犬の気持ちはしぐさでわかる!行動や表情から読み解く犬の感情サイン
公開日:2025年5月26日
更新日:2025年10月21日

わんちゃんは言葉を話せませんが、表情やしぐさ、体の動きなど、全身を使った「ボディランゲージ」で気持ちを伝えてくれています。
一見「なにを考えてるんだろう?」と思う行動にも、実はしっかりとした意味があるんです。
この記事では、犬の気持ちを読み取るポイントをわかりやすく紹介します。
[目次]
表情でわかる犬の気持ち

犬の表情には、気持ちがそのままあらわれます。まずは、顔にあらわれる代表的なしぐさを見ていきましょう。
①口角があがっている
犬の口角が少し上がっていて、口元が緩んでいるときは、リラックスして満足しているサインです。
穏やかな表情で舌が少し出ているようなら、とても落ち着いていて幸せな気持ちでいる状態。
飼い主に撫でられているときや、日当たりの良い場所でくつろいでいるときなどによくみられます。
ただし、口を大きく開けてハッハッと速い呼吸をしている「パンティング」は、暑いときの体温調節や、ストレス、興奮、緊張のサインである場合もあるので、状況をよくみて判断しましょう。
②歯を見せている
犬が唇を引き上げて歯をみせているときは、怒りや警戒、恐怖を感じているサインです。
鼻にしわを寄せていれば「これ以上近づかないで」という警告の意味も。
自分の身を守ろうとしたり、大切なおもちゃや食べものを取られまいとしたりするときにみせる行動です。
このサインをみせているときに無理に近づくと、噛みつかれてしまう危険性もあるため注意が必要です。
遊びに夢中になって興奮し、じゃれながら歯をみせることもあるため、唸り声や体のこわばりなど、ほかのサインと合わせて判断することが大切です。
③目が細くなっている、見開いている
目を細めてうっとりした表情をしているときは、リラックスしていたり、うれしい気持ちだったりするサインです。
なでられて気持ち良いときなど、心から安心しているときにこの表情をみせてくれます。
反対に、目を大きく見開いているときは、何かに驚いたり、警戒したりしている証拠です。
特に、白目の部分がみえるほど目を見開いている場合は、強い恐怖や興奮を感じている可能性が高いでしょう。
耳の向きや体の姿勢など、ほかの部分の様子もあわせて観察しましょう。
④じっと見つめてくる
飼い主を穏やかに見つめてくるときは、「大好き」「信頼してるよ」という愛情表現です。
また、「お散歩に行きたいな」「おやつがほしいな」といった、何かを要求しているときにも見つめてくることがあります。
一方で、体をこわばらせて低い姿勢で睨むように見つめてくる場合は、警戒や威嚇の可能性があります。
知らない犬にこのような見つめ方をされた場合は、目をあわせずに静かに距離を取るのが安全です。
行動でわかる犬の気持ち

