シェットランドシープドッグ(シェルティ)の毛色は黒が人気?ブルーマールってどんな色?
公開日:2025年6月27日
更新日:2025年6月27日

シェットランドシープドッグ、通称シェルティは、その美しい被毛と賢い性格で人気のある犬種です。
シェルティの毛色はセーブル、トライカラー、ブルーマールなどいくつかの種類があり、それぞれに魅力があります。
ここでは、シェルティのさまざまな毛色について詳しくご紹介します。
シェルティの概要
シェルティは、スコットランドのシェットランド諸島が原産の牧羊犬です。小型のコリーに似ていますが、別の犬種とされています。
賢く、忠実で、活発な性格を持ち、家庭犬としても人気があります。
体の大きさと体重
シェルティの標準体高はオスが37cm、メスが35.5cmと定められています。
体重は一般的に9〜11kg程度で、柴犬と同じくらいの体格です。ボリュームのある被毛に覆われているため、実際よりも大きく見える傾向があります。
犬種が確立されてから100年近く経った現在でも、サイズの安定には個体差がみられるため、繁殖においては体格に関する厳しい規定が存在します。
基本的な性格
シェルティの性格は、明るく活発で、家族に対して非常に忠実です。
賢く物覚えが早いため、トレーニングやアジリティなどのドッグスポーツにも積極的に取り組むことができます。
その一方で、牧羊犬としての警戒心が強く残っており、家族以外の人に対しては慣れるまでに時間がかかる場合があります。
感受性が豊かで繊細な一面もあるため、環境の変化やストレスに敏感な子もいます。無駄吠えをしやすい傾向があるため、子犬の頃からの性格を理解した適切なしつけが重要となります。
シェルティの被毛
シェルティは、その豊かで美しい被毛が特徴の一つです。被毛の質や量は犬種標準でも重要なポイントとされています。
被毛の特徴
シェルティの被毛は、上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)からなるダブルコートです。
密度の高い下毛が体温調節の役割を果たし、長くまっすぐな上毛が外部の刺激から皮膚を保護しています。首まわりから胸にかけての飾り毛は特に豊かで、エレガントな印象を与えます。オスのほうがメスよりも毛量が豊富な傾向があります。
抜け毛について
シェルティはダブルコートのため、一年を通して毛が抜けやすい犬種です。特に春と秋の換毛期には驚くほど多くの毛が抜けます。
抜け毛をそのままにしておくと、毛玉ができたり皮膚の通気性が悪くなったりするため、日ごろからの丁寧なブラッシングが欠かせません。換毛期には、普段よりも頻繁なブラッシングが必要になります。
シェルティの毛色の種類
シェルティにはいくつかの公認された毛色の種類があり、それぞれに特徴的な魅力があります。
JKC(ジャパンケネルクラブ)では、セーブル、トライカラー、ブルーマール、ブラック&ホワイト、ブラック&タンの5種類を公認カラーとしています。
そのほかにもバイブラックやバイブルーといった種類も存在します。ここでは、代表的なシェルティの毛色と種類についてご紹介します。
セーブル
セーブルは、シェルティの毛色の中で最も一般的なカラーパターンです。茶系の色をベースとし、濃淡には個体差があります。ホワイトのマーキングが入ることもあります。セーブルには、黒の遺伝子を持たない「ピュアセーブル」と、成長とともに背中などに黒い差し毛が現れる「ヘテロセーブル」があります。
トライカラー
トライカラーは、ブラック、ホワイト、タン(茶色)の3色で構成されるシェルティの毛色です。ボディの大部分がブラックで、目の上、頬、足などにタンのマーキングが入り、胸や足、顎などにホワイトが入ることが多いです。3色の配分は個体によって異なり、非常に人気のある毛色の一つです。
ブルーマール
ブルーマールは、ブルー(シルバーブルー)、ホワイト、タン(茶色)の3色が組み合わさったシェルティの毛色です。「マール遺伝子」という特殊な遺伝子によって発現し、ブルーの被毛の上にブラックの斑点模様(マーリング)が現れるのが特徴で、その見た目から「大理石模様」と称されることもあります。ブルーマールのシェルティは、その神秘的な美しさから非常に人気があります。マール遺伝子の影響で、瞳の色がブルーになったり、茶色の中にブルーが混ざるオッドアイになる個体もいます。
ブラック&ホワイト
ブラック&ホワイトは、その名のとおりブラックとホワイトの2色で構成される毛色です。タンのマーキングが入らないものを指します。コントラストがはっきりしており、珍しい毛色とされています。
