犬のトイレトレーニングは何日で成功する?失敗の原因や基本のやり方もご紹介
公開日:2025年12月8日
更新日:2025年12月8日

新しく子犬を家族に迎えた際、多くの飼い主が直面するのがペットのトイレのしつけです。
なかなか覚えない、うまくいかないと悩むこともありますが、正しい方法とコツを知れば着実に前進します。
この記事では、トイレトレーニングの基本的なやり方から、失敗する原因とその対策まで、子犬との生活を始めるうえで知っておきたいトイレトレーニングの仕方や、成功のためのヒントを詳しく解説していきます。
[目次]
犬のトイレトレーニング成功までの期間の目安は?
トイレトレーニングが成功するまでの期間は、犬の月齢や性格、それまでの生活環境によって大きく異なるため、一概に「何日で完璧になる」とはいえません。
一般的には数週間から数か月を要することが多いといわれていますが、飲み込みが早い子なら数日で覚えるケースもあれば、半年以上かかる場合もあります。
特に、まだ体の機能が未熟な子犬は失敗するのが当たり前です。
大切なのは、ほかの犬と比較せずにその子のペースにあわせて焦らず取り組むことです。
根気強くつづけることで、少しずつ成功率は向上していきます。
実践!子犬のトイレトレーニングの基本的な進め方

子犬のトイレトレーニングは、段階を踏んで進めるのが成功への近道です。
一連のステップを見ていきましょう。
ステップ1:サークルやケージでトイレの場所を認識させる
まず、犬が安心して過ごせるサークルやケージを用意し、その中に寝床とトイレトレーを設置します。
このとき、寝床とトイレが隣接しすぎないように配置するのがポイントです。
犬は本来、寝床を汚すことを嫌う習性があるため、自然とトイレトレーで排泄するようになります。
特に小型犬は体が小さいため、サークル内のスペース配分に配慮しましょう。
最初はサークル全体にトイレシーツを敷き詰め、排泄した場所をトイレと認識させる方法も有効です。
成功したら徐々にシーツの範囲を狭めていき、最終的にトイレトレーの上だけでできるように促します。
ステップ2:そわそわし始めたら排泄のサイン
トイレトレーニングを成功させるには、犬の排泄のタイミングを飼い主が把握することが非常に重要です。
犬は排泄したくなる時、特有のサインをみせます。
床の匂いをクンクンと嗅ぎ回ったり、同じ場所をクルクルと回転したり、そわそわと落ち着きがなくなったりしたら、それがトイレのサイン。
一般的に子犬が排泄しやすいタイミングは、朝起きた直後、寝起き、食後、水を飲んだ後、遊んだ後などです。
特に食後は胃腸が活発に動くため、排泄につながりやすい傾向にあります。
これらのサインやタイミングを見逃さないようにしましょう。
ステップ3:タイミングを見計らってトイレへ優しく誘導する
犬が排泄のサインをみせたら、抱きかかえるか、リードをつけて優しくトイレの場所まで誘導してください。
この時、犬を慌てさせたり怖がらせたりしないように静かに行動するのが大切です。
トイレトレーの上に乗せたら、「ワンツー、ワンツー」や「シーシー」といった、排泄を促す特定のかけ声(声かけ)をすると効果的です。
この習慣をつづけると、犬はそのかけ声を排泄の合図として覚え、将来的にもスムーズな排泄につながります。
排泄が終わるまでは、静かに見守る姿勢を保ち、途中でやめそうになっても焦らずに待ってあげましょう。
ステップ4:成功体験を積ませて自信をつけさせる
犬がトイレトレーのうえで上手に排泄できたら、すぐに褒めることが何よりも重要です。
「えらいね!」「上手だね!」と、少し大げさなくらい明るい声で褒め、たくさん撫でてあげてください。
こうすることで、犬は「ここで排泄すると褒められる」と学習し、トイレの場所を積極的に覚えてくれます。
この成功体験の積み重ねが、犬の自信につながるのです。
トレーニング初期は、夜、飼い主が寝る前に一度トイレに連れて行って排泄を促すなど、失敗を減らし成功の機会を増やす工夫をすると良いでしょう。
トイレトレーニングに必要な準備と便利グッズ

