フレンチブルドッグの種類は2つある?毛色・性格・飼い方を解説
筋肉質な身体でコミカルなフォルムが印象的なフレンチブルドッグ。どこか憎めないユーモラスな表情は誰からも愛され、幅広い年代の方に根強い人気を誇る犬種です。
そんな大人気犬種であるフレンチブルドッグには、タイプが2種類あることはご存じでしょうか。
本記事では、フレンチブルドッグの種類や毛色の違いについて解説していきます。
- フレンチブルドッグの種類
- フレンチブルドッグの毛色や模様の種類
- フレンチブルドッグの飼い方や注意点
フレンチブルドッグについて理解するためにも、ぜひ最後までお読みください。
フレンチブルドッグの歴史
フレンチブルドッグは産業革命時代、「フレンチ」の名前にもあるとおりフランスで誕生した犬種です。現在のマスティフやセントバーナードと同じく、古代の軍用犬モロシアをルーツに持つと考えられています。
パリの熱心なブリーダーにより異種交配がなされた結果、小型のブルドッグとしてフレンチブルドッグが誕生しました。
フランスのドッグショーで、初めてフレンチブルドッグが出陳(しゅっちん)されたのは1887年です。
約10年後の1898年に、フランスのケンネルクラブで公認犬種となりました。
フレンチブルドッグの基本情報
フレンチブルドッグの基本情報を表にまとめました。
外見的特徴 | 短い鼻と「コウモリ耳」と呼ばれる立ち耳を持つ筋肉質だが全体的にコンパクトな体型尻尾は生まれつき短く、被毛はなめらか |
体高 | オス:27~35㎝ メス:24~32㎝(上下1㎝以内の逸脱は許容範囲) |
体重 | オス:9~14㎏ メス:8~13㎏(典型的個体は500g重くても許容範囲) |
寿命 | 11.2歳 |
フレンチブルドッグの寿命は、ほかの小型・中型犬種に比べて短い傾向にあります。
そのため、普段から体調管理をしっかり行うことが大切です。
フレンチブルドッグの種類は2タイプ
フレンチブルドッグはフランス原産の犬ですが、フランスに旅行中のアメリカ人がアメリカにフレンチブルドッグを持ち込み、その後アメリカで独自に交配が行われました。
その結果、アメリカタイプ・ヨーロッパタイプという2種類に区別されるようになったのです。
2種類のタイプについて、どの部分が異なるのか表にまとめました。
タイプ | アメリカタイプ | ヨーロッパタイプ |
ボディ | 身体は小さめで、胴が短くずっしりしている | すっきりとしたシャープな体型で筋肉質 |
頭 | 頭は丸く、目は大きめ | 四角い輪郭を持ち、きりっとした顔立ち |
毛色 | 全カラーがいるが、一般的にクリームが多い | 一般的にブリンドルが多い |
当時、フランスにいたフレンチブルドッグはたれ耳でした。
しかしながら、1900年代にアメリカで行われたフレンチブルドッグショーでの結果により、立ち耳のフレンチブルドッグがこの犬種のスタンダードになったといわれています。
毛色に関しては、純粋なヨーロッパタイプにはクリーム系の毛色を持つ個体がいないとされています。そのため、クリームの毛色を持つ子はアメリカタイプの血統が入っているものといわれているのです。
フレンチブルドッグの毛色
フレンチブルドッグの毛色は、主に以下のような種類があります。
- ブリンドル
- フォーン
- パイド
- クリーム系
毛色の組み合わせは個体差が大きく、犬によってさまざまなバリエーションがあります。
続いては、毛色の特徴をそれぞれ詳しく解説していきます。
ブリンドル
基本は黒ベースで、褐色やホワイト系の差し色が入った毛色です。
ヨーロッパタイプのフレンチブルドッグはブリンドルが一般的であり、フレンチブルドッグという犬種において1番オーソドックスなカラーといっていいでしょう。
ブリンドルのなかには、明るい毛色が縦縞模様のように入った「タイガーブリンドル」と呼ばれる種類もあります。
生後間もないころには一見全身黒い毛で覆われていても、月齢が進むにつれて差し色が徐々に出てくることも少なくありません。
フォーン
フォーンとは「小鹿」という意味の言葉であり、茶系色がベースとなっている毛色です。茶系といってもライトブラウンからレッドのような濃い色まで、カラーの濃淡は個体差があります。成犬になっても顔の中心が黒い子もいれば、成長に伴って顔も身体の色に近くなる子も少なくありません。
海外では、日本の伝統芸能である歌舞伎役者のような顔つきに似ていることから「歌舞伎フェイス」とも呼ばれます。
パイド
パイドとは、白地のベースに部分的に色が入った毛色を指します。目のまわりや身体にぶち模様が入る、フレンチブルドッグのなかでも人気色です。
ぶち模様の入り方は個体差が大きく、両目まわりに模様が入ったり、身体全体に牛柄のような模様が入ったりする子もいます。
