犬の夜泣きを止める方法|原因別に解説【子犬・老犬の認知症】
公開日:2026年3月17日
更新日:2026年3月17日

犬の夜泣きが治らない問題は、飼い主にとって深刻な悩みです。夜泣きが続くと、飼い主自身の寝不足や近所迷惑も心配になるでしょう。この記事では、犬が夜泣きをするさまざまな原因を突き止め、止める方法や具体的な対策を詳しく解説します。
[目次]
犬も夜泣きをする?
犬の夜泣きとは、主に飼い主が寝静まった夜中に、犬が突然、または急に鳴き出す行動を指します。犬がいきなり夜泣きをするようになった、急に長い時間止まらなくなった、最近になって回数が増えた、などさまざまな悩みがあるでしょう。
鳴き方にも違いがあり、「ワンワン」と力強く吠える場合や、不安そうに「クーン」と鼻を鳴らす、寂しげな遠吠えをするなど、いくつかのパターンがみられます。場合によっては、震えをともなうこともあり、何らかの不快感や不安を訴えているサインだと考えられます。
夜泣きは、子犬や成犬、老犬といったライフステージによって原因が異なるため、それぞれの年齢で考えられる原因を解説します。
【子犬・成犬向け】犬が夜泣きする5つの主な原因

ここでは、子犬や成犬によくみられる、夜泣きの主な原因を5つに分けて解説します。まずは、愛犬の様子をよく観察し、何が夜泣きの原因となっているのかを慎重に見極めることが大切です。
原因1:トイレや空腹などの生理的な要求
犬が夜泣きをする最も分かりやすい原因の一つが、生理的な要求です。具体的には、トイレに行きたい、お腹が空いた、喉が渇いたといった生理欲求を飼い主に訴えているケースです。
特にお迎えしたばかりの子犬は、成犬に比べて排泄の間隔が短く、一度に食べられる量も少ないため、夜中に空腹や便意を催しやすくなります。また、外でしかトイレをしない習慣の犬は、夜中に排泄したくなると鳴いて知らせることがあります。
原因2:飼い主に構ってほしいなどの甘え
犬の夜泣きでは、「もっと構ってほしい」「一緒にいたい」といった飼い主への甘えや要求が原因になることも少なくありません。特に日中のコミュニケーションが不足している場合、犬は人間の赤ちゃんのように寂しさや退屈を感じ、飼い主の気を引くために鳴くことがあります。
ここで鳴き声にすぐ応じてしまうと、「鳴けば飼い主が来てくれる」と学習し、要求吠えが習慣化してしまう可能性があるため、しつけの観点からは慎重な対応が必要になります。
原因3:環境変化や分離不安などのストレス
ストレスや不安から、犬が夜泣きをすることもあります。犬は環境の変化に敏感な動物で、引っ越しや旅行、家族構成の変化、飼い主の生活リズムの変動などがストレスの原因になりかねません。
また、飼い主と離れることに極度の不安を感じる「分離不安」も原因の一つです。留守番中に問題行動を起こすだけでなく、夜、飼い主と離れて寝ることに不安を感じて鳴き続けることがあります。特に、過去に辛い経験を持つ保護犬は、新しい環境に慣れるまで不安を感じやすい傾向があります。
原因4:日中の活動量や運動時間の不足
犬のエネルギーが有り余っている状態も、夜泣きの原因になりやすいでしょう。日中に十分な運動量がないと、体力が消耗されずに夜になってもなかなか寝付けず、退屈しのぎや興奮から鳴いてしまうことがあります。
特にエネルギー量の多い若犬や猟犬などの活発な犬種では、毎日の散歩の時間や内容が非常に重要です。単に歩くだけでなく、頭を使う遊びやほかの犬との交流などを通じて、心身ともに満たしてあげる必要があります。
原因5:痛みや不快感がある病気や体調不良
犬の体のどこかに痛みや不快感があり、それを訴えるために夜泣きをするケースも考えられます。関節炎や椎間板ヘルニア、歯周病、消化器系の不調など、夜泣きの原因となる病気はさまざまです。
いつもと様子が違う、体を触ると嫌がる、特定の姿勢を避けるなどのサインがみられる場合は、病気の可能性も疑うべきです。夜泣きが続いている場合、その裏に隠れた体調不良を見逃さないよう、注意深く観察し、早めに動物病院を受診することが重要です。
【老犬向け】シニア犬の夜泣きは認知症かも?
