のしつけ方・メリット
「良し」は、犬が特定の行動を終了したことを認識させる解除の合図です。
「待て」の指示を出したあと、行動を再開して良いことを伝えるためにも使います。そのため、「待て」と「良し」は、一緒に教えるのもおすすめです。
「良し」を上手に教えることで、犬は「指示には始まりと終わりがある」ということを理解できるようになります。
「お手」のしつけ方・メリット
「お手」は、犬に前足を上げさせて飼い主の手に乗せるスキルです。この動作は犬との信頼関係を深める大切なコミュニケーション手段であり、しつけの一環としても楽しめます。
「お手」は、おやつを手に持ち、犬を「おすわり」させた状態から始めます。おやつを犬の鼻先に近づけ、その注目を引きます。そして、前足を軽く持ち上げるように促し、タイミングを見計らって「お手」と声をかけます。その際、前足が上がった瞬間にすぐ褒めておやつを与えましょう。
足を触られるのが苦手な犬も多いため、日ごろから「お手」を練習することで、爪切りや動物病院での診察がスムーズになることもメリットです。
子犬と関係が深まってきたら始めたい3つのしつけ
子犬が環境に慣れてきたら、少しずつ次のステップのしつけを始めてみましょう。「ハウストレーニング」「仰向け抱っこ」「体のお手入れ」について紹介します。
①ハウストレーニングは災害時にも役立つ
ハウストレーニングは、犬に自分のハウスやクレートを「安全で快適な場所」と認識させるための大切なしつけです。
このトレーニングは、特に災害時の避難や予測できないストレスの多い状況下で非常に効果的です。犬にとって心地よくリラックスできる空間を提供することで、不安な状況下でも安心感を与えることができます。
まず、子犬が落ち着いて過ごせるよう、ハウスやクレートは常に快適な環境に整えましょう。内側にはお気に入りのおやつやおもちゃを置き、犬が自然とハウスやクレートに興味を持つよう促します。そして、中に自ら入った瞬間にしっかりと褒めてあげることで、その行動を「良いこと」として認識してくれます。このプロセスを繰り返すことで、ハウスやクレートが子犬にとっての安全地帯として認識され、災害時だけでなく日常のストレス軽減にも役立つでしょう。
②仰向け抱っこで信頼関係アップ
仰向け抱っこは、子犬との信頼関係を深めるための効果的な方法です。
この体勢は、犬が急所であるお腹を見せることで弱みをさらけ出すため、飼い主への深い信頼が必要となります。ですから、犬にとって「おなかを見せても大丈夫!」と思ってもらえるよう、練習を重ねていくことが大切です。
練習を始める際は、まず犬がリラックスしている静かな場所を選びましょう。優しく抱え、膝の上で仰向け姿勢にします。ジタバタしたら、両足を持ち仰向けの姿勢を保ちます。最初は短い時間から始め、徐々に慣らしていきましょう。
抵抗せずにリラックスできるようになったら、片手でおなか、足先、耳、口周りなどを優しくなで、触られる感覚に慣れさせていきます。この練習を繰り返すことで、どこを触られても嫌がらない子になり、飼い主との絆も一層強まるでしょう。
③体のお手入れは病気予防にも
体のお手入れは、子犬にとって非常に重要なしつけのひとつです。
犬にとって、定期的なブラッシングや爪切り、耳掃除、歯磨きなどの日常的なケアは、健康を保つ上で欠かせません。病気の予防や早期発見にも役立つため、子犬のうちから少しずつお手入れに慣れさせるようにしましょう。
まずは短い時間から始め、リラックスできるように配慮しながら進めることがポイントです。飼い主が「やらなければならない」と身構える必要はありません。スキンシップの延長として自然にできる範囲で行い、おやつや褒め言葉を用いながら、楽しい時間だと思わせるようにしましょう。
子犬のしつけは社会化トレーニングも大切!