ブラック&タン
ブラック&タンは、ブラックとタンの2色からなる毛色です。トライカラーからホワイトのマーキングがなくなったパターンと考えられています。現在のスタンダードでは胸にホワイトのマーキングが入ることが一般的であり、ブラック&タンのシェルティを見かけることはほとんどありません。
その他の毛色
JKC(ジャパンケネルクラブ)で公認されている毛色以外にも、シェルティには遺伝子の組み合わせによってさまざまな毛色や種類が存在します。
バイブラック
バイブラックは、ブラックとホワイトの2色のみで構成される毛色で、タンの色が入りません。ブラック&ホワイトと呼ばれることもあり、色のコントラストが明確なのが特徴です。成長に伴い、鼻筋や手足に特有の斑模様が現れる個体もいます。比較的珍しい毛色とされています。
バイブルー
バイブルーは、ブルーマールと同じマール遺伝子を持ちますが、タンのマーキングが入らない毛色です。ブルーマール&ホワイトと呼ばれることもあります。茶色い部分がほとんどないブルーマールと見分けるのが難しい場合もあります。バイブルーの個体もブルーの瞳を持つことがあります。希少性が高い毛色とされています。
ブルーマールについて知っておきたいこと
人気の高いブルーマールですが、この毛色にかかわる遺伝子には注意すべき点があります。
マール遺伝子の影響
ブルーマールという毛色は、「マール遺伝子」と呼ばれる遺伝子によって発現します。この遺伝子は色素の生成を抑制する働きがあり、被毛に大理石のような模様を作り出したり、目の色に影響を与え、ブルーの瞳や部分的にブルーが入った瞳(オッドアイ、マールアイ)を出現させたりします。
しかし、マール遺伝子は色素だけでなく、内臓や神経の色素にも影響を及ぼす可能性があり、聴覚や視覚に関する問題を引き起こす場合があります。
マール遺伝子を持つ犬は、メラニン細胞が正常に分布しないことで、目の疾患や耳の疾患にかかりやすい傾向があり、視力が弱かったり、難聴やまったく耳が聞こえない状態で生まれてくるケースも報告されています。
ダブルマールを繁殖しない理由
マール遺伝子を持つ犬同士を交配させることを「ダブルマール」といいます。ダブルマールで生まれてくる子犬は、両親からマール遺伝子を2つ受け継ぐことになり、高確率で重篤な先天的な障害を持って生まれることがわかっています。
また、体の色が白っぽくなる傾向もみられます。このような理由から、ダブルマールの交配は動物愛護の観点から行われるべきではなく、多くのブリーダーの間ではタブーとされています。
子犬の健康と幸せのために、マール遺伝子に関する正しい知識を持ち、無責任な交配を行わないことが重要です。
シェルティの飼い方
シェルティを家族として迎える際には、その特性を理解した飼い方が大切です。
賢く忠実な犬種ですが、牧羊犬としての本能や豊富な被毛に対するケアが必要になります。
しつけのポイント
シェルティは賢く、飼い主に忠実なため、比較的しつけやすい犬種とされています。
しつけは家に迎え入れたその日から始めるのが理想的で、特に生後3週から12週齢の社会化期はさまざまなことを吸収しやすい重要な時期です。
牧羊犬のルーツから動くものに反応しやすく、吠えやすい傾向があるため、無駄吠えや追いかける行動に対するしつけをしっかりと行うことがポイントです。信頼関係を築き、一貫性のある態度で接することがしつけを成功させる鍵となります。
暑さへの対策
シェルティはダブルコートの豊富な被毛を持つため、暑さに弱い犬種です。
特に日本の湿度の高い夏場は熱中症にかかりやすいため、十分な暑さ対策が必要です。室内ではエアコンを活用し、室温を快適に保ち、湿度が高くなりすぎないよう除湿も行うようにしましょう。
散歩は気温の低い早朝や夜間に行い、日中の暑い時間は避ける必要があります。
散歩中も水分補給をこまめに行い、クールベストやネッククーラーなどの冷却グッズを利用するのも効果的です。
屋外で飼育する場合は、日陰を用意し、常に新鮮な水が飲めるようにしておくことが重要です。
まとめ│多彩な毛色と美しさを持つシェルティ!
シェルティは、その美しい毛色や気品ある見た目だけでなく、賢く忠実な性格でも多くの人を魅了する犬種です。特にブルーマールの独特な被毛は目を引く存在ですが、どの毛色でも日々のケアや暑さ対策は欠かせません。
丁寧に向き合うことで、シェルティは生涯にわたり心強いパートナーになってくれるでしょう。
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