高齢になった老犬の夜泣きは、若い犬とは異なる原因が考えられます。シニア犬の夜泣きは、単なるわがままやしつけの問題ではなく、加齢にともなう心身の変化が大きく影響しています。ここでは、老犬にみられる夜泣きの原因を3つに分けて解説します。
原因1:認知機能の低下による昼夜逆転や不安
老犬の夜泣きの原因としてよくあるのが、認知機能の低下です。犬も人間と同様に、加齢によって認知症のような症状があらわれ、体内時計のリズムが乱れて、昼夜逆転の生活になってしまうことがあります。
日中は長く眠っているのに、夜になると目が覚めてもどうすればよいか分からず、不安で鳴き続けるケースもみられます。さらに、飼い主の姿が見えないことで混乱したり、目的もなく部屋を歩き回る「徘徊行動」があらわれることも少なくありません。
原因2:高齢化による身体的な痛みや不快感
老犬の夜泣きが急に増える原因として、痛みや不快感なども考えられます。犬も高齢になると、関節炎や筋力の低下、内臓疾患など、体にさまざまな不調を抱えやすくなります。
特に寝たきりに近い状態の犬は、同じ体勢でいることが苦痛になったり、寝返りがうまく打てなかったりして夜中に目を覚まし、不快感を訴えて鳴くことがあります。
例えば10歳を超えたあたりから、こうした加齢にともなう身体的な問題は顕著になり始めます。また、体温調節機能も低下するため、寒い冬の夜や季節の変わり目に、寒さや暑さといった不快感から鳴いてしまうことも考えられます。
原因3:視力や聴力の衰えによる混乱
犬がシニア期を迎えると、視力や聴力が衰え、不安や恐怖を感じて夜泣きをすることもあります。周囲の状況を正確に把握することが難しくなり、暗闇で物が見えづらかったり、些細な物音に驚きやすくなったりするかもしれません。
例えば、雨や風の音、遠くで鳴るテレビの音などを脅威と感じてしまうのです。夜泣きが「怖い」「助けて」という切実なサインである可能性も留意しておきましょう。
犬の夜泣きを止める!具体的な対処法7選

犬の夜泣きが長く続く場合、飼い主の心身の負担は大きくなってしまいます。原因に応じた適切な対処をすることが、問題解決への近道です。ここでは、夜泣きを改善するために家庭で実践できる具体的な対策を7つ紹介します。
対処法1:飼い主の匂いがするタオルを置く
特に子犬や分離不安傾向のある犬にとって、飼い主の不在は大きなストレスです。飼い主の匂いがついたタオルやTシャツ、毛布などを寝床に置いてあげることで、犬は飼い主の存在を近くに感じ、安心して眠りやすくなります。
この方法は、犬に安心感を与え、寂しさや不安を和らげる手軽で効果的な対策です。ただし、要求に応える形で一緒に寝ることは、犬の自立を妨げる可能性もあるため、状況に応じて慎重に判断しましょう。
対処法2:日中の散歩や遊びの時間を増やす
若い犬や活発な犬種の場合、日中にエネルギーを十分に発散させることは、夜泣き対策の基本です。散歩の時間をこれまでより長くしたり、コースを変更して新しい刺激を与えたりしてみましょう。
また、ボール投げや知育トイなど、頭と体を使う遊びを取り入れることで、犬は心地よい疲労感を得られます。これにより生活リズムが整い、夜に深く眠れるようになるため、運動不足が原因と考えられる場合には特に効果が期待できます。
対処法3:就寝前にトイレや食事を済ませる習慣に
空腹や便意といった生理的な欲求による夜泣きを防ぐためには、就寝前のルーティンを見直すことが有効です。寝る直前にかならずトイレに連れて行き、排泄を済ませる習慣をつけましょう。また、食事の時間を調整し、空腹で夜中に目覚めることがないように配慮します。
まだお迎えしたばかりの子犬の場合は、夜食用に少量のフードを用意しておくのも一つの方法です。決まった時間に食事やトイレを済ませることで、犬は安心して朝まで眠れるようになります。
対処法4:夜泣きをしてもまずは無視して見守る
飼い主に構ってほしいという甘えや要求からくる夜泣きには、毅然とした態度で接することが重要です。ここで声かけをしたり、ケージから出したりすると、「鳴けば要求が通る」と誤学習してしまい、夜泣きがエスカレートする可能性があります。
