犬がなつく人にはどんな特徴がある?なついているサインやなつかせる方法とは
公開日:2025年5月29日
更新日:2025年5月29日

「あの人、なんであんなに犬に好かれるんだろう?」と思ったことはありませんか?散歩中に知らない犬が近づいてきたり、友達のワンちゃんが初対面の人にすぐ懐いたり…。
実は、犬がなつく人には共通する特徴や行動があるのです。
この記事では、犬がなついているときに見せるサインや、犬に好かれる人の特徴、そして愛犬との距離を縮める方法についてご紹介します。
犬が人になつく理由
犬が特定の人になつくのには理由があり、それは犬の習性や人間との長い歴史、そして個々の関係性に深く関わっています。
犬の習性と歴史
犬が特定の人になつく背景には、その生まれ持った習性と人間との長い歴史が深く関わっています。
犬の祖先であるオオカミは群れで生活し、協力して狩りを行う社会的な動物でした。
この群れの一員としての習性は現代の犬にも受け継がれており、家族を自身の群れと認識し、その中での関係性や序列を重要視します。
そのため、家族の中で安心感を与えてくれる相手やリーダーとして認識した相手に対して、強い信頼と愛着を抱きます。
また、犬と人間の共同生活は非常に古く、約1万年以上前に遡ると言われています。
当時は、現在のペットという扱いよりも狩猟のパートナーや番犬として共に生活していました。人間から食べ物を得たり、安全な場所で過ごしたりする中で、人間への依存心と信頼関係が芽生えました。
このような長い歴史の中で、人間と犬はお互いを必要とし、支え合う関係を築き上げてきました。
人間との関係性
犬が特定の人になつく上で、その人間との関係性は非常に大きな理由となります。
犬は、自分に対して優しく接してくれる人や、安心感を与えてくれる人に懐きやすい傾向があります。
特に飼い主は、日々の世話や愛情を注ぐ存在であるため、犬にとって最もなつきやすい対象といえるでしょう。しかし、飼い主以外の人であっても、犬が好ましいと感じる接し方をする人にはなつくことがあります。
人間が犬の行動や気持ちを理解しようと努め、尊重する姿勢を見せることも、犬がその人になつくかどうかに大きく影響する要因となります。
犬がなつく人の共通点
犬がなつく人にはいくつかの共通点が見られます。どのような点が犬にとって魅力的に映るのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
落ち着いた雰囲気とゆったりした動作
犬に好かれる人の多くは落ち着きがあり、穏やかな雰囲気をまとっています。
声のトーンが優しく、感情の起伏や急な動作も少ないため、犬にとって安心できる存在になりやすいのです。
こうした安定感のある振る舞いは、犬との信頼関係を築くうえでとても大切なポイントです。
距離感を大切にし、犬のペースを尊重する
犬に対して無理に近づいたり、すぐに触ろうとしたりせず、犬のタイミングを待てる人は犬から信頼されやすい傾向があります。
無理に構いすぎることなく、犬との間に適度な距離を保ちながら、犬がリラックスできる空間を尊重する姿勢が大切です。
犬が自分から近づいてくるまで静かに待つことで、「安心できる存在」として認識されるようになります。
接触の際の配慮ができる
犬と接する際には、いきなり頭の上から触るのではなく、まずは手の匂いを嗅がせてあげると、犬に安心感を与えることができます。
犬にとって急な接触や上からの動きは怖いと感じる場合が多いため、丁寧なアプローチができる人が好かれる傾向にあります。
また、大きな音を立てたり、じっと目を見つめたりするような行動は、犬に不安や緊張を与えるため避けるべきです。犬の立場に立った接し方が、信頼関係の第一歩になります。
犬のサインを読み取り、臨機応変に対応する
犬の行動や仕草から、そのときの気持ちを読み取ろうとする姿勢も大切です。
たとえば、リラックスしている様子が見られたときには優しく撫でてあげる、一方で緊張しているようであればそっと距離をとるなど、犬の気持ちに寄り添った対応が求められます。
犬の変化に気づき、柔軟に行動を変えられる人は、犬との信頼をより深めやすいでしょう。
犬がなつきやすいのは男性?女性?