一見すると不思議に思える行動にも、ちゃんとした意味が込められています。
その意味を理解することで、その時々の感情をより深く知ることができ、コミュニケーションの幅がぐっと広がるはずです。
①体を震わせる、体を小さく丸める
犬が体を震わせている場合、寒さだけでなく、不安や恐怖、緊張を感じている可能性があります。
体を小さく丸める仕草も、不安や恐怖を感じているときにみられます。これは体を小さくみせることで弱さを示し、相手に攻撃されないようにする防御的な行動と考えられます。
震えが長く続く場合やほかに異常があるときは、体の不調も疑い、獣医師に相談しましょう。
②体を伸ばす、お腹を見せる
犬が寝起きにぐーっと体を伸ばすのは、リラックスしている状態です。
一方、地面にごろんと寝転がってお腹をみせるしぐさは、信頼や安心のサインです。
「なでてほしいな」と甘えている場合も多いでしょう。
ただし、叱られている最中にお腹を見せるときは、「もう怒らないで」という気持ちで相手をなだめようとするカーミングシグナルの一つとして行っていると考えられます。
カーミングシグナルってなに?
カーミングシグナルとは、犬が「落ち着こう」「敵意はないよ」と伝えるためのしぐさのことです。
犬はストレスを感じたり、相手との緊張を和らげたりしたいときに、このサインを使って気持ちをあらわします。
たとえば、「あくびをする」「体をブルブル震わせる」「視線をそらす」「体を伸ばす」などが代表的な行動です。
③お尻を高く上げて前足を伏せる
お尻を高く突き出し、前足と上半身を地面に伏せるこのポーズは、「プレイバウ」と呼ばれる遊びに誘っているサインです。
「一緒に遊ぼうよ!」というワクワクした気持ちを全身で表現しており、このとき、尻尾をブンブンと楽しそうに振っていることがほとんど。
犬同士のコミュニケーションでもよく使われるジェスチャーで、相手に対して攻撃するつもりがないことを伝える役割ももっています。
愛犬がこのポーズをしてきたら、おもちゃを投げるなどして、その気持ちに応えてあげるととても喜びます。
④顔や手、足を舐めてくる
犬が飼い主の顔や手、足をぺろぺろと舐めてくるのは、愛情表現の一つと考えられています。
子犬が母犬に甘えたり、ごはんをねだったりするときの名残で、飼い主への親愛や信頼の気持ちを示しているのです。
また、「かまってほしい」「お腹がすいた」など、何かを要求しているときに気を引くために舐めることもあります。
⑤床に顔をこすりつける
犬が床やカーペットに顔をスリスリとこすりつける行動には、いくつかの理由が考えられます。
食後に口の周りに付いた食べかすを拭き取ろうとしていたり、シャンプーの後に自分の匂いを付け直そうとしたりすることがあります。
また、うれしいときや興奮したときに、その高ぶる気持ちを発散させるために顔をこすりつける子もいます。
ただし、この行動を頻繁に行う場合は、アレルギーや皮膚炎、目や耳の病気によるかゆみや違和感が原因となっている可能性もあります。
様子をよく観察することが大切です。
声の出し方でわかる犬の気持ち

犬の鳴き声は、感情を伝えるための大切なコミュニケーションツールです。
そのトーンやテンポによって意味は大きく変わります。詳しくみていきましょう。
①「ワンワン」と吠える
犬の「ワンワン」という吠え声は、状況によってさまざまな意味をもっています。
高い声で何度も吠えているときは、飼い主の帰宅時や散歩前などにみられるように、喜びや興奮をあらわしていることが多いです。
一方、低く太い声で吠える場合は、来客や見知らぬ物音に対する警戒や威嚇のサイン。
「ここは僕の縄張りだぞ」と主張しているのかもしれません。
また、単発で短く「ワン!」と吠えるときは、何かに気付いて注意を促していたり、挨拶をしていたりする場合が考えられます。
②「グルグル」と唸る
犬が低い声で「グルグル…」と唸っているときは、一般的に不快感や怒り、警戒心をあらわしています。
自分のおもちゃやごはんを守ろうとしているときに、これ以上近づくなという警告として唸ることがあります。
おもちゃの引っ張り合いっこなど、遊びに夢中になって興奮しているときに喉を鳴らすように唸ることも。
表情や体の力み具合など、ほかのサインとあわせて判断しましょう。
③「キャン」と鳴く
「キャン!」という短く甲高い鳴き声は、犬が突然の痛みや驚き、恐怖を感じたときに思わず発する声です。
たとえば、遊んでいる最中にしっぽを踏まれてしまったり、ほかの犬に襲われそうになったりすると、「キャン」と鳴くことがあります。
もし、明らかな原因が見当たらないのに愛犬が突然「キャン」と鳴いた場合は、体のどこかに痛みを抱えているサインかもしれません。
注意深く様子をみて、続くようであれば動物病院を受診しましょう。
④「クーン」と鼻を鳴らす
犬が「クーン、クーン」と甘えた声を出すのは、何かを要求しているサインであることが多いです。
「おやつがほしい」「もっと遊んでほしい」「お散歩に行きたい」といった気持ちをアピールしています。
また、飼い主の姿がみえなくなって不安なときや、留守番中に寂しさを感じているときにも、このような鳴き方をすることがあります。
これは、子犬が母犬に甘えるときのコミュニケーションの名残ともいわれています。
尻尾の動きでわかる犬の気持ち

