パグの性格と特徴とは?飼いやすさ・しつけのコツを解説

パグは、独特なかわいさが魅力の犬種です。その短い鼻と愛らしい顔立ちは、思わず抱きしめたくなるような不思議な力があります。豊かな表情とクリクリとした目で見つめられると、ついつい心を奪われてしまう人も多いのではないでしょうか。
魅力だけにとらわれて、性格や特徴を理解せずに飼い始めてしまうと、実際に生活を共にしたときのギャップに驚くかもしれません。子犬それぞれの個性によって接し方は変わるかもしれませんが、犬種としての基本的な性質を知っておくと、楽しく暮らせるでしょう。
この記事では、パグのお迎えを検討中の方に向けて、特徴や性格を始め、飼い方や費用目安を解説します。
【目次】
- パグの特徴とは
- パグの性格
- パグの飼い方
- パグの気を付けたい病気
- パグの値段相場
- パグの歴史やルーツ
- まとめ
パグの特徴とは
パグは、小型犬に分類されますが、短い脚と筋肉質な体型が特徴です。
一方で丸みを帯びた体型でもあるため、どこか可愛らしさを持ち合わせた容姿が、多くの飼い主さんに愛されている理由でしょう。
大きさ | ・体高:20cm前後 ・体重:5.4kg以下 |
毛色 | ・アプリコット(ブラウン系) ・グレー(シルバー) ・ホワイト(白) ・フォーン(薄いベージュ系) ・ブラック(黒) |
性格 | ・マイペース ・独立心が強い ・甘えん坊 ・頑固 |
価格 | 20万~50万円 |
寿命 | 12~15歳 |
原産国 | 中国 |
パグの一番の特徴は顔。深いシワがあり、垂れ耳が愛らしく、全体的に独特の外観を作り出しています。一見怖そうな見た目ですが、短い脚でてくてくと歩いて寄ってくる姿とのギャップに可愛さが溢れています。
体格と大きさ
パグは短頭種に属していて、顔が平たくコンパクトな見た目が印象的です。
小さめな体に引き締まった筋肉があるので、小型ながら頼もしさを感じます。成犬になると、オスメスで異なりますが体高がだいたい20〜35cmくらい、体重も6〜9kgくらいまで育つことがあります。
しかし、実は体の作りが丈夫とは言えない部分もあります。特に短頭種ならではの弱いところもあるので、運動量や生活習慣に気を配ったほうが良いでしょう。
パグの毛色と種類
パグの毛色を魅力的に感じる飼い主さんはとても多いです。フォーンやアプリコットのような明るい色もあれば、シルバーのような落ち着いた色、ブラックのような深みのある毛色まで豊かな色合いを持っています。
毛色ごとに独特の雰囲気があるため、毛色がパグの愛らしさを一層引き立ててくれます。
色の違いで「うちの子らしさ」が出るところも、パグが愛されるポイントです。犬種は同じでも、毛色ごとに独特の個性を持っているように感じられ、愛着を持つ飼い主さんが多いんです。
ただし、実際のところは8割近くがフォーン、残りがブラック、稀にホワイトの子が存在する比率です。アプリコットやシルバーはペットショップやブリーダーでもお目にかかれない毛色となります。
【似てる?】パグとフレンチブルドッグの違い
パグと似ている犬種に、フレンチブルドッグ(フレブル)が良く挙げられます。犬種に詳しくなければ、見分けるのは難しいかもしれません。実際、どちらも小型で筋肉質な体型をしているため似ているところもあります。
しかし詳しく見ていくと、耳の形や体つきのバランスに明確な違いがあります。
パグ | フレンチブルドッグ | |
---|---|---|
耳 | 垂れ耳 (前方に耳が垂れている) | 立ち耳 (ピンと立っている) |
体格 | 筋肉質だが 丸みを帯びた体型 | より筋肉質でがっしり 体重も重くなる傾向 |
しっぽ | 高い位置にあり、巻き尻尾 (スクリューテイル) | 低い位置にあり、短い 形は個々の犬によって様々 |
歯 | 鋭い歯が少なく短い | 鋭い歯を多く持っている |
よく見るとパグもフレンチブルドッグも特徴的な要素を持っているため、どちらにも可愛らしさが感じられます。
パグは垂れ耳で丸みを帯びた体型が可愛らしく、フレブルは立ち耳と筋肉質な体型が凛々しくかっこいい犬種です。
パグはどんな性格?初めてでも飼いやすい?