トイレトレーニングは、子犬を家に迎えたその日から始めるのが理想的です。
スムーズにトレーニングを進めるためには、事前準備が欠かせません。
ここでは、トイレトレーニングを始めるにあたって、いつから準備すればよいか、最低限そろえておきたいグッズの選び方や、おすすめのアイテムを紹介します。
愛犬の体に合ったサイズのトイレトレー
トイレトレーは、犬がその場でくるっと一回転できるくらいのサイズが目安です。
子犬のころは体が小さくても、成犬になったときの大きさを想定して選ぶと、買い替える必要がなく長く使えます。
体が大きい犬種や、排泄前にクルクル回る癖のある子には、ワイドサイズのトレーがおすすめです。
また、トイレシーツを噛んだり破ったりするいたずら好きな子には、メッシュ付きのトレーが有効です。
メッシュがシーツを保護してくれるため、誤飲の防止にもつながります。
犬が怖がらずに使えるよう、縁が低く出入りしやすいデザインを選ぶと良いでしょう。
十分な量のトイレシーツ
トイレシーツは、こまめに取り替えることが基本なので、吸収性や消臭性の高いものを選ぶと衛生的です。
子犬のころは排泄の回数が非常に多いため、薄手で安価なものを頻繁に交換するか、留守番時などすぐに交換できない状況では厚手の高吸収タイプを使うなど、生活スタイルにあわせて使い分けるのがおすすめです。
汚れたシーツを放置すると、犬がその場所をトイレと認識しなくなったり、不衛生になったりする原因にもなります。
常に清潔な状態を保つため、トレーニング中は特に十分な量をストックしておくと安心です。
トイレの場所を明確にするサークルやケージ
サークルやケージは、犬にとって安心できる自分だけの縄張りとなるだけでなく、トイレトレーニングにおいても重要な役割を果たします。
行動範囲を限定することで、犬がトイレの場所を覚えやすくなるのです。
ケージ内にトイレと寝床を設置し、生活空間を区切る使い方が基本です。
最初はケージの中で過ごす時間を長くし、トイレの成功率が上がってきたら、徐々にサークルで囲う範囲を広げたり、部屋の中で過ごす時間を増やしたりしていくと良いでしょう。
犬が混乱しないよう、段階的に行動範囲を広げることがポイントです。
トイレのしつけスプレーは効果的?
トイレのしつけスプレーには、排泄を促す匂いが付いたものと、粗相を防ぐための忌避成分が入ったものの2種類が存在します。
排泄を促すスプレーは、犬がおしっこの匂いがする場所で排泄する習性を利用したもので、トイレシーツに吹きかけて使用します。
ただし、その効果には個体差があり、まったく反応しない犬もいるのが実情です。
あくまでトレーニングの補助的なアイテムとして考え、スプレーだけに頼るのではなく、基本的なトレーニングと並行して試してみるのが良いでしょう。
効果がみられない場合は、無理に使いつづける必要はありません。
なぜ?愛犬がトイレを失敗してしまう主な理由

愛犬がなかなかトイレを覚えない、または一度できたのに失敗するようになってしまった場合、かならず何かしらの理由があります。
ここでは、トイレを失敗してしまう主な理由を紹介します。
トイレの場所が落ち着かない環境になっている
犬は非常に繊細な動物で、落ち着かない場所では安心して排泄できません。
トイレが人の出入りが激しいドアの近くや、テレビなど大きな音がする場所のそばに設置されていると、犬がリラックスできずにトイレを我慢したり、ほかの場所で粗相をしたりする原因になります。
理想的なトイレの場所は、部屋の隅など、静かで落ち着ける空間です。
リビングなど室内に設置する場合は、犬の動線を考え、静かな一角を選んであげましょう。
トイレシーツの汚れを気にしている
犬はきれい好きな動物であり、汚れたトイレで排泄することを嫌う傾向にあります。
一度使用して汚れたトイレシートがそのままになっていると、犬はそこを避け、別のきれいな場所で排泄してしまうことがあるのです。
トイレシートは汚れたらすぐに交換し、トイレトレーも定期的に掃除して清潔に保つことが重要です。
こまめな掃除は、室内の匂いを防ぐうえでも効果的であり、犬が快適に過ごせる環境作りになります。
飼い主の気を引きたくてわざと失敗する
過去にトイレを失敗した際、飼い主が大きな声を出したり大騒ぎしたりした経験があると、犬は「粗相をすると注目してもらえる」と学習してしまうことがあります。
特に、留守番の時間が長い、一人暮らしで構ってもらう時間が少ないなど、犬が寂しさやストレスを感じている場合に、気を引くための行動としてわざと失敗することがあるのです。
この場合、失敗しても騒がず、黙って片付けるのが鉄則です。
そして、普段からコミュニケーションの時間を増やし、犬の心の満足度を高めてあげることで、問題行動の改善が期待できます。
マーキングの習性で粗相をしてしまう
マーキングは、自分の縄張りを主張するための犬の本能的な行動で、主に少量の尿をさまざまな場所にかける行為を指します。
一般的に去勢していない男の子に多くみられますが、女の子でも行うことがあります。
家具や壁に足を上げておしっこをかけるのが特徴です。
これはトイレの失敗というよりは習性によるものなので、なかなか直りません。
根本的な解決策としては去勢・避妊手術が有効な場合が多いといわれています。
また、マーキングされやすい場所は徹底的に消臭し、犬が近づけないように家具の配置を変えるなどの物理的な対策も効果があるでしょう。
排泄のリズムがつかめていない
家に迎えたばかりの子犬は、まだ新しい環境での生活リズムや排泄のリズムが整っていないため、失敗が多くなるのは自然なことです。
膀胱の機能も未発達で、排泄を我慢できる時間も長くありません。
成犬であれば食事の時間が決まっていれば排泄のタイミングも予測しやすいですが、子犬は予測不能なタイミングで排泄することもあります。
飼い主が愛犬の行動をよく観察し、食事や睡眠、遊びの時間を記録して、その子なりの排泄パターンを把握することが大切です。
リズムがわかれば、失敗する前にトイレへ誘導できるようになるでしょう。
トイレトレーニングを成功させるための大切な心構え