子犬の社会化とは、ほかの犬や人、様々な環境に対して慣れさせるプロセスのことです。これにより、子犬が成長していく中で不安や恐怖を感じることが少なくなります。
生後3週間から4ヶ月ごろまでは、社会性を育むための絶好のタイミングとされています。この期間にさまざまな経験をさせると良いでしょう。例えば、公園に連れていき、他の犬や人と遊ばせることは、対人スキルや犬社会のルールを自然に学ぶ良い方法です。子犬のしつけ教室やパピーパーティーに参加するのもおすすめです。
また、新しい音や風景に触れさせることも非常に大切です。自宅以外での様々な経験を積ませることで、環境に適応する能力が育まれます。
子犬の噛み癖・吠え癖のしつけはどうすればいい?
犬の噛み癖や吠え癖といった問題行動は、子犬のうちから向き合うことで改善できることもあります。
まずは、噛み癖に関しては、遊びの中での加減を教えることが重要です。過剰に噛んでしまった場合は、一時的に遊びを中断し、落ち着いた態度を示すことが効果的です。
吠え癖については、無駄吠えの原因を探り、何がトリガーになっているのかを観察します。そのうえで、静かにさせる訓練を行い、必要な時だけ吠えるよう促します。
どちらの行動も、おやつや褒め言葉を使ってトレーニングをすることで、子犬も正しい行動を覚えやすくなります。しつけの際には、一貫性と忍耐が鍵となりますので、焦らずに取り組む姿勢が大切です。
子犬のしつけを進めるうえで押さえておきたいポイント
子犬のしつけを行う際には、いくつか注意したいポイントがあります。しつけの適切な進め方を理解し、効果的に進めていきましょう。
失敗を叱るのはNG!
子犬が失敗した際に叱ることは逆効果になる可能性があります。特に、まだ学習過程にある子犬は、叱責されることで混乱や恐怖を感じることがあり、その結果、正しい行動を学びにくくなってしまいます。
失敗をすることは、子犬の成長過程において避けられないものです。そのため、叱るのではなく、成功した際にしっかりと褒めることで、ポジティブな経験を子犬に与えることが大切です。
例えば、トイレトレーニングをしている際に失敗してしまった場合には、感情的にならず冷静に片付けましょう。そして成功するためのタイミングを見計らったり、トイレの場所を見直すなどの工夫をすることが重要です。メリハリをつけて、子犬が正しい行動を自然と覚えるようサポートしてあげてください。
しつけの順番は目安程度に考える
しつけの順番を紹介してきましたが、あくまで目安として考えましょう。子犬によって、覚えやすいコマンドや得意なことは異なります。そのため、必ずしも特定の順番を守る必要はありません。
例えば、最初に「おすわり」を教え、その後に「待て」を教えることが一般的ですが、子犬が興味を持ったことから始めるのも良いアプローチです。柔軟な姿勢で進めることで、子犬にとっても楽しい学びの時間になります。
コマンドを統一する
子犬にしつけを行う際には、コマンドの言葉を統一することが非常に重要です。同じ行動を指す異なる言葉を使ってしまうと、子犬が混乱し、求める行動を覚えにくくなる可能性があります。そのため、家族全員で話し合い、使用するコマンドをあらかじめ決めておきましょう。
例えば、「おすわり」「シット」など複数の言葉で指示を出すのではなく、一貫して「おすわり」と統一することで、子犬は混乱することなく指示を理解しやすくなります。
また、使うコマンドはシンプルで覚えやすい短い言葉にすることがおすすめです。統一されたコマンドを繰り返しくり返し使用することで、子犬が反応する速度も早まり、しつけの効率が格段に向上します。
集中できる環境を整える
効果的なしつけを行うためには、集中できる環境が欠かせません。周囲の音や動きが気になると、子犬はその刺激に気を取られてしまいます。静かな場所を選び、しつけの時間を確保することが大切です。
トレーニングの最中には、他のペットや家族がそばにいないようにすることで、子犬の集中力を高めることができます。特定の場所をしつけ専用のエリアにすることも効果的です。
まとめ|子犬のしつけは日々の積み重ね!
子犬のしつけは、地道な努力と継続的なトレーニングが不可欠です。しつけは一度に完了するものではなく、日々の積み重ねによって徐々に成果が見えてきます。
重要なことは、優しさと一貫性をもって子犬と接し、正しい行動を促すことです。毎日短くてもトレーニング時間を設け、楽しみながら学ぶことが、子犬にとっても良い体験となります。信頼関係が深まることで、しつけの効果も高まるでしょう。

愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、少額短期保険募集人の資格を保有。
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