一般的に、犬は女性になつきやすい傾向があるという意見が多いです。
女性の方が男性に比べて体が小さく、犬に威圧感を与えにくいことや、声のトーンが高い傾向にあることが理由として挙げられます。
犬は高い声を好む傾向があるため、女性の話し方が安心感につながりやすいと考えられます。
また、家庭において女性が犬の世話をする時間が長い場合、お世話をしてくれる人になつきやすい犬の習性から、女性になつくということも考えられます。
しかし、これはあくまで一般的な傾向であり、全ての犬に当てはまるわけではありません。
男性でも犬に好かれる人はたくさんいますし、反対に女性でも犬に避けられてしまうこともあります。
大切なのは、性別に関わらず、犬が安心できるような穏やかな態度で接し、犬のペースを尊重することです。
異性だから必ずなつく、同性だからなつかない、ということはなく、個々の犬との関わり方が最も重要と言えるでしょう。
犬がなついている時に見せるサイン
犬が人になつくと様々なサインを見せるようになります。どのような仕草や行動が、なついているサインなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
顔や手足を舐めてくる・甘噛みしてくる
飼い主の顔や手、足を舐めるのは、子犬が母犬に甘える行動の名残であり愛情表現の一つです。
また、優しく甘噛みしてくるのも、信頼している相手への甘えや愛情表現の場合があります。
体をすり寄せてくる・後ろからついてくる
体を擦り付けてきたり、隣に座ったり寝そべったりするのは、「あなたの近くにいたい」「安心する」という気持ちの表れです。
また、後ろからついてくる行動は群れで行動していた名残であり、相手を信頼し共に行動したいという気持ちの表れです。
お腹を見せてくる
急所であるお腹を見せるのは、相手を深く信頼し安心している証拠です。要求がある時だけでなく、ただそばにいたいという時にも見られます。
この仕草が見られたときは、優しく声をかけながらゆっくり撫でたり、そっと隣に座って一緒に過ごしたりするのがおすすめです。
尻尾を振る
代表的な愛情表現ですが、尻尾の振り方(速さ、高さ)や体の他の行動(耳の位置、表情)と合わせて判断することが重要です。
リラックスして楽しそうに振っている場合は、喜びや親愛の気持ちを示しています。
遊びに誘ってくる・物を持ってくる
犬がなついている人に対しては、積極的に遊びに誘う行動を見せることがあります。
おもちゃを持ってきて、「遊ぼう!」と誘ってきたり、体を低くして尻尾を振りながら、遊びたい気持ちをアピールしたりします。
スリッパや靴下など、飼い主の持ち物をくわえて持ってくるのは「これをあげる」「一緒に遊ぼう」というコミュニケーションや愛情表現と考えられます。
犬がなついていると間違えやすい仕草
犬の仕草の中には、一見なついているように見えるかわいい仕草でも、実は別の感情を表している場合があります。
これらの仕草を正しく理解することは、犬の気持ちを誤解しないために重要です。
震える・耳を後ろに伏せる・あくびをする
例えば、体をブルブルと震わせる行動は喜びだけでなく、ストレスや緊張を感じている場合にも見られます。
また、耳を後ろに伏せる仕草も、甘えている時だけでなく、恐怖や不安を感じている可能性もあります。あくびも、眠い時だけでなくストレスを感じている時に見られる仕草の一つです。
これらの行動が見られた際は、その時の状況や犬の他の仕草と合わせて総合的に判断することが大切です。
無理に近づいたりせず、犬が落ち着けるように配慮してあげましょう。
唸ったり吠えながら尻尾を振る
犬が尻尾を振っていても、必ずしも喜んでいるわけではありません。警戒している時や緊張している時にもしっぽを振ることがあります。
特に、吠えながらしっぽを振っている場合は、相手に対して緊張や警戒心を示している可能性が高いです。この場合、尻尾は体の中心よりも低い位置で、小刻みに振られていることが多いです。
また、唸りながらしっぽを振っているのは、それ以上近づくと攻撃する可能性があるという警告のサインかもしれません。