パグの性格は、とても愛情深くて陽気、そして人懐っこいところがあります。
飼い主との触れ合いやコミュニケーションを心から楽しみ、一緒に遊ぶ時間を大切にしてくれます。
信頼関係を丁寧に築けば、飼い主さんにたくさん甘えてくれるようになるでしょう。
人懐っこいがゆえに、パグは寂しがり屋な気質もあります。長い間一緒にいられない日が続くと、少し不満が溜まってしまうこともあるかもしれません。静かに待てる犬種ですが、できるだけ一緒に過ごす時間を確保してあげたい犬種と言えるでしょう。お散歩や遊びの時間をしっかり確保してあげたり、家にいるときはスキンシップを忘れないようにすると、喜んでくれるでしょう。
気性は全般的に穏やかですが、パグにはちょっと頑固な一面も見られます。手を抜いたしつけをすると、意外と自己主張する場面があるかもしれません。
でも、優しい声かけや褒める接し方を心がけると、やる気を出してくれる子も多いようです。焦らずじっくり向き合えば、問題行動があっても徐々に落ち着いてくるでしょう。
こうしたパグの性質や気質から考えると、時間をかけて接してあげられれば、初心者でも迎えやすい犬種と言えるでしょう。
パグの飼い方。しつけや世話のコツは?
パグに限った話ではありませんが、わんちゃんを飼うときは、しつけや日々のお世話が大切になってきます。
パグは賢い犬種として知られていますが、ちょっと頑固なところが出てくることもあると、手を焼くかもしれません。
そのため、飼い主さんには少し根気よく向き合う姿勢が求められます。
子犬の頃から家庭内のルールを少しずつ教えていけば、時折見せる頑固さも減り、家族の一員として愛される存在になるでしょう。
ただし、しつけに一生懸命すぎると、パグも飼い主もストレスが溜まります。パグの頑固さや寂しがりやの一面も含めて、愛してあげましょう。
子犬時期のしつけ方法
パグは賢い犬種なので、子犬のころから少しずつしつけを行っていくのが理想です。
子犬は集中力がまだ短いため、長時間のトレーニングは避けて、少しずつ繰り返し教えることで、自然と覚えるようになっていきます。
また、急にわがままな行動をとるかもしれませんが、それも成長の一部と考えて、焦らず優しくしつけをしていくのが大切ですよね。
この時期は新しいお家や環境に慣れていく最初のステップで、社会性を身につけるための貴重な時間でもあります。
ルールや約束事だけでなく、他のわんちゃんや人と触れ合う機会を意識的に作ってあげることで、パグも社会性を持った立派な性格に育つでしょう。
子犬の時期は歯がむずがゆくて何でも噛みたくなる傾向にありますが、成長過程のため仕方ない面もあります。おもちゃを与えるなどして、かゆみを和らげてあげると、後々変な癖がつかずに成長してくれます。
日々の小さな積み重ねが、パグと飼い主の関係性を深めてくれます。焦らずじっくりと向き合ってあげましょう。
パグの日常的な世話のコツ
他の犬種と同様、基本的なお世話の注意点はありますが、パグの場合は特に、食事の管理に注意が必要です。
パグは太りやすい犬種とされ、きちんと食事の量を管理してあげないと、肥満体型になる可能性があります。
食べ過ぎないよう、毎日の食事量や、おやつの頻度に気をつけましょう。
パグは特徴でも開設したように、筋肉質で運動好きです。外に出るのも好きな子が多いため、日々の運動もきちんと取り入れてあげると、ストレスを溜めることなく暮らせるでしょう。
パグの特徴である”しわ”は、専用のケアが必要
独特な顔のしわや垂れ耳、短い鼻がとても可愛らしいです。しかしそのかわいい見た目が理由で、ちょっと特別なお世話が必要になります。
ブラッシングや耳掃除も大切ですが、パグの一番の特徴の”しわ”の間に汚れや皮脂が溜まりやすいです。最低でも週に1度はお手入れをして、清潔に保つようにしましょう。
湿らせたコットンやペット用のウェットシートで、しわの部分を優しく拭き取ってあげてください。もし、しわの間に湿疹や炎症などが見られる、においが気になる場合、すぐ獣医師に相談しましょう。
パグの特徴は、特別なケアが必要な部分になります。ケアを怠ると病気の原因を作り出してしまう可能性があります。スキンシップやコミュニケーションだと思って、定期的に行いましょう。
適切な環境づくりと室温管理
居住環境はペットにとって本当に大切です。特にパグは、鼻が短く短頭種に分類されます。暑いのも寒いのも苦手になるため、過酷な環境では運動をさせず、温度管理をした室内環境を整えるように心がけてください。
お留守番のときは、水がしっかり飲めるようにしておくことや、できるだけ落ち着ける場所を用意してあげると安心して過ごせるでしょう。
小さなことに思えるかもしれませんが、パグが快適に過ごせる環境作りや室温管理も飼い主の役目です。パグがどのような犬種なのかをきちんと理解して飼いましょう。
パグの注意すべき病気
パグには、体の特徴からくる健康の心配ごともいくつかあります。
特に、短い鼻が特徴のパグは、呼吸器系の問題を多く抱える傾向にあります。
気道が狭めな子が多いので、暑い日やたくさん動き回ったときに、息が上がってしまったり、ブーブーと鼻を鳴らしている様子があれば、獣医師に相談するようにしましょう。
顔にあるシワが蒸れたり、摩擦を起こすことで、皮膚炎を引き起こす可能性もあります。お手入れを少し怠ってしまうと、その隙間に汚れや皮脂が溜まり、皮膚が赤くなったりすることもあるようです。
週に1度の頻度でふき取って清潔にしてあげれば、しわが原因の皮膚の病気は防げるでしょう。
病気は早期発見が重要です。獣医師に定期的に診てもらい、健康状態を確認してもらうことを心がけましょう。
パグの平均寿命は?