体調不良などの緊急性がないと判断できる場合は、心を鬼にして無視を徹底しましょう。完全に放置するのではなく、犬が静かになった瞬間に褒めてあげることで、「静かにしていると良いことがある」と学習させることができます。
対処法5:コミュニケーションやスキンシップは十分に
分離不安が原因の夜泣きには、日ごろからのコミュニケーションやスキンシップを通じて、飼い主との間に強い信頼関係を築くことが大切です。ただ一緒にいるだけでなく、マッサージをしたり、優しく話しかけたりと、質の高いふれあいの時間を持ちましょう。
また、短い時間から一人で過ごす「留守番トレーニング」を始め、「飼い主はかならず帰ってくる」という安心感を与えることで、徐々に一人でいることへの不安を和らげていきます。
対処法6:老犬の場合は生活リズムを整える
認知症など、加齢が原因で夜泣きをする老犬には、生活リズムを整える介護が重要になります。日中はできるだけカーテンを開けて日光を浴びさせ、短い散歩や室内での軽い運動、マッサージなどで穏やかな刺激を与え、昼夜逆転を防ぎましょう。
また、寝床を快適な温度に保ち、トイレに行きやすい場所に設置するなど、犬が安心して過ごせる環境を整えることも夜泣きの軽減につながります。
対処法7:安心して休める居場所を教える
犬が安心して休める自分だけのスペースを確保することは、夜泣きの防止に非常に効果的です。クレートやケージを「お仕置きの場所」ではなく、「安全で落ち着ける自分の部屋」だと犬に認識させましょう。このためのトレーニングがクレートトレーニングです。
普段から自由に出入りさせ、中でおやつをあげたり、お気に入りのおもちゃを入れたりすることで、犬は自ら進んでそこで休むようになり、夜も安心して眠ることができます。
犬の夜泣きは近所迷惑?音漏れに役立つ防音対策
犬の夜泣きが激しい場合、マンションやアパートなどの集合住宅だと近所迷惑になるのではないか、という心配や悩みは尽きないでしょう。夜泣きの根本的な対策と並行して、音漏れを防ぐための防音対策などについて解説します。
対策1:ケージやサークルをカバーや布で覆う
手軽に始められる防音対策として、犬が過ごすケージやサークルを厚手の布や毛布、市販の防音カバーで覆う方法があります。これにより、鳴き声が外部に漏れるのをある程度軽減できます。
また、周りが見えなくなることで外部からの刺激が遮断され、犬が落ち着きやすくなるという副次的な効果も期待できます。ただし、完全に密閉すると熱がこもり危険なため、かならず通気性を確保するように注意してください。
対策2:窓に防音カーテンや遮音シートを付ける
犬の鳴き声は、壁よりも窓ガラスを通して外に漏れやすい性質があります。そのため、窓の防音対策は非常に効果的です。
厚手で遮音性の高い防音カーテンに取り替えたり、窓に直接貼り付けるタイプの遮音シートを利用したりすることで、室内の音漏れを大幅に軽減することが可能です。これらの対策は、外からの騒音を遮る効果もあるため、音に敏感な犬を落ち着かせる環境づくりにも役立ちます。
犬の夜泣きでやってはいけないNG行動リスト

愛犬の夜泣きに悩むあまり、良かれと思って取った行動が、かえって問題を悪化させてしまうことがあります。下記の「犬の夜泣き対策でやってはいけないNG行動」について解説します。
1. 大きな声で厳しく叱る
犬が夜泣きをしたときに「うるさい!」と大声で叱ると、犬はますます不安や恐怖、ストレスを感じ、夜泣きが悪化することがあります。恐怖心で一時的に静まることはあっても、飼い主との信頼関係が崩れる原因にもなってしまいます。とくに、認知機能の低下や痛みが原因の場合、叱る行為は逆効果でしょう。
2. 夜中に遊んで刺激する
飼い主が夜中にかまったり遊んだりすると、犬は夜泣きを「遊びのサイン」と誤解して習慣化してしまうことがあります。また、運動直後は交感神経が優位になり、アドレナリンが出ている状態です。体が興奮モードに入ってしまうと、かえって寝付きが悪くなり、夜中の要求鳴きが増える原因になります。
3. 鳴くたびに声をかけて構う