パイドは、白地にブリンドル系のぶち模様が一般的です。なかには、白地にフォーン系のぶち模様が入る「ハニーパイド」と呼ばれる模様を持つ子もいます。
クリーム系
クリーム系は、アメリカタイプのフレンチブルドッグにみられる毛色です。日本の血統書発行団体であるジャパンケネルクラブは、目や鼻まわりに黒色がない「クリーム」表記のフレンチブルドッグは公式に認めていません。ですが、優しく淡い色味で人気を集めているカラーです。
クリームといってもホワイトに近いカラーの子や、フォーン寄りのクリームの子もいます。
なお、ホワイト一色の子は先天性の難聴のリスクもあるため、繁殖には適しません。
フレンチブルドッグの模様
フレンチブルドッグの毛色は基本的に4色ですが、色の入り方によって模様の呼び方が変わります。
- 片パンチ
- エプロン
- ソックス
- ブラックマスク
模様の特徴や、模様の出やすい毛色をそれぞれ解説します。
片パンチ
一般的に、パイドの毛色にみられるぶち模様です。
片方の目まわりに黒いぶちがあることを「片パンチ」と呼びます。目のまわりから耳にかけて模様がある子など、ぶちのサイズは個体差が大きい部分といえます。顔の半分にきれいなぶち模様がある子ほど人気となる傾向があります。
エプロン
エプロンは一般的にブリンドルやフォーンの毛色にみられる模様です。喉元からおなかにかけて白っぽい差し毛が入っている模様が「エプロン」のようにみえることからこの名前がつきました。
胸全体が白い子や、ほんの一部分が白い子など、差し毛の範囲は個体によって異なります。
ソックス
ソックスとは、足元に白っぽい差し毛が入っている模様です。ブリンドルやフォーン、パイドの毛色でもみられます。「ソックス」があるフレンチブルドッグの爪は、黒ではなく白が多いのも特徴です。ハイソックスの子もいれば、くるぶしソックスほどの長さの子もいます。
ブラックマスク
ブラックマスクは一般的にフォーンの毛色にみられる模様です。
身体全体はフォーン(茶色)で、顔だけが黒い子のことを「ブラックマスク」と呼びます。
鼻まわりだけが黒い子や顔全体が黒い子など、成長によって模様の入り方が変わってくるのもブラックマスクの特徴の1つです。
フレンチブルドッグを飼う際のポイント
続いては、フレンチブルドッグを飼う上でのポイントを以下に分けて解説していきます。
- しつけ
- 体調・体重管理
- 温度管理
鼻が短く、特徴的な体つきのフレンチブルドッグならではの注意ポイントがあります。元気に長生きしてもらうためにも、参考にしてください。
しつけ
フレンチブルドッグは、人懐こく陽気でおおらかな性格の一方で、ブルドッグ特有の頑固な一面も持っています。しつけに関しては叱りすぎず、何度も根気強く教えることが大切です。
普段の遊びを取り入れながらトレーニングすると、比較的スムーズなしつけが可能でしょう。ただ、興奮しやすい性格のため「まて」や「ふせ」などをはじめに教え、コントロールできるようにすると安心です。
体調・体重管理
食欲旺盛なフレンチブルドッグは、フードをあげたらあげた分だけ食べてしまう子が多いため、太りやすい傾向にあります。
1歳を過ぎたら獣医師に適正体重を確認してもらい、体つきや骨格に合った適正体重を維持できるように食事の管理を行いましょう。フードやおやつのあげすぎには注意が必要です。
また、鼻が短く呼吸があがりやすいのもこの犬種の特徴といえます。お散歩に行くときはハーネスなどを活用し、呼吸器にできる限り負担をかけないような工夫をしましょう。
温度管理
フレンチブルドッグは鼻が短い短頭種のため、夏の暑さに弱い犬種です。熱中症の危険を避けるためにも、夏場はエアコンの冷房で室内の温度を適切に保ちましょう。また、温度だけでなく湿度にも気を配ることも大切です。除湿機やエアコンの除湿機能を有効活用しましょう。
さらに、フレンチブルドッグは毛が短い分、冬場の寒さも苦手です。暖房で環境を整え、体調を崩さないように注意が必要です。防寒対策として服を着せるのもいいでしょう。
まとめ
ここまで、フレンチブルドッグの種類や毛色、飼い方について解説してきました。
- フレンチブルドッグの種類は、アメリカタイプとヨーロッパタイプの2種類
- 基本色はブリンドル・パイド・フォーン・クリーム系の4種類
- 片パンチやソックスなど、色の入りによって模様の呼び名も変わる
- 生活環境の整備や健康管理には気を配る
日々の健康管理によって、フレンチブルドッグが元気で過ごせる期間は変わってきます。できるだけ長く共に過ごせるよう、快適な環境づくりや食事管理をしっかりと行っていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。