鳴き声としっぽの動き、そして耳の向きや体の姿勢など、他の行動と合わせて犬の気持ちを読み取ることが重要です。
犬になついてもらうために
愛犬にもっと懐いてほしい、あるいはこれから迎える犬になついてほしいと願うのは飼い主として自然な気持ちです。
犬になついてもらうために大切なポイントを見ていきましょう。
犬が安心できる接し方を心がける
犬になついてもらうためには、日頃の接し方が非常に重要です。
まず、犬が安心できる環境を整え、優しく穏やかな声で話しかけるようにしましょう。
日々の散歩や食事の準備など、犬がお世話をしてくれる人に対して良い印象を持つような行動を積み重ねることも有効です。犬が喜ぶこと、例えば優しく撫でてあげたり、一緒に遊んであげたりする時間を積極的に作りましょう。
犬の行動や表情をよく観察し、犬の気持ちを理解しようと努める姿勢も大切です。
飼い主が犬とのコミュニケーションを大切にし、愛情を持って接することで、犬は徐々になついてくれるようになります。
適切な距離感を保つ
犬になついてもらうためには、適切な距離感を保つことが重要です。
特に初対面の犬やまだ慣れていない犬に対しては、いきなり近づいたり触ろうとしたりするのは避けましょう。犬が自分から近づいてくるまで根気強く待つことが大切です。
低い姿勢で優しく声をかけ、犬が安心して自分に近づけるような雰囲気を作り出すと良いでしょう。
知らない人に対して警戒心が強い犬もいるため、無理強いは禁物です。
犬がリラックスしているように見えても、長時間見つめ続けたり過剰に構いすぎたりすると、かえってストレスを与えてしまうこともあります。
犬の様子を見ながら、犬にとって心地よい距離感を保つように心がけましょう。
適切な褒め方・叱り方を徹底する
犬になついてもらうためには、褒め方と叱り方も重要になります。
犬が良い行動をしたときには、すぐに具体的に褒めてあげましょう。ご褒美をあげたり、優しく撫でたり、「良い子だね」と優しく声をかけたりすることで、犬は何をすれば褒められるのかを理解しやすくなります。
叱る際は、感情的に怒鳴ったり叩いたりすることは絶対に避けてください。犬は何故叱られているのか理解できず、飼い主に対する恐怖心や不信感を抱いてしまう可能性があります。
問題のある行動をした場合は、その場ですぐに短い言葉で毅然とした態度で伝え、なぜいけない行動なのかを理解させるように努めましょう。
行動そのものを否定的に捉えるのではなく、望ましい行動に導くように教えることが大切です。
一貫性を持って接することで、犬は飼い主を信頼し、指示を聞くようになります。
なつっこい性格や特徴をもつ子犬を探す
なかにはなつっこい特性や性格をもつといわれる犬種も存在します。
なつっこい子犬を迎えたいと考えている場合は、あらかじめ情報収集し、その特徴をもった犬種に絞って探すのもひとつの手かもしれません。
こちらの記事には人懐っこい犬種やなつっこい犬に育てるコツも紹介していますので、ぜひご覧ください。
犬に嫌われてしまう行動
犬に嫌われてしまう行動は、これまでご紹介してきた「犬になつかれる人の特徴」や「好かれる接し方」と、対になるものです。
急に大きな声を出す、慌ただしい動きで接する、犬のペースを無視して無理に触れようとすることは、犬にとって大きなストレスとなり、警戒心を強めてしまう原因になります。
犬は繊細な動物であり、人間のちょっとした態度の変化にも敏感です。
悪気がなかったとしても、知らず知らずのうちに犬にとって“苦手な人”になってしまうこともあるので注意しましょう。
まとめ
犬に好かれるためには、特別なスキルが必要なわけではありません。
日々の接し方やちょっとした心配りが、犬に安心感と信頼を与える大切なポイントになります。
犬のペースに寄り添い、気持ちをくみ取りながら穏やかに接することで、少しずつ心を開いてくれるはずです。
小さな積み重ねが、やがて大きな信頼関係に繋がっていくでしょう。

愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、少額短期保険募集人の資格を保有。
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