パグの平均寿命は、おおよそ12歳から15歳と言われています。犬としては平均的な寿命と言えるでしょう。
歳をとるほどに、関節が弱くなったり、心臓の働きがゆるやかになったり、加齢に伴う体の変化が起こります。
このような体の変化は、日常生活に影響を及ぼしやすいため、日頃からパグの様子に気を配り、いつもと様子が違うようなら、獣医師に相談することをおすすめします。
定期的に動物病院で健康チェックを受けておけば、何かあっても早期発見に繋がりますし、いつまでも元気でいてくれるでしょう。
パグの値段は?相場について解説
パグの値段相場は、20〜50万円が一般的です。血統書や人気の毛色を持つ子だと高くなる傾向にあり、だいぶ個体差がある犬種と言えるでしょう。
黒毛のパグは数が少ないわりに人気が高いため、希少性と人気度で値段が高くなります。販売されているパグの8割近くがフォーン(薄いベージュ)なので、毛色にこだわらなければ、フォーンがおすすめです。そのほかの毛色は極端に数が少ないため、相場は決まっていません。
また、パグはメスの方が数万円ほど高い傾向にあります。個体差はありますが、メスの方が小さく、育てやすいためとされます。室内で飼える小型犬種ならではの理由かもしれません。
パグ誕生の歴史とルーツ
パグの歴史やルーツは諸説あり、ミステリアスな部分も残されています。
一説によりますと、パグの祖先は紀元前2000年頃の古代アジア、チベットの僧院で大切に飼われていたと言われています。もともとはもっと大きな犬だったそうですが、僧侶たちに愛され、他の小型犬種との交配を経て、私たちが知るこの愛らしい姿になったそうです。
その後、仏教と共に中国へ渡り、宮廷では魔除けの力を持つ犬として大切にされました。紀元前600年頃の美術品や文献には、すでにおなじみのパグらしい姿が見られます。特徴的な顔のしわが漢字の「皇」に見えることから、「皇(おう)の印」と呼ばれ、大変な寵愛を受けていたということです。
長い間、いわば中国の宝とされてきたパグが、ヨーロッパへ渡ったのは17世紀頃のことでした。オランダ東インド会社によってオランダにもたらされると、王室や貴族の間で大変な人気者になりました。特にオランダ王室では、絵画に描かれたり、王家の墓標に刻まれたりと、特別な存在として長く愛されました。
やがて、スペインとの戦争などを経てヨーロッパ各地へ、そしてイギリスにもその存在が伝わります。イギリスでは、当時の人気犬種と肩を並べるほどの人気となりました。さらにフランスでは、かの有名なナポレオン妃ジョセフィーヌの愛犬として、彼女の危機を救ったというドラマチックな逸話も残っています。
19世紀にはアメリカ大陸へ渡り、そして20世紀に日本にもやってきました。国ごとに様々な名前で呼ばれることもありますが、そのユーモラスで愛らしい魅力は万国共通です。このように長い歴史の旅を経て、パグは今も家庭犬として、また様々なキャラクターとしても、私たちのそばで変わらぬ人気を集めています。
パグは家族を癒すマスコット的な存在に
パグはその愛らしい性格や表情で、家族に癒しをもたらしてくれる存在です。陽気でコミュニケーションが好きな一方で、頑固さも見せることがあり、根気よく向き合う必要があるかもしれません。
ケアや健康管理も独特なところがあり、特にしわのケアや呼吸への配慮は十分配慮が必要です。
これからパグを迎えようと思っている方には、そうした特徴やケアの重要性を理解しておくと、楽しく一緒に暮らすための心構えができると思います。
パグの魅力を感じつつ、じっくりと向き合うことが、パグのいる豊かな生活に繋がるでしょう。

愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、少額短期保険募集人の資格を保有。
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