犬を家族に迎えてからのトイレトレーニングは、決して簡単な道のりではありません。
時には進まないと感じたり、難しいと思ったりすることもあるはずです。
しかし、成功させるために最も重要なのは、技術よりも飼い主の心構えです。焦らず、比べず、愛犬を信じることが大切です。
成功したら大げさなくらい褒めてあげる
トイレトレーニングにおいて、最も効果的なのは「成功体験」をポジティブな記憶として結びつけることです。
トイレで上手に排泄できたら、間髪入れずに「すごい!」「えらい!」といった言葉で、普段よりも高いトーンの声で思い切り褒めてあげます。
体を撫でたり、優しく抱きしめたりするのも良いでしょう。
犬は飼い主が喜んでいることを敏感に察知し、「ここでトイレをすると良いことがある」と学習します。
ご褒美として特別なおやつを少量与えるのも効果的ですが、おやつに集中しすぎないよう、まずは声と態度で最大限の喜びを伝えることが重要です。
失敗しても叱らずに黙って片付ける
トイレ以外の場所で粗相をしてしまっても、絶対に大声で叱ったり、鼻を押し付けたりしてはいけません。
犬はなぜ叱られているのかを正しく理解できず、「排泄すること自体が悪いことだ」と勘違いしてしまう可能性があります。
その結果、飼い主のみていない隠れた場所で排泄するようになったり、うんちを食べて隠そうとしたりする食糞行動につながる場合もあります。
失敗した時は、何も言わずに黙って片付けるのが正解です。
カーペットやマットに粗相した場合は、匂いが残らないようにペット用の消臭剤を使って徹底的に掃除することが重要です。
愛犬のペースにあわせて根気強くつづける
トイレトレーニングの進捗には個体差があります。すぐに覚える子もいれば、時間がかかる子もいます。
昨日できたことが今日できなくても、焦ったりがっかりしたりする必要はありません。
トレーニングは一進一退を繰り返しながら、少しずつ進んでいくものです。
それぞれの段階で小さな成功を見つけて褒めてあげ、根気強く練習をつづける姿勢が求められます。
飼い主がリラックスして取り組むことで、その安心感が犬にも伝わり、トレーニングがスムーズに進みやすくなります。
【お悩み別】トイレトレーニングがうまくいかない時の解決策