飼い主が夜泣きのたびに「近くに行く」「声を掛ける」「抱っこする」といった対応を繰り返すと、犬が鳴くことで望みが叶うと学習してしまいます。要求を通すためにさらに激しく鳴くようになる「要求吠え」を強化する可能性も否めません。子犬や成犬の夜泣きをやめさせたい場合は、ある程度の無視や放置も必要になります。
4. 照明や音を極端に変える
夜中に明るいライトをつけたり、大きな音を出したりすると、犬の不安が強まり、昼夜逆転のリズムがさらに乱れることがあります。環境の急な変化は避け、一定の暗さと静けさを保つことが大切です。
5. 生活リズムを急激に変える
夜泣きが始まったからといって、急に寝床の場所を大きく変えたり、食事の時間をバラバラにしたりするのは避けましょう。特にシニア犬は環境の変化に敏感です。慣れない環境は強い不安感を引き起こし、夜泣きを助長させる要因になります。
セルフケアで改善しない場合は動物病院へ
この記事で紹介したさまざまな対策を試しても一向に夜泣きが改善しない場合や、体調不良が疑われるサインがみられる場合は、自己判断で様子を見続けるのではなく、早急に動物病院を受診してください。
動物病院を受診すべき危険な症状
夜泣きに加えて、以下のような症状がみられる場合は、何らかの病気が原因である可能性が高まります。
- 食欲が全くない
- 嘔吐や下痢を繰り返す
- 呼吸が速く苦しそう
- 体を触るとキャンと鳴いて痛がる
- ふらついてうまく歩けない
- てんかん発作を起こす など
これらの症状は、緊急を要する場合もあるため、様子を見ずにできるだけ早く動物病院で診察を受けてください。
薬やサプリメントを使った夜泣きの治療法
犬の夜泣きの原因が特定の病気であると診断された場合は、その病気の治療が最優先されます。一方、分離不安や認知症が原因で、生活環境の改善や行動療法だけではコントロールが難しいと判断された場合、精神的な安定をサポートするサプリメントや、症状を緩和するための薬が処方されることもあります。
なお、人間の睡眠薬やサプリを自己判断で犬に与えるのは絶対にやめてください。薬やサプリの使用はかならず獣医師の診断と指導のもとで行う必要があります。
犬の夜泣きに関するよくある質問
ここでは、犬の夜泣きについて飼い主から寄せられることの多い質問と、それに対する回答をまとめました。具体的な悩みを解決するための参考にしてください。
Q1. 子犬の夜泣きはいつまで続く?
子犬の夜泣きは、新しい環境に慣れるまでの数日から2週間程度で落ち着くのが一般的です。ただし、個体差やしつけの方法によって期間は変わります。
寂しさや不安が主な原因であるため、安心して眠れる静かな環境を整え、日中のコミュニケーションを大切にすることが早期の改善につながります。
Q2. 犬の夜泣きを無視するのはかわいそう?
要求吠えによる夜泣きの場合、しつけの一環として無視することは必要な対応です。鳴き声を聞くのは飼い主にとってつらいことですが、ここで要求に応えると夜泣きが習慣化してしまいます。
体調不良などほかの原因がないことを確認した上で、要求には応えない姿勢が重要です。イライラせず冷静に対応することが、夜泣きの改善につながります。
Q3. 飼い主の寝不足を解消できる対策は?
まずはかかりつけの動物病院に相談し、認知症の進行を緩やかにするサプリメントや、精神を安定させる薬の処方を検討することが有効です。飼い主が眠れないほどの夜泣きは、犬の介護疲れにつながります。
生活リズムの改善や環境整備と並行して医療の力を借り、飼い主自身の休息を確保することも大切です。
まとめ│犬の夜泣きは原因ごとの対策が重要!
犬の夜泣きには、子犬期の不安、成犬の要求やストレス、そして老犬の認知症や身体の不調など、ライフステージごとにさまざまな原因が考えられます。大切なのは、まず愛犬の様子をよく観察し、なぜ鳴いているのか原因を冷静に見極めることです。
その上で、本記事で紹介したような環境整備、運動習慣の見直し、適切なしつけといった対処法を根気強く試してみましょう。家庭でのケアで改善がみられない場合や、少しでも体調に異変を感じた際には、迷わずに動物病院を受診しましょう。
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