犬の尻尾は「気持ちのアンテナ」ともいわれ、感情によって実にさまざまな動きをみせてくれます。
尻尾を振る速さや幅、高さによって、喜びだけでなく、警戒や緊張、不安など多様な気持ちを表現しています。詳しく見ていきましょう。
①尻尾を高く上げて速く振る
尻尾を高い位置でキープし、お尻ごと左右に振るようにブンブンと速く振っているときは、喜びや興奮が最高潮に達しているサインです。
大好きな飼い主が帰ってきたときや、これから楽しい散歩が始まるとわかったときなどにみられます。
みているこちらまでうれしくなるような、わかりやすい愛情表現の一つです。
②高い位置でゆっくりと振る
尻尾を高い位置に保ったまま、ゆっくりと大きく左右に振っているときは、自信に満ちあふれている状態や、相手に対する優位性を示している可能性があります。
「僕のほうが強いんだぞ」と自分の存在をアピールしているのかもしれません。
また、周囲の状況を注意深く観察し、これからどうするべきか考えているときにも、このような振り方をすることがあります。
③尻尾が下がっている、股の間に巻き込まれている
犬の尻尾が自然な位置からだらんと下がっているのは、リラックスしている状態や、平常心であることを示しています。
しかし、尻尾が股の間に巻き込まれている場合は、恐怖や不安、服従の気持ちのあらわれです。
大きな音に驚いたときや、知らない場所で緊張しているとき、叱られて「ごめんなさい」と思っているときなどにみられます。
自分を小さくみせることで、相手に敵意がないことを伝えようとしているのです。
④尻尾をピンと立てて小刻みに振る
尻尾をアンテナのように垂直にピンと立て、先端を小刻みにブルブルと震わせるように振っているときは、強い警戒心や緊張、威嚇のサインです。
見慣れない人や物音に対して、「あれは何だ?」と注意を集中させ、次の瞬間にどう行動するかを考えている状態。
興味と警戒が入り混じった気持ちで、場合によっては攻撃的になる一歩手前の可能性もあります。
犬は反省する?反省しているときのしぐさは?

いたずらをした後に、上目遣いでこちらをみたり、しょんぼりと耳を下げたりする愛犬の姿をみると、「ちゃんと反省しているんだな」と感じるかもしれません。
しかし犬のこの行動は、人間が思う「反省」とは少し違うと考えられています。
犬は過去の行動を振り返って後悔するのではなく、飼い主の怒った声のトーンや険しい表情を敏感に察知し、「なんだかいつもと違う、怖い雰囲気だ」と感じて、その場を収めようとしているのです。
しょんぼりした態度は、相手を落ち着かせるためのカーミングシグナルの一つといえます。
犬の気持ちを理解するために

ここでは、愛犬の気持ちをより正確に理解するためのポイントを3つ紹介します。
愛犬が送ってくれているメッセージを、より深く、そして正確に受け取ることができるようになるでしょう。
①全体をみて判断する
犬の気持ちを読み取るうえで最も大切なのは、一部分だけでなく全体を観察することです。
目、耳、口元、体の姿勢、尻尾の位置や動き、そして声のトーンまで、全身から発せられるさまざまな情報を総合的にみて判断する癖をつけましょう。
そうすることで、より正確に愛犬の感情を理解できます。
②犬の性格や環境も考慮する
私たち人間と同じように、犬にも一頭一頭に異なる性格があります。
社交的で物怖じしない子もいれば、少し臆病で慎重な子もいます。同じ状況に置かれても、その子の性格によって感情のあらわし方は変わってきます。
また、過去の経験や育ってきた環境も、犬の行動に大きな影響を与えます。
愛犬がどんな性格で、何が好きで何が苦手なのかを普段から理解しておくことが、その子特有の感情表現を読み解く重要な手がかりとなります。
③日常の変化に注目する
愛犬の気持ちの変化や体調不良にいち早く気付くためには、普段の「いつもの様子」をしっかりと把握しておくことが不可欠です。
いつもは食欲旺盛なのにごはんを残す、お散歩が大好きなはずなのに歩きたがらない、いつもと違う場所で粗相をしてしまうなど、日常の中のささいな変化は、何らかのメッセージである可能性があります。
日々の暮らしの中で愛犬の様子をよく観察し、「いつもと違う」という小さな変化を見逃さないことが、愛犬の心と体の健康を守ることにつながります。
まとめ|犬の気持ちを理解して、もっと絆を深めよう
犬は言葉を話せない代わりに、表情や行動、鳴き声といった体全体を使って、一生懸命気持ちを伝えようとしています。
今回紹介したさまざまな感情のサインは、愛犬の心の中をのぞくための大切な手がかりです。
小さなしぐさに込められた「気持ち」がわかるようになると、毎日のコミュニケーションがより楽しく、絆もいっそう深まっていくでしょう。
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