基本的なトレーニングを続けているのに、なかなかうまくいかないという悩みも出てくるでしょう。
ここでは、飼い主が抱えがちなトイレトレーニングの具体的な問題点と、その解決策を紹介します。
トイレシーツを噛んだり破ったりして遊んでしまう
子犬がトイレシーツを噛む、破るといった行動は、好奇心や退屈しのぎ、歯の生え変わりのむずがゆさなどが原因で起こる場合が多いです。
この行動を放置すると、シーツの誤飲につながる危険性があるため早めに対処が必要です。
最も効果的な対策は、メッシュ付きのトイレトレーを使用することです。
メッシュカバーがシーツを物理的に保護するため、犬が直接シーツに触れられなくなります。
また、犬が退屈しないよう、噛んでも良いおもちゃを十分に与え、エネルギーを発散させるための遊びの時間を確保することも重要です。
いつも同じ場所で粗相をしてしまう
もし愛犬がトイレ以外の同じ場所で粗相をしてしまう場合、その場所が犬にとって“排泄しやすい環境”になっている可能性があります。
もし安全面や生活動線に問題がなければ、その場所にトイレを設置してみるのもひとつの方法です。
設置が難しい場所であれば、その場所の匂いをペット用消臭スプレーなどで徹底的に消すことが最優先です。
犬は自分のおしっこの匂いが残っている場所をトイレだと認識しやすいためです。
消臭した後は、その場所に家具を置いたり、犬が入れないようにゲートを設置したりして、物理的に粗相ができない環境を作ります。
また、散歩の時に外でしか排泄しない子の場合は、室内トイレの練習と並行して進める必要があります。
一度覚えたのに急にできなくなった
一度完璧にトイレを覚えていたのに、急に失敗が増えた場合、何らかの原因が隠れている可能性があります。
引越しや家族構成の変化、飼い主の生活サイクルの変更など、環境の変化によるストレスが原因かもしれません。
また、膀胱炎や尿路結石などの病気や、シニア犬の場合は加齢による筋力の低下や認知機能の衰えが関係している場合も考えられます。
まずは体調に異変がないかを確認し、必要であれば動物病院を受診しましょう。
環境の変化に心当たりがある場合は、犬が安心できるよう、よりいっそうの配慮が必要になります。
夜中や留守番中にトイレを失敗してしまう
飼い主が寝ている夜中や、留守番中など、目の届かない時間帯にトイレを失敗してしまうケースは少なくありません。
子犬の場合は、まだ長時間排泄を我慢できないことが主な原因です。
寝る直前や外出する直前にかならずトイレに誘導し、排泄を済ませておく習慣をつけることが大切です。
また、留守番させるスペース(サークルなど)をトイレと寝床だけに限定し、失敗しにくい環境を作るのも有効です。
スペース全体にトイレシーツを敷き詰めておけば、どこでしても成功とみなせるため、犬のストレスも軽減されます。
外トイレから室内トイレに切り替えたい
散歩の時に外でしか排泄しない習慣がついている犬に、室内トイレを覚えさせるのは根気がいるトレーニングです。
まずは、散歩で排泄した砂や土、おしっこが付いたシーツなどを持ち帰り、室内のトイレトレーに置いて匂いをつけることから始めます。
そして、子犬のトレーニングと同様に、朝起きた直後など排泄のタイミングでトイレに誘導し、「ワンツー」などのかけ声で排泄を促す練習を繰り返します。
最初はうまくいかなくても、室内で少しでも排泄できたら大げさに褒めてあげましょう。
焦らず、室内トイレは安心できる場所だと教えていくことが重要です。
成犬のトイレトレーニングのやり直しはできる?

成犬になってからでも、トイレトレーニングのやり直しは可能です。
保護犬を迎えた場合や、一度ついた癖を直したい場合でも、諦める必要はありません。
ただし、子犬に教えるよりも時間がかかることは覚悟しておきましょう。
基本的な進め方は子犬のトレーニングと同じで、サークルやケージを使って行動範囲を制限し、トイレの場所を根気強く教えることから始めます。
すでに身についてしまった排泄習慣を変えるのは簡単ではないため、失敗しても叱らず、成功した時にたくさん褒めてあげるという原則を徹底することが、成犬のトレーニングを成功させる鍵となります。
室内トイレのしつけが災害時や病気の際に役立つ理由
室内でトイレができるようにしつけておくことは、日常生活だけでなく、いざという時にも非常に役立ちます。
たとえば、台風や大雪などの悪天候で散歩に行けない日や、犬がケガや病気で安静が必要な時でも、室内で排泄できれば犬も飼い主もストレスが少ないでしょう。
また、災害時に避難所での生活を余儀なくされた場合、決められた場所で排泄できることは、周囲への配慮という点でも重要になります。
普段から体に触られることに慣れさせておくマッサージなどと同様に、室内トイレのしつけは、愛犬の健康と安全を守るための大切な備えの一つといえます。
まとめ|トイレトレーニングのカギは「原因理解」と「成功体験」!
犬のトイレトレーニングは、決して簡単な道のりではありませんが、成功させるためのポイントはシンプルです。
それは、なぜ失敗するのかという「原因を理解」し、どうすれば成功するのかという「成功体験を積ませる」ことです。
焦らず、愛犬のペースで、楽しみながら取り組むことが成功への一番の近道です。
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